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[29287] 【習作】恋姫で霊帝になってみた。
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c
Date: 2011/09/13 19:36
ちょっと霊帝様になってみた主人公。
バタフライエフェクトな感じでキャラ崩壊なんかもするつもりです。


注意点

・瞬間移動ができない、
・個人の武勇で戦術や戦略が基本的にひっくり返せない
・氣や妖術の類がない
・民衆が豊かな生活してない(雑誌なんか買えるほど余裕ない)
・異民族の方が強い
・皇帝の影響力が在る
・年をとる

など恋姫とは違う点が在りますので注意してください。

例えば演技劉備の必殺技である時空間魔法(1ヵ月かかる距離を3日で軍隊ごと移動する)とかは個人的に反則だと思うし、話が崩壊しますので…

この時点でこんなの恋姫じゃない!題名変えろ!など思う方はとても不快な思いをする事になります。
ご注意ください。




建寧元年 春

日記なる物を書いてみたくなったりする。
俺はまさに何この急展開?どこの物語だよ?って感じな状況にある。周りにはチ〇コ切ったおっさんしか居ないという変な状態に居て、綺麗なお姉さんと話はしたいがおっさんとなんて話をしたくもないので日記にでも愚痴を書いてみる事に。


始まりは何時のことだったか。

気が付いたら赤ん坊になっていて、古代中国だった。
いやなんかびっくりした。
葛藤や悩みなんかあったが、どうにもならないものはしょうがないので農耕やら勉学に励んでいた。一応皇族と聞いて勝ち組化と思ったが皇族は10万人とか居るらしいので珍しくもなんともないらしい。期待して損した。

親父は解瀆亭侯という最下級の亭侯兼皇族なのだが見栄っ張りなせいで自分で食う分は自分で働くしかなく、元良いとこのお嬢様であった母上は

「ごめんなさい。育ち盛りなのに…」

とか言ってくる。ちょっと重いよ母上。

この時代はなんと一〇歳で童子郎とかいう役職につける。そうなれば給料三〇〇銭位貰える。(農民の1人当たりの給料が一五〇銭前後)その役職に就く為に「礼記」の暗記を頑張っている。妾をとると五日に一回はS〇Xをしなければならないなど中身はかなり濃く、子供には難しい。しかし頭脳は大人な俺には簡単なもの丸暗記したぜ。「経書」とかはつまらないが…
これで母上連れて、洛陽でそこそこ良い暮らしができそうだ。
こんなダメおやじと三日に一回はヤることを強制されてるなんて我慢ならん。

とか頑張っていた六歳児。
自分でも思い返すとおかしいだろう幼児だ。

そんなこんなで童子郎になってお袋と家出しようと準備したら、親父がもちをのどに詰まらせて死んだので爵位を俺が継ぐ事になって、金に困る事がなくなった。

なんだよ。俺が今まで頑張った意味無いじゃん。とか思ったが、礼記を暗唱できる天才少年とかいうのもなんかカッコいいし、有名な人物鑑定士に「臥龍」とか厨二な名までもらった上に将来は太守クラスまで行けるかもなんて言ってもらえたので将来は明るい。しかもなぜか役人には女性も多い。この時代は男尊女卑だと思っていたけど違ったよ。女性が多い職場は花が在ってよさそうだ。おっさんより美人なお姉さんが上司な方がやる気が出る。めざせ太守の座!美人な秘書とか欲しい。

とか思って就職しようとしたら皇帝が死んだらしい。
政戦とか怖いので来年にするかとか思ったら、守光禄大夫とかいう地位の劉儵さんという人が来て誘拐された。そして夏門という所についたら竇武さんと言う人がいろいろごちゃごちゃ言って皇帝になれだのなんだの言ってきた。

傀儡皇帝ですね。わかります。
河間王系でフリーなのは俺だけなんだよね。わかります。

「…摂政をする為ですか?」

とかドヤ顔で行ってみたら

「なかなか聡明なようだな。」

とか言い始めた。この人絶対に話聞く気ねえだろ。



そんなこんなで後漢王朝の12代皇帝になっている。
別にハーレムなんかに心動かされたわけじゃないのでまだ年齢が若いって事で女の子が居ないなんて状態でも不満に思う事なんてないんだ。うん。
なんか後漢と聞くと三国志を思い出すなあ。興味無かったからほとんど覚えてないけど何代目か知らんが霊帝とか言う奴がままごととかして滅ぼすまで多分大丈夫だったと思う。政治は竇武さんとかがやるそうなのでリッチなニートな生活を送れそうだ。




[29287] 1話 祈ってばっかな日々
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c
Date: 2011/08/15 15:23

建寧元年 四月上旬(晴れ)

今日のお仕事。霊台で天を祀って、天を言祝。終了。
成人してないのでスタンプ押しの仕事はない。

肉なんて食ってこなかったせいか肉が胃にもたれた。料理もあんまりおいしくない…
今まで上流階級な人は良いもん食ってると思ったけど品種改良してない野菜はまずいね。

量も食いきれないので今度から粟と汁物だけで良いよと言った。正直に食べられないと言ったら「いけません。」とか言われた。

しょうがないのでそれっぽい事を言って黙らせようと

「朕の不徳で民が飢えているのに朕が贅沢などできるか!」

とか命令した。だから胃が受け付けないし、240皿も食えねえよ。相撲取りにでもしたいのか?

雨とか降らせないと俺が悪いとかないだろ。雨乞いでもするか?





建寧元年 四月中旬(晴れ)


張奐と言う武将が東羌を撃破して三州を鎮定してきたらしいので会ったらとんでもない美少女だった。青髪に長い髪、それと……身長なんだが馬に乗れるのだろうか?
そんな疑問も沸いたが今回この人が負けてたら漢王朝やばかったらしいので機嫌を損ねないでおこう。気にしてるかもしれないし。

今、鮮卑には檀石槐とか言う奴が居て

「俺達に降らねえんだったら、漢王朝の皇帝ぶっ殺して下に付けてやる。」

と攻め込んできている状態だったのでやばかったらしい。
地味に死亡フラグを踏んでた。

「苦労をかけるな。朕は頼りないと思うがこれからも漢を守ってくれるか?」

とか言っておく、この人居なくなったらまじでチンギスハーン並の奴に命を狙われ続ける羽目になる。我が心の故郷日本にまで手を出してる変態将軍から守ってほしい。ので言質を取っておく事にする。

「は、はい! 命ある限り!…私の真名は鈴音です。陛下にお預けいたします。」


なんか真名教えてくれた。

なんだかこの漢と言う国は真名というのをつける風習がある。
皇帝になった時俺の真名の付いている都市は名前変更になったらしい。
そこに住んでいる皆さま申し訳ない。




建寧元年 四月中旬2(晴れ)

今日のお仕事。霊台で天を祀って、天を言祝。終了。


また遠征に出る鈴音ちゃんの為に鐙を作らせてプレゼントした。
馬に乗るのに苦労しそうだからとか言ったら気を悪くしそうだから、

「馬上から武器を扱うことが容易になるのではないかと思ってね。専門家である鈴音の意見が聞きたくてね。」

とか誤魔化してみる。

「……これは素晴らしいです!ありがとうございます。」

と絶賛していたので喜んでもらえただろう。




建寧元年 七月上旬(雨)

今日も仕事は霊台で天を祀って、天を言祝。終了

北方の鮮卑を討ち負かしたらしい。
ありがたや、ありがたや

建寧元年 八月中旬(曇り)

今日も仕事は霊台で天を祀って、天を言祝。終了。

なんだか士大夫と宦官の空気が険悪な感じになっている。
殺しあいでもするんじゃないだろうな?




次回は党錮の禁編。



[29287] 2話 知らないうちに…
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c
Date: 2011/10/22 20:26
建寧二年 一月上旬(晴れ)

なんか洪水が起きたので大赦して罪許す。
「党人」は駄目だとか宦官が言っていたが知らん。
俺じゃなくて太后に言えよ。



建寧二年 二月上旬

今日も元気に天を祀って勉強かな~とか思っていたら、宦官の曹節が慌てた様子で突っ込んできて

「今、陳蕃や竇武が陛下を廃そうとしています。謀反です。宦官一同、身命を賭して、陛下をお守りいたしますのでお力をお与えくださいませ。」

とか一気に言ってきた。

俺を皇帝にしたの竇武さんだぞ?
陳蕃さんだって今までの名声を失うような事してなんの得になるって言うんだ?

全く意味がわからん。
俺はちゃんとパンダしてたぞ。

「近衛軍を使い、陛下を害そうとしているのです。しかし、ご安心ください。勅命さえ頂ければ、後は我々が片付けて御覧にいれましょう。」


「それならば竇太后に止めてもらうように頼むべきだ。朕は幼き故、竇太后が政治を担っている。朕は何の力にもなれないぞ。」

「なにをおっしゃているのですか!!陛下は偉大なる漢の皇帝ですぞ!ここに詔書と玉璽を用意しました。これを書いてくださるだけでよいのです。

なんか背後に詔書とか玉璽を持っている宦官が居る。
詔書はともかく、なんで玉璽持ってんだ?

…こいつらこんなこと言って清流派との喧嘩に巻き込もうって魂胆だな。そんなもん書くか!

