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第十一話 到着アルナージ
船での長旅を経て、約四時間。
なのは達一行は、オフトレ拠点となっている無人世界カルナージに到着した。

無人世界カルナージは、首都クラナガンから臨行次元船で約4時間。標準時差は7時間。
一年を通して温暖な、大自然の恵み豊かな世界である。

カルナージにたどり着いた一行は、それぞれの荷物を受け取る。
「よーし、白雪、今出してやるからなー」

リュウトはカゴの中から、ペットの猫、白雪を出した。

「にゃー♪」

窮屈な所から出してもらえて嬉しいようだ。

と、ヴィヴィオが何かに気付く。

「煉くん……何をしてるの?」
「ヴィヴィオ……危ないから下がってろ…我が盟約のもと集え! 雷竜降臨ガイ・ラ・ドゥーガ風龍降臨エア・ディ・ドゥーガ!」

煉の詠唱の後…………

「「グガァァァァァァァァ」」

二匹の龍が出現した。

「「「「「「「「「キャァァァァァァァァァァァ!!」」」」」」」」」

いきなり現れた龍に、なのは、フェイト、スバル、ティアナ、ノーヴェ、ヴィヴィオ、リオ、コロナはパニックをおこし…………

「キュー」
「先輩!」

アインハルトは目を回しリュウトが支える。

「何を驚いてるんだ?」
「グルルルルル」
「グゥゥ」

煉は平気な顔をして撫でている。

「だだだだ、だって龍だよ!」
『オイオイ、フェイト…驚き過ぎだろ? キャロちゃんも従えてんだろ?』
「そうだけど………」

煉が召喚した龍はキャロのものとは違い凄く怖い。

「可愛いのに………シャル、ジン好きに駆けておいで」
「「グガァァァァァァァァ」」
「「「「「「「「「ひやゃゃゃわゅや」」」」」」」」」

煉の指示に二匹は雄叫びをあげ消える。
アインハルト以外の女性陣はまたパニックになり訳のわからない叫び声をあげた。

「なあ、煉」
「何だ、リュウト?」
「どっちか乗っけてくれよ」
「良いぜ」
「あれ? 私は………」
「お早う、先輩」
「ほら、いつまで怯えてるんだ、早く行こうぜ」








「「みんないらっしゃ~い♪」」
「こんにちはー」
「お世話になりまーすっ」

アルピーノ親子が迎え、なのはとフェイトは挨拶した。

「みんなで来てくれて嬉しいわー、食事もいっぱい用意したから、ゆっくりしてってね」
「ありがとうございます!」

大食いのスバルは喜ぶ。

「ルーちゃん!」
「ルールー!久しぶり~!」
「よ、ご無沙汰」
「うん、ヴィヴィオ、コロナ、リュウト」

久々の再会を喜ぶ子供達。
ルーテシアはリオを見る。

「リオは直接会うのは初めてだね」
「いままでモニターだったもんね」
「うん、モニターで見るより可愛い」
「ほんとー?」

ルーテシアはリオの頭をなでた。
そこへヴィヴィオが紹介する。

「あ、ルールー!こちらがメールでも話した……」
「アインハルト・ストラトスです」
「高町 煉です」
『相棒のデバイスのダンテだ、将来が楽しみなガールだぜ』
「ありがと、ダンテ、ルーテシア・アルピーノです、ここの住人で、ヴィヴィオの友達、十四歳」
「ルーちゃん、歴史とか詳しいんですよ」
「えっへん」

コロナに言われて、ルーテシアは胸を張った。
スバルはメガーヌに訊く。


「あれ? エリオとキャロはまだでしたか?」
「あぁ、二人は今ねぇ…」

メガーヌがおっとりとした声で教えてくれようとしたのだが……


「「おつかれさまで~す!」」
「エリオ、キャロ♪」


噂をすれば影。
エリオとキャロが、薪を抱えてやって来た。
キャロが使役する飛竜、フリード・リヒも一緒だ。


「わーお! エリオ、また背伸びてる!」
「そ、そうですか?」
「わたしもちょっと伸びましたよ!?…………1.5センチくらい……」


エリオの成長を喜び、スバルが彼の肩をバシバシ叩くと、キャロも自身の成長をアピールする。

「アインハルト、紹介するね、二人とも、私たちの家族で……」
「エリオ・モンディアルです」
「キャロ・ル・ルシエと、飛竜のフリードです」

家族間の温かい再会もそこそこに、フェイトがアインハルトにエリキャロのことを紹介しようとすると、二人の方から自己紹介をしてきてくれた。
キャロは自身の頭に乗っかっているフリードのこともしっかりと紹介してくれた。


