野田総理大臣は、日本を訪れているフランスのフィヨン首相と23日に会談し、原子力事故が発生した際に、当事国の取り組みを支援する国際緊急対応チームの創設を検討することなどを盛り込んだ原子力の安全強化に向けた共同宣言を発表する見通しです。
22日に日本に到着したフランスのフィヨン首相は、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市を訪れ、「フランスは、日本とともにあり、精神面でも物質面でも必要な協力を惜しまない」と述べ、復興に向けた支援を続けていく考えを示しました。フィヨン首相は、23日、総理大臣官邸で野田総理大臣と会談し、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、原子力の安全強化に向けた共同宣言を発表します。関係者によりますと、共同宣言では、日仏両国が原子力発電の安全性を世界最高水準に高めるために協力することを確認したうえで、原子力事故が発生した際に現場に速やかに派遣して当事国の取り組みを支援する国際緊急対応チームや、原子力の危機管理に関する専門知識を有した人材の育成に当たる国際センターの創設を検討するとしています。このほか、除染の分野で協力を推し進めることや、原子力エネルギーに関する両国の協力を強化するための委員会を設立することなども盛り込まれる見通しです。野田総理大臣としては、こうした共同宣言を発表することで、原子力先進国であるフランスとの協力関係を深め、国際的な原子力の安全向上に貢献していきたいとしています。