陳蕃さんとか5、6回しか会ったことないからよく性格とかわからんが、臭いおっさんと美女なら美女を選ぶ!それで死んでも本望だ。

「だが断る。」

そう言った瞬間、宦官の…誰だっけ?張なんたらだやって来て

「まだか!! 奴らは何時行動を起こすか分からんのだぞ!」

とか吠える。何時からここはお前らの場所になってんだ。

「…しょうがない。今から行動を起こす事にする。陛下、少し眠っていただきます。」

「陛下は錯乱しているようですね。賊の排除はお任せください」

え、なにこのシリアス展開。というか小物臭がするよ君たち。
逃げるぜーーーーー!!

「うげ…。」

うお、気持ち悪。

「なあに、目が覚めた時には忘れているさ。それよりも詔勅はどうする?」

「なに、字を似せて書けばいい。皇帝の書いた字も我らが書いた字も奴らにはわからんだろう。」

「陛下は賊に襲われ、我らが助けたというこ・・・・と・・で

……なんだこれ



建寧二年 二月上旬2

ふかふかなベットの上で目が覚めると

状況をまとめると

清流派が宦官皆殺しにしようとする→竇太后に詔勅で宦官皆殺ししろと出させようとする→竇太后が宦官に居ないと不便とごねる→未決済の書類に置きっぱなし→宦官が盗み見る→皆協力して士大夫ぶっ殺そう→皆考える→皇帝使おう→玉璽盗んで書かせようとする→俺がごねる→事後報告して誤魔化そうと詔勅を偽造して指導者層の士大夫皆殺し→遠征から帰ってきた張奐登場→曹節詔勅見せて「包囲しなさい」命令→竇太后は「知らない。」+俺気絶中。→真名間違ってるし、字が陛下と違いすぎ…偽造だろ→宦官殺す。

結果。大将軍であった竇武さんを始め、馮述、尹勲、劉淑、虞放、杜密、朱寓、劉儒と言った漢の中枢の清流派士大夫が自殺させられ、宦官は皆殺し。


あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

「寝てる間に漢王朝の指導者層が全滅してた。」


…やべーー。漢の中枢全滅してんじゃん。
とりあえず、宦官を悪者として公表して財産でもパクルか。
そして今回死んだ高官の子供とかに漢に巣食う害悪を払ったとか言って爵位とか配ればいいか?

おい、座ってるだけで良いんじゃなかったのか
後ろ盾居なくなってんじゃん。なにこの状態。






こんな状態で「わかった。」と詔勅書いて党固の禁やっちゃて黄巾の乱って流れで三国志になるはず…

とりあえずどんな人物かの説明だけ

〇張奐

正史:党固の禁の際に詔勅に従い洛陽を包囲し、清流派士殺害に加担してしまう。
この事件のことを病んで印綬を返し、命をかけて弾劾するも聞き入れられなかった。使匈奴中郎将として功績を上げ続け、銀の印綬を10回も授かる漢最強の将軍。


〇竇武

桓帝を諫め、党錮の禁を解くことに成功。
その後、自分の長女使って宦官を皆殺しにしようとするが、計画がばれて失敗。宦官に捉えられて自殺させられた。


〇陳蕃

「天下の規範は李膺、宦官畏れざるは陳蕃」な士大夫のリーダー
初めに宦官に立ち向かった李膺を保護し、宦官に敵対。
近衛軍を使い宦官を皆殺しにしようとするが、失敗。宦官に捉えられて死亡。




[29287] 3話 とりあえず考えなしの行動は控えましょう。
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c
Date: 2011/08/16 21:51
建寧二年 二月上旬3

漢の中枢がごっそりを消えうせ、どうしよう?

鈴音は軍人だし、辺境に居てくれないと困る。政治が出来る人なんてほとんど分かんない。

ちょっ、太后!引き籠んないでください。
自分のせいで父親が死んだってことで精神的にやばい事になってる。
まじどうすんだよ。俺現代知識TUEEEなんてできねえぞ。
…そうだ。投げちゃえ。


「李膺よ。天下の規範は李元礼とまで呼ばれるお前に聞きたい。朕は幼く、天下を導くだけの力も後ろ盾もない。摂政をする太后も父を失った悲しみで部屋から出てこない。そして漢を支えてきた者たちも失った。朕はどうすればいい?」

「……僭越ながら漢を害してきた者はこの度の騒動で消えうせました。しかし、今まで漢を支えてきた者も失いました。今は漢を支える徳高き者を登用し、漢の復興に努めるべきと愚考しています。」

「ならば、多くの者に慕われる李元礼を相国として政治を担ってもらいたい。」

完璧な作戦だ。
国の為に命をかけて戦う忠誠心高くて、皆が文句言わなそうな李膺に全てを任せてしまえばいい。
三公の座より相国あげて軍事とか政治を全部投げてやるわ。

と思ったら断られた。
漢の歴史うんぬん。官職の重さだとかどうとか、ほぼ説教。
しょうがないので丞相復活させる事でなんとか説得したよ。


建寧二年 三月上旬(晴れ)

成人した。
清流派を許す為の大赦する為の祝いと漢の再興の為にだとかそんな感じなことと、太后がHIKIKOMORIになってしまった為、スタンプ押ししなくちゃならない。
めんどくさすぎる。


建寧二年 三月中旬(曇り)


母上を宮殿に入れる事に成功。
竇武さんと俺と血繋がってないし居たら母上が摂政すべき。とかなりそうだし、今まで摂政するのに邪魔だってことで後宮に入れなかった。竇太后はあくまで前の皇帝のだから下手に呼ぶと殺されちゃうかも知れないと決めてから気づいた。

本当にごめん。目先の利に飛びついてしまうとこんな事になるなんて。


建寧二年 三月下旬(曇り)

母上が暴走しています。

「世の中で金ほど大切なものはありません。天下の最高位にあるのですからお金を最高に保持しなければならないのです!」

ごめんよ。母上。そんなに生活が苦しかったのか。
皇帝の従弟に嫁いでいるわけだから、かなりお嬢様だったのにいきなり貧民生活。
どうも母上はいきなりまたリッチな生活が出来る事になって、やばい事に……

なんとか暴走する母上を止める事に成功した。
目の前の餌に飛び込んではいけない事をこれでもかというほど学んだよ。

宦官も元は貧乏人。ち〇こ切ってまで生きようとした人物なんだよな。
そして秘密を握り貴族や高官が吸っていた甘い汁の一部を手に入れて…
まあ、あのままサインしてたらとんでもない事になってたかもしれないから、後悔はしてないが、ちょっと考えさせられるな。



建寧二年 四月中旬(雨)

なんかスタンプ押しの仕事で財務の方見たけど戦費が凄い事になってる。

対騎馬民族に掛かった戦費が1年で15億銭…勝ってこれとかとかやばいね。
でも宦官から財産没収したから結構いけるはず。
隣のペルシア朝が死にかけてるらしい。頑張れ!

建寧二年 八月上旬(曇り)

反乱起こされました。

ちょっと待て。
悪の宦官やっつけたんだよ。(張奐が)
清流派も重用したよ。(李膺が)

事情を聞くと合肥侯を擁立しようとしてるらしい。
主な人物は王芬、許攸、そして陳逸…陳蕃さんの子供らしい。
なんでも宦官に詔勅使って高官を殺させた後に鈴音を使って使い捨てたという事をしたとか思われたらしい。太后がヒッキーとなり俺が母上を呼び寄せたから、外戚の地位に居られなくなったことに文句言ってたらしい。
今までは宦官使って外戚を排除的なノリだったけどそれを低い身分の者で代替わりしたとでも思われてんのかな?

「じゃあ王芬と許攸はなんでだ?」

とか報告と聞くと清流派士大夫Aがオブラートに包みまくっているが

パーフェクトな李膺とその仲間たちが善政してんのに天気が良くなんねえし異民族攻めてくる→皇帝が悪いに違いない。→皇帝チェンジだ。

という感じとか。

…ちょっと待て。
俺のせいかよ。

なんか厨房と名乗るスタンドが出てきて

「僕も苦労したんだよ。王だったころは何も言わなかったのに皇帝になったとたんに政務を自分で処理すると、天は怒って天変地異を起して陛下を戒めてるから何もしないで顧雍、陸遜、潘濬に全て任せて酒でも飲んでろとか言われてさ。そんな事言われたらキレるのも当然だと思わないかい?憤死ぐらいさせるさ。(キラッ)」


うるさいよ。ちょっと黙っててくれ。
なんだ今のは?

とりあえず、鎮圧命じて、天候悪いとか言われて暗殺されるかも知れないから鈴音ちゃんに腕利きを紹介してと泣きつくことにした。
本当は手元に置いておきたいけど、反乱とかやばすぎる。
不安だと話すと自分を配下を置いてくれるそうな。

なんと素手で牛を殺し、4桁の胡人ぬっ殺すような武勇を持つそうな人らしい。
董卓…北〇神拳でも使えそうな奴だ。
しかし、今は生命の危機。もしマッチョな筋肉であろうが護衛には欲しい。
なんか聞いたことあるような…まあいいや。



八月上旬2(雨)

涼州から董卓と言う人がやってきたらしい。

「姓は董、名は卓、字は仲穎です。微力非才の身ではございますが陛下のお役に立てるよう、努めてまいります。」

「あ、ああ、宜しく頼むぞ。」

ロリだった。北ではロリな武将が流行っているのだろうか?
本当に微力だったらやばいんだが鈴音がそんな人寄こすはずがない。
大丈夫…なはず!





