北朝鮮を訪問した国連のエイモス事務次長は、21日に記者会見し、厳しい食糧事情のため多くの幼い子どもたちが慢性的な栄養不足に陥っているとして、国際社会による支援の必要性を強調しました。
国連の人道問題担当のエイモス事務次長は、21日まで5日間にわたって北朝鮮を訪問し、依然として厳しい食糧事情などについて、キム・ヨンナム最高人民会議常任委員長やパク・ウィチュン外相らと意見を交わしたほか、北朝鮮東部の病院や孤児院などを視察しました。訪問を終えたエイモス事務次長は、21日、経由地の北京で記者会見し、北朝鮮で1人当たり1日に配給される食糧は、ことし3月に400グラムだったのが7月には半分の200グラムにまで減り、5歳以下の子どもの3人に1人が栄養不足に陥っていると指摘しました。そのうえで、エイモス事務次長は「北朝鮮では、慢性的な栄養不足で多くの子どもの発育が遅れている。この危機的な状況に終止符を打つためには新たな解決策が必要だ」と述べ、国際社会による支援の必要性を強調しました。国連は、北朝鮮に対する人道支援について、日本円で170億円近い資金が必要だとしていますが、支援国の間では食糧の軍部などへの横流しに対する懸念が強く、これまでに集まったのは目標額のおよそ30%にとどまっています。