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政治
【正論】拓殖大学大学院教授・森本敏 FXで対中の国家意思を鮮明に
中国は、今年すでに初飛行を行った第五世代戦闘機を2016年以降に展開してくるであろう。日本に近づき第一列島線を越える中国の空母や洋上艦船、潜水艦の上空を守る第五世代戦闘機に、適切に対処できなければ、日本は領土も海上交通路も守れなくなる。
中国のみならず、ロシアもこのところ冷戦時代のように極東兵力を増強しつつある。主力は冷戦期とは違う最新鋭の海・空戦力だ。ロシアの第五世代戦闘機も昨年、初飛行を行っており、15年以降には極東に配備されるであろう。
日米同盟への意味合い考えよ
アジア諸国がFXに注目しているのは、それを、激変する東アジアに対する戦略、とりわけ対中戦略という日本の国家意思を測る物差しと捉えているからである。
戦闘機は価格よりも性能が優先される。現代戦は、少しでも性能の優れた兵器体系が他を完全撃破するデジタル戦である。いずれの戦闘機も高価である。だが、安価な戦闘機をいくらそろえても性能が相手より低ければ、何の効果もない。アジアの将来展望を踏まえてFXを選定すべきであろう。
第三に、FXが日米同盟に与える意味を考慮することだ。日米同盟は冷戦終結後、冷戦期よりはるかに重要な意義を有し、軍事・外交から経済・エネルギー・環境まで広範な領域に及び、国家の生存と繁栄に深くかかわっている。
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