主人公のスタンド厨房と月ちゃんを召喚。母上が暴走。
このSSの月ちゃんは武力に優れた将軍様でエターナルロリだ!
恋姫ではその秘めたる才能を発揮できてないけど尊敬する上司の張奐が生きてる事でなんか才能を開花したのでそんな感じに…

厨房は…なんかノリで出しました。実際にはこんな人いませんよ。

霊帝紀によると霊帝の売官は母上が進めたっぽいので暴走させました。生活が苦しかったんです。でも贅沢はしてないという言うなれば貯金通帳見てニヤニヤしてる人。



[29287] 4話 かわいいは正義…
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c
Date: 2011/08/17 21:19
建寧二年 八月中旬(晴れ)

董卓ちゃんがかわいい。いや、かわい過ぎる。
愛玩動物でもこんなに癒される事はないだろう。

それにしても「冥土服」皇帝に歯向かう者を冥土に送るとかいう意味らしいが・・・どう見てもメイド服です。

それを着て守るとか精神年齢がアレな俺、いや、朕にはたまらない。
羽林中郎将の歴代の方々グッジョブb


建寧二年 八月中旬2(晴れ)

現在、近衛のマスコットとなっている董卓ちゃん。
近衛は宦官に騙されて清流派士大夫を殺してしまった事で各中郎将が責任を取って辞めたが、清流派からかなり厳しい目で見られていた。濁流派に付いたと思われてるらしい。そんな中、マスコットな董卓ちゃんに癒されてるとか。




建寧二年 八月中旬3(曇り)

反乱の鎮圧が完了。
本当は鈴音ちゃんと皇甫規という人の二人で鎮圧するはずだったのだが并州から段熲さんが援軍に来て、漢三将と言われる三人でフルぼっこにしたとか。

帰宅途中布異民族に捕まった状態で、北の異民族全員に恐れられている段熲さんの親族を名乗り

「私を殺したと聞けば、我が家が遺体を引き取るだろう。」


と、自分を殺せば段熲が報復に来るぞ。と意味を込めて氐族を脅して、土産を持たされて帰ってきたという話を聞き、段熲さん本人が面白がってその人を招いて軍師にした所、大活躍したようでかなり早く終わったらしい。

鎮圧は早く終わったが、反乱軍が兵をそろえる為に略奪とかしてしまったので平定に時間がかかるとか。
内乱なんて何にも良い事ない。



建寧二年 九月上旬(雨)

南陽の新野付近で洪水が発生。
二千戸分の田畑が駄目になったとか。

「流浪民には、規定量の穀物を与えるのではなく田を耕し、それを与えるべきだ。」

「しかし、陛下それでは多くの金銭がかかります。」

「そうして穀物を与えたとしても、彼らは穀物が尽きれば生きる為に賊となり、村々を襲うだろう。そしてそれを鎮圧するために多くの金銭と命が使われる。ならば土地を与え、自活できるようになるまで国が支えてやれば、その先、税を取る事ができる。どちらが得かどうか考えるまでもないだろう。…それに、光武の代より役人の数は六倍にまで増えた。その時代の臣下に劣らないと言うのであれば出来るのではないか?」

「……わかりました。手配いたします。」

「粟1粒たりとも横領が起きないようにしてくれ。」




「なあ、董卓?」

「はい。なんでしょうか?」

「十年以上先の事を考えれば開拓の支援をした方が良いと思うのだが、胡広はなぜ、意見に反対したと思う?なにか朕に見落としをしている点があったのだろうか?」

「いえ、おそらく、…彼の故郷は南陽だそうで、荘園をしています。二千戸、約一万人の流民が出ます。それだけの人数をタダ同然で雇い、開墾させ、搾取する事が出来れば…。そんな事を彼は期待したのかもしれません。ただの妄想ですが…」

本当だったらまじで利害関係でグチャグチャになってるな。漢が善政するほど豪族の力が失われて行って、漢が悪政をするほど、彼らは肥える。

濁流なんて派閥が出来たのも、わざと悪政を行う事で、流民化させて荘園に招き入れる為なのかもしれない。
荘園の民はそのまま兵となる。その軍事力を盾にその地での発言権を高める。光武帝決起の際の主力も盗賊と荘園の民だったそうだし、まじ、どうにかしてほしい。

しかし、董卓ちゃんは政治も、武芸も一流でかわいいとか反則すぎる。

成人したし、そろそろ妻とか欲しい。
誰か陛下は早く世継ぎ作らなきゃいけないとか言って勝手に美人な人とか集めてくれないかな?
まだ13歳だがこの時代はもう結婚OKな年齢。

周りが女の子ばかりだからねだるのが恥ずかしすぎる。






董卓褒める事しかやってない。
なんかもっと会話とかさせた方がいいのだろうか?
そこら辺がよくわからない><
主人公が皇帝なせいかなれなれしい感じだとなんか変だし、曹操様だったら皇帝の前だろうがなんだろうが一応敬語使うけど…みたいな感じで自然に行けそうなんですけどね。

一言

感想来るとテンションが上がります





[29287] 5話 男は下半身の為に戦う生き物
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c
Date: 2011/08/18 19:34
建寧二年 10月上旬(曇り)

李膺さんがなにやらお悩みの様だ。

「なぜだ。我々は漢の為に戦う同志だったのではないのか?」

とか

「安帝の治世以前の状態にしてどうする!」

とか

結構精神的にやばいっぽい。

今までは宦官と言う巨大な敵がいたから結束出来ていたが、その巨大な敵が居なくなって、派閥が出来てバラバラになっている。

清流派を自称する家柄もあり名声もあった人達が死んでしまった事で、空いたポストを争っているわけだ。

袁家や楊家と言った超名門は、清流派と言っても宦官と離れたり、くっ付いたりしていたわけで、言うなれば日和見していた。清流派間の名声はないが、力はある。出世は家柄で決まる時代だし、この隙に自分の派閥の人間を使って高い官位を得ようとしている。

その勢力と仲が悪いのが今回死んだ人達の派閥で、大きな犠牲を払いながらずっと戦い続けてきた人達。なんにもしないで地位だけ欲するのは彼らからすれば面白くないわけで、そんな家を放っておいて高い地位に就かせろと言っている。

そこに名声も家柄もないが金や力があるという地方の豪族勢力も入るとめちゃくちゃになってくるわけだ。


安帝の時代に作られた左雄が設けた孝廉基準。言いかえれば豪族による人材推挙をしばる為の制度を使って清流派の仲間入りをした人だからその制度でやりたいし、漢の為に戦ってきた者を高い官職にして復興したい。

でも名門はプライドが高いから冷遇されると、一族をあげて寇賊になり、長年培った人脈でいくつかの地方豪族に

「兵を出してくれれば地位をあげるよ」

と言って巻き込んで寇賊にする。

漢独自のシステム。負けた事をなかった事にして官位をあげて取り込んでしまおう作戦を逆手に取られ、妥協できる条件を勝ち取るまでその勢力と戦うなんて事になりかねない。

順帝の時代なんて毎年のように反乱ばかりだったそうだし…

こんなかなりやばい状態を調整してる李膺さん。ご苦労様です。

「…陛下。」

もう辞めさせてくれと言うんじゃないだろうな?

「なに?」

「成人した事ですし正妻を取られてはいかがですか?」



建寧三年 1月上旬(曇り)

正妻を貰えた。

ヒャッフーーーーー。


名門の袁家の娘さんで政略結婚臭がしまくりだが…そんな事は関係ない。

これで魔法使いから卒業できるぜ(精神年齢的な意味で)。

なかなかかわいい子だし、皇帝最高!って感じだ。

そんなこんなで床で世界で一番競技人口が多いスポーツに取り組んで
ラストスパートに入ろうとしたら…

「陛下。今日は駄目な日ですよ。」

「えっ?」

「予定通りだと17日後なら大丈夫です。」


………なんのことだ。




聞いたところ

男性は女性をエクスタシーに導くことで、
高まる「陰」の気を吸収し、活力を得る。

女性の「陰」の気を取り入れた精液は体内を逆流し、男の内臓を強化。
そうして長生きになり、極めると不老不死になるらしい。

簡単に言えばS〇Xして射〇我慢すればするほど内臓が強化されて長生きできるってことらしい。

しかし、子供を作らなければならないので、出生率の高い月経の後の五日間のみ〇精が許されている。


つまり男が一人の妻でエクスタシーに導かれるのは1ヵ月に最大でも5日…。
しかも妻は3日、妾は5日に1回ヤることを強制されているわけで、簡単に増やすわけにもいかない。
したとしても時期がダブったらどうするんだ。

「月経の周期を教えてくれ。」

なんて言うわけにもいかないし…

もし俺が50人の妾でハーレムを作ろうとしたら、1日に平均10回を50歳まで続けなければいけない上、〇精できないなんて事になるわけだ。

皇帝になっても良い事がないじゃないか!!
というか拷問?

騙された!!

おい、なにが良い思いが出来るだ。
一人我慢大会に参加させられたようなもんじゃねえか!

