インターネットを利用したネットバンキングで預金が不正に引き出される被害が相次いでいる問題で、多くの金融機関が従来のパスワードなどに加えたセキュリティ-対策として導入している、乱数表を使った暗証番号を盗み出そうとする新たな手口が、3つの都市銀行などで確認され、警察庁は被害が広がるおそれがあるとして警戒を呼びかけています。
多くの金融機関では、従来のIDやパスワードに加えた追加のセキュリティー対策として、預金者に乱数表のカードを配布しており、取り引きのたびに乱数表の異なるマスの位置に記された数字を暗証番号として入力することになっています。ところが警察庁などによりますと、三井住友銀行と三菱東京UFJ銀行、それにイオン銀行の3つの銀行の預金者のパソコンに、この夏以降、「セキュリティー向上のためカードを再発行する」という、銀行からを装った偽のメールが送りつけられました。添付されたファイルを開くと、乱数表の数字を入力させる画面が開き、預金者が入力してしまうとすべての数字が盗み出される仕組みで、イオン銀行では被害は確認されていませんが、三井住友銀行と三菱東京UFJ銀行では、合わせておよそ1500万円が引き出されたということです。警察庁はセキュリティー対策を破る新たな手口とみて警戒を呼びかけています。