「キュルック~」
「おい、フリード?」

突然フリードがキャロの頭から煉の頭に移動する。

「煉、懐かれてるね」
「本当に」
『相棒は龍に懐かれる体質なんだよ』

そんな中、ルーテシアが


「一人ちびっ子がいるけど、三人で同い年」
「なんですと!!? 1.5センチも伸びたのに!!」

キャロの身長ネタをからかうと、キャロは若干涙目になりながら小さい体を全力で使った抗議を行うが、やはり如何せん体が小さいので迫力というものに欠ける。
エリオも、二人のやりとりを見て苦笑するばかりだ。


「アインハルト・ストラトスです」
「うん、こちらこそ、どうぞよろしく、煉は直接会うのは初めてだね」
「よろしくね、アインハルト、本当にモニター越しでいつも会ってるんだけどね~」
「だな」


そして、アインハルトはエリオとキャロに自己紹介を済ませる。

と、緩やかな空気の中会話を進めていた時。
林の中から『ガサッ』っと何かが動く音が聞こえた。

「!」

いち早くその物音に気がついたアインハルトが、音の発生源の方向に視線を向けると、そこには人形の……しかし異形の何かが立っていた…………背中に食材を満載した荷物を背負いながらという、シュール過ぎる姿で。


「!!」
「やべっ、かっけぇ!」

その何かの姿を認めた瞬間、アインハルトはすぐさま戦闘態勢に入る。
無人世界ということで、野生の原生生物か何かだと思ったのだろう。
そこに

「「グガァァァァァァァァ」」

煉の召喚した二匹の龍が現れる。

「え? ジンオウガとクシャルダオラ!?」

竜召喚師のキャロは二匹に驚愕する。

「ジン、シャル、スト~プ」


戦闘態勢に入った二匹を制するように、煉は手をやりながら命令する。
見れば、謎の原生生物は襲いかかって来る様子もない。

「あ、そっか! アインハルトさんはガリューのこと知らないんだった!」
「え? が、がりゅー?」

アインハルトの様子を見て、ヴィヴィオが思い出したようにそう言う。
前もって教えてもらっていてもビックリしていたとは思うが、それは言わないでおこう。

アインハルトたちには、ヴィヴィオに代わってルーテシアがガリューを紹介してくれる。


「わたしの召喚獣で、大事な家族、ガリューって言うの、まぁ、初めてだとびっくりするのも無理ないから」
「し、失礼しました!!」
「あはは……わたしも最初はビックリしました~…」

ルーテシアがそう言うと同時に、ガリューは彼なりの礼儀なのだろうが、執事の取るようなポーズで礼をしてきてくれた。
話を理解したアインハルトは、すぐにルーテシア達に謝ったが、コロナが言うように最初は誰でも驚くということなので、ルーテシア達もそんなに気にはしていないようだ。


「で、そっちは煉の家族?」
「えっと、何となくそんな感じ、ジンオウガとクシャルダオラ」
「「ガァァァァァ」」

煉の紹介で雄叫びをあげる二匹。

「本物……二匹とも絶滅危惧種なのに」
「そうなの、キャロ?」
「はい、実物を初めて見ました」
「わ~、ジン、フカフカしてる」
「本当~」
「馴れると可愛いかも……」






メガーヌは訊く。
「さて、お昼前に大人のみんなはトレーニングでしょ?子供たちはどこに遊びに行く?」
ノーヴェは既に決めていた。
「やっぱりまずは川遊びかなと。お嬢も来るだろ?」
お嬢とはルーテシアのことである。

「うん!」

ルーテシアは返事をした。

「アインハルトもこっち来いな」
「はい…」
「煉君もヴィヴィオ達と一緒ね」
「えっ、俺は」
「煉君は午後からコッチだよ……お兄ちゃんからの命令」
「了解しました、教官殿」

なのはの【お兄ちゃん】の単語にえらく敏感に反応する煉。
というわけで…。

「じゃ、着替えてアスレチック前に集合しよう!」
「「「「はいッ!」」」」

なのはの号令で大人組はトレーニングに、

「こっちも水着に着替えてロッジ裏に集合!」
「「「「はーいっ!」」」」

ノーヴェの号令で子供組は川遊びに行くことになった。


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