萎えた。すごく萎えた。
もう女なんて抱けなくていいや。


もうなにもかもどうでもよくなったその時


「なら変えてみせろ!」

厨房?なんか厨房が出てきてそんな事言い始めた。

「理不尽な事があるならそれを変えてしまえばいい。お前はそれが出来る地位にいるのだ。」



………そうだ。

政略結婚でかわいい嫁ゲット?そんなもので満足するなんてありえない。

これから騙される歴代皇帝の為にもこんな決まりはなくさなければならないのだ。

今のままでは駄目だ。力が弱すぎる。

中央集権化を行い、儒教とかそんなものにとらわれないだけの力を!

そして董卓ちゃんとか、かわいい子を妻に迎えて、好きな時に好きなだけヤることが出来るようにする。

この糞儒教な考えのせいで多くの漢達が涙を呑んできたはずだ。

それをどうにかしなければ…

革命だ!!





…あ、ここまでがプロローグですよ。

この設定だと一刀君は萌将伝だとすぐ死にそうだ。
儒教ってホントに男の敵だね。


修正
楊家だったけど、袁家の間違いでした。



[29287] 6話 我儘な人ばかり
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c
Date: 2011/09/04 02:00
建寧三年 1月中旬(曇り)


婚姻によってめんどくさい袁家の対策は進んだ。

袁家は皇帝の即位に関りまくって、その力を増した一族だから滅茶苦茶強い。
揚州一の名家である周家を初め、袁家が取り立てた家は多く、外戚、宦官を使い分け、力を蓄えてきた為に横つながりが強い。
敵に回すわけにはいかない。しかし、要求通りにもしたくなかった。

まず、袁家の前の当主はお人形にならなかった質帝を殺した梁冀の腹心として三公を二回やっている。
つまり、お人形皇帝を求めている派閥のトップの盟友。

「袁成さんに頼めば、なんでもやってくれる。」

なんて洛陽で言われるほどだ。
数十年前まで賄賂はもらう、地位は好き勝手するという宦官とどう違うの?状態だった。

しかし、梁冀の一族が宦官に殺されると、一気に不遇となった。
お人形とならなかった桓帝を先代の質帝の様に殺そうとして反撃をくらい滅亡した一族の盟友。
当たり前だが信用されるわけがない。
そこで方向転換して竇武さんに接近、俺の即位を手伝った。
報酬として300戸加増しているが…

そして袁家の力が欲しい竇武さんの口聞きで清流派となった。

しかし、清流派と仲が悪い。勝てそうな時になったら鞍替えをしていて、さらに清流派の仲間になったのに中常侍で自分の親族である袁赦といまだに仲良くしていて、どっちが勝ってもいいようにしている。
今回の事件でも袁家出の清流派は一切被害が出ていない。

これを重用するとなると清流派が本当にバラバラになる。

梁冀は租税の半分を懐に詰め込んだらしいが、袁家はどれだけ貯め込んでるのか…
それを使って流民に武器を持たせて戦力化とかされたら本当に困る。


そこで袁家が一族の者を中常侍にして、国が乱れているのに私財を蓄える事ばかりしていて、

「袁家は富み奢ることが激しくて、やはり他の三公の家とは違うなあ。」

なんて言われている自分の一族にキレて、

「先祖(袁安)が私欲なく王朝に貢献したのに、子孫が徳を守らず宦官に媚びて奢っているのは、最悪だ。死ねばいいのに。」

こんな事を言って隠居させられたガチガチの清流派として知られる人の娘を正妻にして、袁家を割って力を抑える。
袁家はでかい家なので兄弟が清流、濁流に分かれていることもある。
意思の統一が出来ていない。

さらに袁逢は兄が早世したので家督を継いだがその娘である袁紹という娘が居て、お家騒動になるかもしれない所まで来ている。

そこに清流な袁家の人間を優遇する事で袁逢派、袁紹派で分裂しかけている所に袁閎派を突っ込んで3つに分けて対処することにした。

身内で好きに争ってってね。って感じだ。


袁閎の目指す所は袁家を袁安の時の様に権力や財におぼれない家とする事で、こちらの利害と合う。
婚姻の最大の問題は外戚問題。

子供出来て

「はい、さよなら。もう用済みだから死んでね。」

とか洒落にならん。
外戚として権力を握るのではなく、外戚としての立場でありながら、一臣下としての礼を尽くすことで名声を上げたい袁閎さんの派閥に居る「七賢」を初めとした清流な人間のみ重用する。

清流で優秀な人間だけを手に入れたいけど反乱させたくない。という我儘なこちらの都合を通す為にはこれぐらいしか手がなかった。

あとは袁閎さんに頑張って家の建て直し頑張って貰う。

やはり、えげつない。
政戦って凄いんだな~とか思いました。

袁家よ頑張れ!



建寧三年 四月中旬(晴れ)



軍事方面の教育をしてもらっているのは盧子幹という人。
党固くらってから辺境に引き籠ってたのを無理やり連れてきた。


なんだかんだ言って実際の名将の話を聞くとやっぱり、本を読むだけじゃ駄目だなあと思うしね。
密集陣形がなぜ強いのかとか質問したら

「逃げられないからです。」

「…?誰が?」

「味方がです。」


ぶっちゃけこの時代に国からの保証なんてないわけで、農民はすぐ逃げちゃうそうな。
それで密集陣形作って前にしか出れないようにして戦わせる。
まあ、農民連れてきただけだし、色々な陣なんか出来るわけがないか…
色々な陣形を組んで戦う将軍は幻想だ!

あとよく将軍が賊相手に10倍、20倍ひっくり返しているがあれも実際は違うらしい。
将軍は賊の非戦闘員の数もひっくるめて報告しているからとか、やたらと多くなる。
女性のほとんどは戦えないし、一人の兵士の雑役に従事する男性が5~10人。
だいたい賊10万で相手の戦える人間が1万位になるらしい。
同数の敵に負けても

「10倍の敵に負けました。」

で済むし、勝てば

「10倍の敵に勝ちました。」

となるわけで、負けてもごまかせるし、勝てば報酬が多く貰えて名声もゲットしやすいとか…
これを本気にして賊が弱いと勘違いして突っ込んでいく馬鹿が出てきて

「我々は官軍ぞ!賊ごとき相手にならん!」

とか言って突っ込んでいく。
同数で勝てないから勝てる人が名将とか呼ばれるのに素人がそんな事して勝てるわけもなく大損害出して軍費をかけまくる。
軍制とか出世方法を見直すか…



建寧三年 一〇月中旬(晴れ)


今の徴兵方法だと軍の質が悪い。
と言う事で軍制改革をしてみる事にした。

今の徴兵方法は県や郷単位で今で言う村長的立場の人に人選をまかせて一定人数の男性を出頭させるのだがぶっちゃけ、その郷で邪魔な人間を追い出す為に使われるからいい人材が少ない。

そこで各連隊ごとに一定の地域を割り当て、その中で徴兵を行うようにした。
この国では里や郷によってしゃべっている言語が違う。
日本みたいに単一民族じゃないし、数百年前は別の国で戦争をしていたわけだからしょうがないのは分かるがこんな状態で戦えるのか?って感じだ。

だからこそ、同数で勝てる者が名将と呼ばれるわけだが、名将がごろごろと転がっているわけじゃない。
せめてそこそこ優秀な将軍で賊に二倍の数くらいで勝てるだけの練度は欲しい所だ。
同じ所の出身という事で団結してくれる。贅沢を言えば現地での軍の徴収と言う名の略奪も…無くなればいいな。
略奪された人が賊になって討伐して、また略奪して、みたいなループになると困る。

初めは北方民族と和平して内政とか思ったけど無理だし、せめて国内は安定してくれないと破産する。

檀石槐は和平なんて考えても居ない。
どっちが下に付くと決断するまで攻めてくるだろう。

男は皆従軍で時には女子供も参戦だから高い地位に就くような将軍に人気もない。
賊討伐は10分の9と戦わない場合が多いが、北方民族は皆戦うし、強い。馬に乗ってるから早い。負けそうになったらすぐに逃げる。

わかりやすい戦果をあげる事が難しい。
しかも相手の将軍はこの大陸最強なんじゃないかっていう名将中の名将
俺も将軍だったら行きたくない。
辺境に行きたがってくれる鈴音に本当に感謝だよ。




建寧三年 一一月中旬(晴れ)


九卿の地位にある劉焉さんが

「地方で反乱とか起きた時の為に州牧制導入しましょう。そして信頼できる物を派遣して対処させましょうよ。」

とか言ってくる。

鈴音を涼州牧にでもするかな~。
とか考えてたら

「私は交州牧が良いです。」

とか言ってきた。

…お前が交州行きたいだけじゃないのか?

良く考えたら国切り分けろって言ってるようなもんじゃん。

断った。

同じ辺境行きたいでも種類が違う。

でも交州を中心にシルクロード貿易で儲けるのも良いかもしれん。
涼州経由でのシルククロードで行ける国は北方民族の侵略や病気でそんな余裕ないからインドやベトナムを中心とした南方貿易に力を入れてみるかな。
この時代、外国ではシルクは金と同じ価値で大儲け出来るし…。今は宦官から分捕った金を開拓資金にしているけど、流民の数が多すぎて、赤字になっている。相談してみるか。

もちろん劉焉さんは派遣しない。


*********************************

なんで袁家と?とか質問が在ったので書いてみたらかなり長くなったので本文でいいやと載せちゃいました。
とりあえず、徴兵方法を変更。


投稿が遅れたのはこの後に西園八校尉でも作ってそこにフラグ立てた軍師登場!適当に俺TUEEさせる為に16世紀位の戦術でもやろうと調べてたら面白くなってしまって、時間をかなり使い。
動画サイトで恋姫見直そうとしたら消えてた…と言う事で他の二次創作とか見て口調とかなんか見直そうとしていつの間にか…って感じです。
でも結局次回という罠。

今回は政治、軍事を知る主人公と言う事で解説臭いですね…


〇梁冀
8代順帝の頃から外戚として好き勝手して、9代目を2歳児を皇帝にしてまた好き勝手して、10代目質帝があまりにも聡明で言う事聞かなそうだったから毒殺したりした。
11代桓帝に皇帝と同等の地位を求めて、さあ、皇帝になるぞ~という所で皇帝暗殺未遂で殺される。
梁冀の財産を没収したら国家の租税の半分の額だった。


別に重要な人物じゃないんで二十兆円横領した政治家位の認識でいいですよ。



[29287] 7話 周りとの温度差が酷いね
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c
Date: 2011/09/01 02:53

熹平元年 一月 上旬(晴れ)

この時代は流民が多いから、それを軍人にする。
一人当たりの給料が安いので財政的に負担が軽い。
そしてガンガン訓練すれば練度が高い軍が安価に作る事が出来るのだ!

的な案を思いついたので話した。

まあ、うまくいきそうに見えるがまあ机上の空論だろうということになって
畑仕事が合わないとか騒いでる奴に給料は普通の農民より高いが辛い兵士、給料低いが安定した生活が送る事ができる農民を選ばせる事にした。

兵士の訓練をものすごく厳しくして…
土地いじりが嫌なんてほざく奴に現実を教えてやるのだ。

屯田は金がかかるから全員に開墾させる事は難しいんだぞ。書類もいっぱいなんだぞ。
恵まれた立場だと言う事を理解すればいいんだ!


熹平元年一月 中旬(曇り)

一万人ほど兵士が出来てたOTZ

ちょっとそこの将軍に聞いてみよう。なんでこんなに残ってるの?


「厳しい訓練でしたが皆路頭に迷っていて賊になるしか生きる方法がない所を陛下に命を救われたとの事です。その事を思えばどのような訓練も耐えられると皆申しております。」


…………だら、だら、だら、

え、土仕事が嫌なんじゃなくて、命を救ってもらった恩を返したい。それに報いるには命を賭けて戦うしかないとか…


熹平元年 一月下旬(雨)

上軍校尉:段熲
中軍校尉:臧旻
下軍校尉:蓋勲 
典軍校尉:田晏
助軍左校尉:皇甫嵩
助軍右校尉:朱儁    
左校尉:韓遂
右校尉:丁原


と、こんな感じで漢三将軍の一人であり、羌族を平定した段熲をトップに置いて若手の実力者を片っ端から集めてみた。
そして扱いに困った兵士(仮)を預けて皇帝直属の常備軍「西園軍」を作る事にした。

ひっこみがつかなくなってしまった。

その後、テンションがおかしくなりすぎて朕は天上将軍とか言って演説とかしちゃった。
絶対黒歴史になると思う。
罪悪感が…


熹平元年 二月 上旬(曇り)


檀石槐…

本当にどこのチンギスハーンだよ。いつの間にかモンゴル統一しちゃってるし、戦術レベルが半端ない。
前は異民族の侵攻は多くて一万前後だったのに、三万とか連れてくる。最近では頻度が増しているとか。年齢もまだ30代だから死ぬことも期待できない。。

「ぼくのかんがえたさいきょうのせいえんぐん」も訓練中だし本当にやばい。



熹平元年 二月 上旬2

ちょっと視察という名の散歩に出かけた。
西園に、


そこらへんにいた将軍に聞くと、対騎馬民族戦の為の訓練をしているとか。
絶え間なく矢を発射する為には弩の部隊が10列必要だったそうだが、手順や教練を工夫し、半分の5列に出来たそうだ。

そして攻撃時は撃った最前列の人が後ろへ下がって行くのではなく
撃ったらその場で装填をし、装填が終わったら最前列に歩いて出て撃つようにして陣形を整える暇なく殲滅するらしい。
こうしてジワリジワリと進んで…


あれ?これってスウェーデンの厨二王の戦術じゃね?今まですっかり忘れてたけど…
誰だこのチート戦術考えたの?まだ30年戦争の時代じゃないよ。16世紀に戻りなさい。


段熲さんの個人的な軍師…賈駆と言うのか。
これをこの時代に考え付くとかすごいな。
西園の軍師にでも任命するか?
駄目だったら変えればいいし。
なんか転生者補正とかなんかで偶然諸葛亮みたいなのが釣れないかな~。



【賈駆の回想】

ボクの生まれた故郷は戦乱の真っ只中だった。

男は皆兵士として徴兵され、女、子供であっても使える者は兵として戦場へ行かされた。

漢に匹敵するであろう大帝国にまで成長した匈奴の侵攻を受けて略奪をうける毎日。

ボクと月はそんな中で出会った。

もし軍が負ければ皆農奴とされる。若い女であれば犯される。

そんな中でも月は明るかった。

でも、戦争は続き、全ての女、子供が徴兵に駆り出された。

「ここで負ければ全員奴隷にさせられる。」

そう言われて…

月は武術の才があったのかどんどん出世して行き…多くの匈奴を殺していた。

そして明るかった月から笑顔が消えていった。

ボクは何もできなかった。

今、月は漢で一番安全な所に居る。皇帝は基本的に後宮から出る事はないし、歯向かう者は一族皆殺しだ。
よほどの馬鹿じゃないかぎり手を出すものはいないし、出せる者もいない。
月も人を殺さずに済む。
前みたいな暗い顔じゃない。良い職場なんだと思う。
でもそれは皇帝の寵愛を受けた張奐様の後ろ盾があるからその地位に付けている。

あの戦争馬鹿の上司も張奐様も既に60過ぎ、タダでさえ寿命の問題もある。
戦線を下げざるを得ない状況になるとボクたちの故郷である隴西郡は破棄されるし、そんな様態になるという事はあの二人が死ぬか、大敗すると言う事を意味する。
そんな事があれば、ボクたちは故郷と有力者の人脈という後ろ盾を同時に失ってしまう。
そうなれば月やボクは…

上に行こう。せめて月を守れるくらいに!
この西園軍で活躍して…


「賈文和を西園軍祭酒に任命する。」


……え?



**************************

檀石槐の国は魏くらいの大きさの大帝国。
河まで防衛戦を下げて騎馬兵を生かせないようにするという策も当然あったわけで、そうなればそれより北の涼州は破棄。
当時は官吏は郷挙里選で任用していますので地域色が強いです。
同じ州出身ということで恩恵を受ける場合も多いです。
故郷の後ろ盾のない美少女がどうなるか…ごくり

今回ちょっとシリアスにしたいと思ったけど…うまくいかなかった。やっぱりギャグなノリのほうが書きやすいよ!




wikiで出てこない人物の紹介

〇段熲
異民族と百八十戦もし、三万八千六百の首級を獲り、家畜を四十二万七千五百頭も得た。しかも合計の死者数が四百人しか居ないというチート将軍。漢三将の一人。


〇臧旻
臧洪の父で西域の情勢を知りつくし、班固の西域伝より詳しいと言われた。行政能力に長け、軍を率いれば勝利する。人材発掘の面でも有能で丁原を見出したりと超万能。

〇蓋勲
涼州刺史の左昌が横領したのを咎め、恨まれた為に死地に送られるも勝利。
その後、順調に出世し、その直言の士たる態度に感動した霊帝は軍国の密事が在るたびに蓋勲の意見を聞いたという。

〇田晏
破鮮卑中郎将で段熲と共に戦果を上げ続け、羌族を平定した。

*西園軍祭酒…軍師みたいなもの。



[29287] 8話 政治ってなんだろう
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c
Date: 2011/09/04 09:25
【李丞相の憂鬱】



「ふぅ、美味いな。」

「だろ? うちの一族の皆もよく飲む馴染みのものだ。」


とある一室で酒を飲み交わす二人。
李膺と郭泰、初めに宦官に立ち向かった同志であり、彼らの姿に感銘を受けて清流派が出来たと言っていい。


「郭泰、漢という国はどういう国だと思う?」


李膺がぼそぼそと話し始めた。

「なんだ?いきなりだな。」


「私は漢は大土地所有を黙認する代わりに官僚として 支配体制内に取り込む事で成り立ってきた国だと思ってる。その為の制度が寛治だ。光武帝は儒教の徳目によってその地位の高さを決めるとした。豪族は貯め込んだ財貨をばら撒いて税に苦しむ哀れな民を救い名声を得て地位を得る。そうしてその名声に応じた地位を与え民から搾取するはずの豪族に名声と権力という蜜を与えて金を出させる。」


「多くの者に恨まれながら搾取し使いきれない財を備蓄するより、使いきれないほどの財のほんの一部を使うだけで、多くの者に慕われ、称賛される生活が送れる。光武帝は人間と言う物を理解していた。」


「李膺………」


「素晴らしいと思わないか?皆が幸せになれる世界だ。富める者が貧しき者を助け、両者が幸せになる。例え心の底にあるのが名誉欲や権力を追い求める欲望だろうと…。だから私は士大夫としてこの政治体制を支えようとしたんだ…」


「しかし、宦官との癒着で、かれらは金を稼ぐ喜びを知り、そして思ってしまった。名声なんてものは何にも役に立たない。身を守ることが出来るのは立場ではなく、金。名声の高さで手に入れるはずの官職も金で手に入るじゃないか?やはり世の中は金だ。って感じにね。儒教での統率が効かなくなった。」


「…それを正すのが私たちの仕事ではないのか?」


李膺が高い名声を得たのは命を顧みないほどに行動してきたからだ。郭泰はそれを傍で見てきた。

「私もそう思っていたよ。……もしも、の話をしようか?南方の揚州、南荊州、交州では豪族の力はとても強い。そこの官僚は人口の把握、徴税を豪族に行委託しているのが現状だ。漢王朝は正確な人口を把握していない。ついでに言えば穀物の買い取りも豪族がやっている。あそこは商人がほとんど来ないからな。正確な人口も分からず、物価も操作できるわけだから、もうほとんど国からの統治下から離れていると言っていい。」


漢の現状を述べる李膺。
実質、この国を率いている者が漢の統治下から外れている地域が在ると言っている。


「人頭税百二十銭を納められないように銭貨との交換比率を変える。そして税を払えない農民を役人に逮捕させる。そして金を渡して処刑でもさせればいい。これで重税を取り、払えないものは処刑する漢王朝の完成だ。あとは民を貪る極悪非道な皇帝から独立するとでも言って適当に劉姓の者を楚王とでも名乗らせて地方政権を完成させる。こっちは鮮卑でかかりっきりだ。前回は北だったから何とかなったが長江まで軍を送れるほど余裕はない。簡単に独立できる。」

「李膺!!」

この国の重鎮が言っていい言葉ではないが李膺は続ける。


「うまくいけば、その他の州も真似するさ。そして鮮卑の侵略に耐え切れなくなり漢は滅びる。彼らにとっては他の州の人間がいくら苦しもうと関係ないんだ。私は自分の考えに固執したばかりに漢を滅ぼしかけた。」

「…しかし、それは行われていない。お前がうまくやった証拠ではないのか?」


「私は何もやって居ないよ。」


「なに?」


「全て陛下が収めた。」


「聡明と聞いているが、まだ若すぎるだろう。盧植殿に軍事、政治を学んでいる途中と聞いている。だからこそお前に大権を与え、力が付くまでの間、政治をまとめさせている。皆もそう思っている。今は国家の危機。いくら才能があっても、どうにかなるものでもないぞ…」

「少なくとも私より現実を見据えて政治を行っている…。陛下が軍事改革をなぜ進めたのか。わかるか?」



「ん?あれは檀石槐の軍に対抗するために行ったのではないのか?」


「それもあるが、これから話す2つが主な目的だ。第一の目的は太守から軍権を奪う事にある。お前も知っているだろうが今の太守の地位はその地域の豪族が交代でやっている状態だ。もしその土地の豪族を束ねる事が出来る者が現れ、適当な劉姓を担ぎあげて、王として地方政権を作る事を目的に動かれれば、今の漢では簡単に独立されてしまう。劉焉殿が必要だと訴えている州牧制。あれもそれが目的だろう。それを防ぐためだ。」

郭泰は清流派の身内がもう独立に動こうとしていると聞いてあきれていた。
そんな様子を見るが、李膺は続ける。

「そして二つ目。経済市を作る為の下準備。現在、経済は婚姻関係を結んだ大豪族同士の寡占状態にある。武帝はただ運ぶだけで巨額の利を得るのは間違っていると言って、商人を弾圧した。その弾圧によって買い取る相手が居なくなった農民は農作物を豪族に買い取ってもらい、貨幣に変えて国の税を払うという形になった。しかし、物価を自分にとって都合の良いように変えて私腹を肥やすものも増え始めた。そこで商人の融資を行い、入札者を増やし価格競争をさせる。現在、豪族が貨幣を独占しているから貨幣が市場に出回らない為に好き勝手に物価を決める事が出来ている。そこで商人に融資をして、その貨幣で穀物をより高い値段で買わせる。ただし、貸し出す貨幣は1枚で100銭の新しい貨幣だ。」

「100枚分?そんなもの広まるはずが…」

「ああ、そんな信用度もなく、価値の大きい銭貨は商売じゃ広まらない。しかし、農民にとっては関係ないんだ。国がそれで税を払ってもいいと言えばそれだけの価値が在る。そして穀物を回してもらえばいい。それを運んで儲けてもらう。」

「しかし。それでは豪族が…」

「ああ、盗賊でも雇って襲わせにくるだろうな。彼らは価格競争がしたいわけじゃない。その為の軍事改革だ。経済市の近くに駐屯地を置き対策する。地元の人間を一定数置き、交代で軍役に就かせる。貨幣不足と流民、反乱対策としては私はこれ以上のものは考え付かないが…」


「…私に何をしろと言うのだ?ただ話したわけでもないだろう。」

「学校を作り人材を育ててほしい。」

「なに?」

「正確には辟召によって豪族の派閥といったものに振り回されない人材だ。」

「それは分かって言っているのか?漢400年で辟召なしに三公の座になれたのは3人のみ。そんな国で人材を育てる機関を作れっていうつもりか?」

「ああ、豪族出身でない官僚も豪族の支援で勉学をして、その傘下に入るという事になっている。全てがある豪族の派閥に入っているんだ。優遇して恩を返そうとするだろう。しかし、この政策を成功させるには簡単に豪族になびき、癒着する事があってはならない。豪族の所得権益に関る、名門の人間ほど、この政策には反対する。その為に今から家柄に関らず、率先して人材を集める必要がある今のままでは人材が足りない。」

「……ずいぶんと無理難題を言ってくれるな。」


「それくらいできると思ったから話したんだ。陛下は本気だぞ。狩猟用の鷹・犬は全て売り払い。宮殿修築費のほとんどをそちらに回している。奨学金といったかな?成績優秀者の為の制度もあるから金がかかっている。軍事費もかなりの額になっているから皇帝自ら削れるものは削っている。」


「………わかった。やるさ。名前は決まっているのか?」


「鴻都門学だ。」



***********************************

〇劉備
漢の重臣であった曹操の暗殺に失敗したのちに、漢中王を自称し独立。
その後、漢の皇帝であった劉協が死んだという噂を流し、皇帝に即位した。


…李膺が恐れているのは劉備のようなタイプの人間ですねw

正史でもちょこっと出てくる霊帝様の改革の鴻都門学出しときました~。
ちょっと書いてて飽きました(汗)
日記風一辺倒だと飽きそうなのでちょと小説っぽく。
緩和の後で~は手を震わせ~とかそんな感じを入れたかったんですが、モチベーションが上がらず、放置しそうになってしまったのでさっさとあげることにしましたOTZ

軍事はフリードリヒ大王。経済は劉巴の物をアレンジ。
主人公sideだとお気楽にうまくいったよ~な感じですが周りが頑張ってくれます。



[29287] 9話 お金と身分
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c
Date: 2011/09/15 19:45
熹平元年 二月 中旬(晴れ)


鮮卑の基本戦術は弓騎兵が退却&騎射を繰り返して歩兵を混乱させて突っ込む。
ようするに相手の射程外からフルぼっこにして出てきたら逃げる。退いたらまた射程外からフルぼっこして…なんて感じで相手の射程外から攻撃し続ける。
弓がマスケット銃に変わったりしたがぶっちゃけこの戦術は近代兵器が出来るまで無敵。

それに馬の性能が違うから漢産の馬では基本的に追い付けない。
もし、相手が準備を整えたら違う所を攻める。金がかかるし、訓練時間も馬鹿みたいにかかる騎兵の長所は戦場の選択権、相手に合わせる必要がない。
相手に優秀な将軍が居ると陽動に伏兵等を使うので対応が非常に難しい。
救いはチンギスハーンのような攻城兵器無双がない事。
チンギスハーンは漢の攻城兵器を学び、それに騎射戦術を組み込んで城を攻略して行ったが今の鮮卑は統率のとれた騎馬部隊というだけで、防城戦でならなんとか戦える。
いい材料がこれしかない。

そんな鮮卑に対策する為の西園軍の軍師殿の策は……

「西園の兵をすべて騎兵にします。」

とか言うものだった。

「分かっているだろうが一万の軍馬を用意することは不可能だ。」

とりあえず、金がないから無理。

「はい、存じております。軍馬用で無くても、一般の馬でもよいのです。軍馬用に鍛えられた馬は1頭辺り約100000銭程掛かりますが一般の馬なら30000銭で済みます。」

当初の予定では軍馬は千用意して一億銭位かかる。
軍馬用の質の高い馬ではなく、安い普通の馬なら三千万で済む。
しかし、

「んっ?それでは、練度に問題があるのではないか?それに今から騎馬兵にする為には訓練時間がかかりすぎる。」

「陛下の考えた鐙があります。あれで短期間の訓練で、戦う事は出来なくても馬に乗る事が出来るようになりました。目的は部隊の移動速度を上げる事で…」


竜騎士隊か~。構想がそのまんま…
馬で戦うわけじゃなくてただ運ぶだけが目的。
戦うときは降りる。

皇甫規さんにでも聞いておこう。
漢三将とか呼ばれているがどちらかと言えば軍師タイプなのでこういうときは本当に頼りになる。

「皇甫規、どう思う?専門家の意見を聞きたい。」

「主要都市に集中して兵を配置。他の地域は馬防柵を作らせ、部隊が到着するまで持ちこたえる事で対応する。そうして時間を稼いでいき、水利灌漑を進めて川を挟む事で騎馬の性能を生かせないようにする。これが主な戦略です。部隊到着時間が早くなるという面では優れていますが…」

しかし、と続ける。

「馬の管理等、運用が非常に難しくなりますし、国庫の負担を考えても…」

遠征の際に軍の三分の二を現地に連れていければ優将。
兵糧の管理等をおこないつつ敵襲に備え、大人数を移動させると言うのは非常に難しい。
それだけの人材を鮮卑対策に多く使ってしまうと、地方を統治する優秀な役人が少なくなってしまう。
さらに馬の飼料は一万で人間の兵の十万に匹敵するだけの穀物が必要。
屯田しているとはいえ、慢性的な食料不足に悩む漢としてはかなり勇気のいる決断になる。

まとめるとこんな感じか?

とりあえず、試験的にやらせてみる事にするかな?

「鮮卑に手こずってる所を狙ったのか黒山賊の動きが活発となっているらしい。馬1000頭を用意させる。これで一定の結果を出してみろ。黒山に通用しなければ練度の勝る鮮卑にも通じない。」

「ありがとうございます。」

と言って頭を下げてくるんだけど、顔を見るとなんか怒ってるっぽいんだが…
もとからか?もとからなのか?



熹平元年 二月 下旬(曇り)

金、金、金、本当に役人とかリストラしてえ…
人件費が多すぎるんだよ。

こんなにいらねえだろ。
二千石級の地位を増やす為に~国属国とか作ったりしてるし、もはや県単位の人口しか居ない郡もある。
それをくっつけてどうにもならないものか?

なんで人口が3倍になったって事で役人を6倍に増やすんだ?
しかも人口減っても役人を減らさない。管理職は増やす。
人件費が痛い。

豪族も領地を奪うんじゃなくて開拓してくれよ。
あとちゃんと管理してくれ。

お前らが管理サボると下流の人たちまで影響が出てくる事を分かってくれ。
上流で荒れ地になるとなんかよくわからないが塩が流れてくるようになって下流の食物にまで影響するらしい。

なんて邪魔なんだ。
これ以上足を引っ張らないでくれ。300円あげるから








【ある宦官の孫の話】


「主人は留守です。」

とある私塾を訪ねる少女が居た。
その少女は官僚となる為の勉強をする為に、そして才能を認めてもらい官僚へ推挙して貰う為に。

「なっ!さっき入っていくのを見たわよ!」

「留守です。」

そう言い残すと同時に門を閉められた。

これで十を超える私塾から話すら聞いてもらえず、締め出されていた。

彼女の祖父は宦官であり、彼女は贅閹の遺醜と呼ばれた。
血縁関係を重視する儒教社会でタブーな存在。

宦官勢力が朝廷から一掃された時、官僚育成機関の太学に入門する事さえ拒否されるようになった。
太学の入門条件は
18才以上で、太常から選ばれたもの。
郡大守・国相が可としたもの。
六百石以上の官吏の子弟。

の三つだが、意外にゆるく、お金さえあれば誰でも入れる。
しかし、宦官の孫を推薦すると言うのは宦官を嫌う者を敵に回すと言う事で、そんな事をしてくれる者は居なかった。

私塾という手もあるが党固の禁を喰らって野に散らばっていた優秀な士大夫を李膺が集めていた為に高名な者で残っている者はほとんど居ない。

官僚になれないどころか、勉強すらできないのが彼女の現状であった。

「春蘭、秋蘭。あなた達まで私に付き合わなくてもいいのよ?あなた達ならもっと将来性のある者に仕える事も出来るわ。」

少女は従者の二人に言う。
自分はそこら辺の子供よりも出世する可能性がない。
与えられるもののない主人を見限る事は当たり前な事だと心に言い聞かせた。


「この五体と魂、全て華琳様の物です!他の者に仕えることなどありえません!!」

黒髪の少女が声を張り上げて宣言し…

「私も姉者と同じく華琳様以外に仕える気などありません。」

青髪の少女もそれに続いた。

「……私がどうかしていたみたいね。例え一兵卒から成り上がってでも私をコケにしてくれた者を見返すくらい上の地位に立ってみせる。そしてあなた達が誇れる主になる事をここに誓うわ。付いて来てくれるかしら?」

「「はい!!」」


その夜…

「そう言えば、皇帝が身分に関係なく入る事が出来る学問所を作ったそうですが…」

青髪の女性が噂話を口にした。
どうせ形式上のものになるだろうとは思っていたが一応話しておこうと…

「ふん、もし華琳様が入れないようなら教師全員皆殺しだ!あ、あ~ん、かりんさまぁ~」


劉宏にとって一番使いにくく、影響をもたらす事になる臣下が生まれることになるが、この時は誰も知らなかった。

******************************

*百合……血縁関係を重視する儒教社会において禁じられた関係の一つ。
子供を産めない宦官は化物扱いされる…

*贅閹の遺醜…正史曹操のニックネーム。

*劉宏…霊帝の名前だよ。


ここで性格改変して気弱っ子華琳ちゃんにしようか非常に迷いましたが(本当に)、やはりドSのイメージが強かったので、撲殺酷吏・華琳ちゃん√に…

そういえば主人公の名前を出した事なかった。
9話まで名前がない主人公って……
そういえば真名も書いてなかった。
題名詐欺と言われてもしょうがないかもしれないw

今回は曹操を書きたかっただけでした!




[29287] 10話 先代皇帝の二の舞感がする
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c
Date: 2011/10/22 23:34
熹平元年 四月 中旬(曇り)


名声があって、独立できそうな劉姓の者を中央の高官に迎えるように手配した。


当たり前だが、子供な皇帝ではなく、成人していて、政治力が在り、徳の高い皇帝に治めてもらおう。なんて意見もあった。

その候補の一人が陳王の劉寵さん。

本当に扱いに困る。自分こそ皇帝にふさわしいとか思ってる人なら俺に命令されるの嫌がりそうだ。
…とか思っていたら

陳国相の師遷さんが言うには天を祭っていたとか報告してきた。


まじで空気読んでほしい。いや、ある意味読んでるのか?

劉寵さんが言うには


「黄老君を祭って、長寿を祈っていただけです。」

……うさんくさすぎる。

章帝八王の一人であり、血の濃さでは俺以上、会稽太守時代に山越に慕われた為、軍事費、徴兵の頻度が減り、善政もしていたので会稽の民も非常になついている。反乱可能な地盤があり、野心もある。

普通なら処刑する所だけど、王を殺しすぎると、劉家の力を削ぐ事になり、皇族の支持層がいなくなる。

揚州での暴動につながりそうなので、中央で飼い殺しにしよう。
三公の内政担当者にして軍事力を持たせないようにして…

宦官が自分たちに都合のいいようにする為に、光武帝の中央集権化政策時より三公とか九卿とかの役割を尚書省に移してたから、前漢のものほど権力もない。そんな感じだし大丈夫だろう。


熹平元年 五月 下旬(雨)



劉寵さんを三公の一つである。司空の座に付けたんだが、なんか変な風に…

天候が悪いって事で、首にしようとか喚いてる士大夫F

「劉寵を処刑すべきです!今回の震災は奴の皇帝への野心ゆえ起こった事。徳の高い重臣を司空の座につけなければ、また災害が起こることになりますぞ!」


儒教的に天候が悪いのは皇帝のせいなんて俺にとっては最悪な考えが漢王朝にはある。

だからと言って、天候悪いから皇帝を変えるなんて事していたら、政権が安定しないどころの話じゃない。妥協点として生まれたのが、司空の解任。

治獄と作事の役割を司る役割を持つ司空に責任取らせる事でお茶を濁すって感じなんだが、ここで劉寵さんをフリーにしたら、まじ反乱起こさせる事になる。

言いかえると

「俺は徳の低い奴を重臣にしてました。まじすみません。こいつ首にすれば徳の高い奴ばっかりになって、天候も良くなるんで許してね。」

って感じのトカゲのしっぽ切りみたいなもんだし…

「陛下!」


「今回の震災は朕の不徳のせいである。劉寵に責はない。それにその話は前に終わったはずだ。今は一刻も早い復興作業が必要なのだ。」

もういやーーー。
今回言っちゃたから。これから災害起きたら全部俺のせい。
どんどん自分の首を絞めてるような気がする。

なにが天の意志を繋ぎ留めるには、努力が必要だ!
殷は努力しなかったから滅んだとか適当すぎるだろ。だれか突っ込めよ。

天候なんかどう努力したら良くなるんだよ!
そういうのちゃんと書いておけ、だから儒教とくっ付いて変な事になったんだろうが!




鬱だ…もう寝よう。


熹平元年 五月 下旬(雨)

自分の部屋でなんか秘密通路発見!

久しぶりにわくわくしながら進んだら、変な小部屋になってた。
逃走用のカラクリ的なのかと思ったらただの小部屋かよ。


あれ、なんか小部屋の机に本がある。

「……日記?」




劉志(桓帝)の日記 抜粋


建和二年 六月 (雨)


「跋扈将軍が…。」

前皇帝である劉纉の最後の言葉だったと聞く。
その後、劉纉は毒殺されて、私が皇帝となった。
私に求められているのは、ただ暗愚である事のみ……でなれけば殺されてしまう。

梁冀は血の粛清を繰り返している。
自分に歯向かう者、意見する者、そして自身の弟まで…
これ以上なにを求めているのだろうか?



和平元年 七月 (晴れ)

剣を帯び、靴を履いたまま昇殿し、小走りに走らずともよく、皇帝に目通りする際は実名を呼ばれないでよいようにしろと言われた。
高祖の功績第一等の蕭何にのみ許されたもの。
皇帝と対等、同格である特権を……

私の命はもう長くないのかもしれない。



永興二年 九月 (雨)


厠にて単超と密談を行う。
何処に居ても梁冀の監視が居るが、ここだけは監視が居ない。

「梁冀は朕を前の皇帝のように殺して、帝位を狙っているのではないのか!?」

私はこれはタダのやつあたりだと頭では分かっていたが止める事はできなかった。

「奴は宦官の密偵も送り込んでおります。声が大きければ…。」

「こうしている間にも、頼りになる臣下が殺されているのだぞ!!」

「奴はこの国を好き勝手にしていますが、奴自身に学はなく、礼儀作法どころか字もろくに読めません。そんな奴が細かな法を知っているはずがない。奴が配下に相談せずに行動を起こすように誘導すれば…」

「そんな事をしている間に殺されてしまうかもしれない。いや、殺されてしまう!」

「耐えてくださいませ。今動けば本当に殺されてしまいます。」

「すまん…取り乱した。」

「私は陛下の味方でございます。必ずや陛下をお守りいたします。」


延熹元年 一月 (曇り)



「張琿という宦官を送り込んできました。宦官を勝手に送り込んでくれば皇帝暗殺未遂として法の裁きを受ける事になる事を知らなかったようです。これはおそらく最後の機会です。ご命令を!!」

「うむ…単超よ!近衛を指揮し、梁冀を捕縛せよ!」

「ははっ!」


梁冀を討つ事が出来た。
これで私が不徳な政をしなければ漢は復興できるはず!いや、してみせる!


延熹三年 二月 (曇り)


「孝廉に推挙される高名な役人は、不正を禁じ、民を養うべきだ。」

多くの頼れる臣下が死んでしまった。
今は、一刻も早く徳の高い臣下を集めねば。


延熹三年 九月 (晴れ)

「民を恵み、腐敗を一掃するのだ。百石以上の高録を得ている中で優れて居る者に人事権を与える。」

くっ、今の郡県の長官は梁冀の下でおいしい思いをしていた者が多く、従来の報酬では満足できなくなっている。
だが私は監視され、頼りになる親戚も居ない。
経験豊かな者のつてを使って立て直す事にしよう。


延熹四年 九月 (晴れ)



「州や郡の長官は三十万石以上の賄賂を見逃せば同罪とし、公開処刑とする。」

いくつか対策はしたものの、ほとんど効果がない。
言って駄目なら、恐怖で縛るしかない。
本当はこんな方法は取りたくなかったが…



延熹四年 十月 (晴れ)

「日蝕が起こったのか…。これは朕の不徳のせいである。辺境の民の兵役を1年間無くす、そして災害によって半分以上田畑を失った者に対して田租を全て免除し、半分未満の者も失った分だけ免税する。」

「しかし、それでは税収が…」

「朕は皇帝として、民にほどよい日照りや雨を与え、災害が起きないようにする義務が在る。それが出来なかったのだ。責を果たさず、税を徴収するのは不徳な事だ。」


私が不徳である事は、多くの民を苦しめる事に繋がる。
民あっての国だ。民を救わずしてなにが皇帝だ。


延熹五年 三月 (曇り)


「清河国の相である謝暠が清河王・劉蒜を天子として立てようと、軍備を整えているようです。さらに陳留郡の李堅が皇帝を名乗り郷里で略奪をくり返しています」

皇帝として立とうとする者が最近多い。朕が不徳であるせいなのかもしれんが、民を傷つける者を許してはおけない。

「すぐに軍を送り、討伐せよ。」


延熹六年 一月 (曇り)


「三十の郡国に蝗害が発生。数十万戸が路頭に迷っている状態…。」

またか…毎月のように災害が起こる。
先月は揚州、先々月は荊州だったか…

「困窮者、流浪民には、規定量の穀物を与え、金品を施すのだ。さらに蕪を植えて食料の足しせよ。……備蓄のある者から三割の穀物を借り上げる。国庫から代金を出すのだ。その後、家族が死亡した場合、1人につき2000銭の見舞金を支給する事とする。」

天候を操る事が出来ない不徳な私はこれしかできない…


延熹七年 三月 (曇り)


「陛下…国庫がもう…。」

梁冀から奪った財も底をついたか…

「そうか……。過剰な装飾をする人がいれば、取り締まれ!郡県は倹約を方針とする。国家の兵で役立たずの兵は給料半分だ。そして、関内侯と、虎賁と羽林と言った近衛の官位を売る。」

「一部とはいえ近衛の地位を売れば陛下の周囲の安全が…。」

「わかっている!だが、今必要なのは民を慰撫する為の金だ。朕は何時も後宮に居るから問題ない。」

どうせ、外に出られるような体ではない。
それに近衛が居て命を狙われる事が無くなっていれば歴代皇帝の寿命が成人する年齢と同じような事になっていないだろう。



延熹七年 十一月 (雨)



「天竺 (インド)からの使者が三郡の独立に加担している模様。郡長官は討たれ、郡の統制がとれていないようです。」

昨年、大秦(ローマ帝國)の皇帝の接触もあったが、こちらも動いてきたか。

「ついに、周辺諸国も動き出したか…。名の高い武将を優先して回し、迅速な対応をしろ!」

ここでもたつけば周辺国が手を組んで連合を結成する事に繋がるかもしれない。
すぐに対処せねばならない…



延熹八年 八月 (雨)



「陛下の弟君で在られる渤海王・劉悝様が謀反を…。」

「……っ、よきにはからえ。」




延熹八年 八月 (雨)


なぜだ。

不徳の者を切ったのに…
なぜ、天は私に警告を与え続けるのだ…

そしてなぜ、周りは己の利を訴えて、協力してくれない?
なぜ弟まで裏切り、私を殺そうとしてくる。


なぜだ…
なぜだ…
なぜ…

「廬江郡にて疫病が発生…」

「任城国が飢饉に…。」

「桂陽郡にて胡蘭と朱蓋らが…。」

「南陽郡にて洪水…。」

「康陵にて出火…。」

「江陵にて武陵蛮が…。」

「鮮卑が遼東属国を…。」

「嘉徳署に黄龍が…。」




もう私が政を行う事なんて…

「もうよい。政は任せる。朕は天に祈る事に専念する。」

日々重くなってく体。毎年のように起きる災害、尽きる国庫、各地の反乱…
もう疲れた。朕がなにをやってもうまくいかない。すべて裏目に出る。少し成果を上げたとしても責められる。

これからは政に手を出さず、天に許しを請う事に専念すれば、少しは良くなってくれないだろうか?


永康元年 七月 (雨)



自ら政治を行うのも駄目、他人に任せても駄目…
子供を産むのはやめよう。
私が死んで次か、その次の時に簒奪され、殺されてしまう。
我が子が私の様な思いをするのも可哀そうだ。
どうせ、私が死ねばお飾りの皇帝を持ってくるだろう。臣下は騒いでいるが実際はなんの問題もないのだ……



「……なんだこれ?」

なんか後にも色々あるけど、どんどん内容が酷い事になってる。
なんか涙っぽい痕もあるし…


……見なかった事にしよう。


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心が折れた桓帝はヒッキーになり、宦官の天下となりました。
そして、儒学的に化物扱いの宦官と敵対するようになる派閥と、宦官とくっ付いて利権を得る派閥が生まれ、清流と濁流との戦いが起きる。って流れです。
現代日本と価値観が違う部分をはっきりさせておこうかと。
災害が起こると100%皇帝のせいです。皇帝が徳がない野郎だからです。徳の高い重臣を重用しない為です。天が見放したせいです。

〇単超

外戚の梁冀の排斥に功績を挙げた宦官。
単超死後、梁冀の排斥に功績を挙げた宦官は奢り、排除される事になった。


〇劉寵

山越をから搾取する事をやめさせ、教化を進めた。
その後、三公の座全てに就いたが天候が悪いと言う事で放逐された。

劉寵とその甥の劉繇が善政(山越にとって)していたのに、孫呉の強制移住や人狩り、人種差別する政策になったので騒ぎ出したっぽいので地味に孫呉の重要人物。
呉越同舟とかが有名ですがこの二つの民族は滅茶苦茶仲が悪い。

作者の勘違いで陳敬王羨伝の方の劉寵と循吏列伝の方の劉寵が混ざっちゃってます。
この恋姫世界では陳王であり、善政し、野心家な感じのオリジナルなキャラという事で、ご勘弁を…

人物紹介追加 10月22日

後漢書の桓帝の所は涙なくしては読めない。・゜・(つД`)・゜

できれば敵キャラも価値観の違いにより対立したと言う感じにしたいものです。


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