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2011年10月14日12時10分

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「auもiPhone販売」の報道後も売れ続けたiPhone 4、新型「iPhone 4S」はどうなる?

 従来型の携帯電話(フィーチャーフォン、ガラケー)からスマートフォンへと、携帯電話のトレンドが変わりつつある。2008年7月からiPhoneを独占販売していたソフトバンクモバイル以外のキャリアは、Android搭載スマートフォンが中心だったが、新たにKDDI(au)もiPhoneの取り扱いを開始。10月14日8時から、ソフトバンクモバイルとKDDIの2社が、同じアップル製の最新スマートフォン「iPhone 4S」を一斉に発売した。新たな普及のステージに入り、iPhone対Androidだけではなく、iPhone同士のシェア争いにも注目が集まっている。その結果は後日改めてお伝えするとして、今回は「iPhone 4」が根強い人気をみせた2011年9月の携帯電話ランキングを紹介しよう。

●上位3機種は僅差、2モデルを合算すると「iPhone 4」が実質1位に

 量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、SIMフリー端末を含む携帯電話全体の9月の販売台数1位は、シェア6.9%でNTTドコモのAndroid搭載スマートフォン「GALAXY S II SC-02C」だった。7月、8月は2位だったが、9月8日に新色「Ceramic White(セラミック ホワイト)」を発売し、6月以来、3か月ぶりにトップに輝いた。

 2位と3位には「iPhone 4」の16GBモデル、3位は前月1位だったNTTドコモのAndroid搭載スマートフォン「Xperia acro SO-02C」がわずか0.04ポイントの僅差で並んだ。1位と2位の差もわずか1.0ポイントしかなく、1位の機種が飛び抜けて売れていた6月、7月とは異なり、上位3機種が拮抗していた。

 2位の「iPhone 4」の16GBモデル、7位の同32GBモデルを合算すると、シェアは8.6%となり、1位の「GALAXY S II SC-02C」を1.7ポイント上回る。「iPhone 4」は、2モデルの合算値で、2010年7月から2011年5月まで11か月連続で1位を獲得し、実質的にはずっと1位だった。6月はシェア10.4%で2位、7月は7.1%で3位、8月は7.5%で2位に後退したが、9月は再び1位に躍り出た。ただし、販売台数そのものは、9月より7月、8月のほうが多い。ライバルとなる他の機種が落ち込んだことで、相対的にiPhone 4のシェアと順位が上がった格好だ。また、ドコモの「Xperia acro SO-02C」とauの「XPERIA acro IS11S」を同一機種とみなして合算すると、シェアは9.2%に達し、実質1位は「iPhone 4」ではなく、「Xperia acro」ということになる。

 「iPhone」の成功は、ソフトバンクモバイルの巧みな販売戦略が功を奏したという見方もある。正式発表を前に、次期モデルからKDDIもiPhoneを取り扱うというニュースが報じられた後も、「iPhone 4」の売れ行きはそれほど落ち込まなかった。キャリアや販売店の印象は異なるかもしれないが、「BCNランキング」の数字を追う限り、10月に入るまでは急落してはいない。最大2万円分の商品券をプレゼントする「のりかえキャンペーン for iPhone 4」(9月30日で終了)や店舗独自のキャッシュバックなど、「安さ」や「おトク感」にひかれて購入した人が多かったようだ。なお、「iPhone 4」も、無料のソフトウェアアップデートを適用すれば、新OS「iOS 5」を利用できる。CPUやカメラの性能など、ハードのスペックでは「iPhone 4S」に勝てないが、完全な「型落ち」になるわけではない。

●キャリアメール対応後、auの「XPERIA acro IS11S」が売れ始める

 続けて、主要3キャリア、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクモバイル(SoftBank)のキャリア別月間トップ10を紹介しよう。

 どのキャリアもスマートフォンが半数以上を占めるが、ドコモは5位に「P-07B」、7位に「P-06C」、8位に「らくらくホン ベーシック3」が入るなど、従来型携帯電話がやや盛り返している。auも同様の傾向で、ソフトバンクに至っては「iPhone 4」16GBモデル・32GBモデルの次に、防犯ブザー付きの子ども向け端末「みまもりケータイ SoftBank 005Z」がつけ、さらに従来型の携帯電話2機種が続くという、キャンペーンの影響を色濃く感じる結果となっている。

 注目は、au限定の月間ランキングで初めて1位を獲得した「XPERIA acro IS11S」だ。6月24日の発売時点では、キャリアメール(@ezweb.ne.jpドメインのメールアドレス)に対応していなかったが、9月20日のソフトウェアアップデートでようやく対応し、8月の2位から順位を上げた。日ごとの販売台数の変化をみると、キャリアメール対応日の少し前から上昇し、その後もしばらく対応前より高い水準で推移した。機種変更で購入するauユーザーにとって、「キャリアメール対応」はいうまでもなく絶対条件のようだ。

●量販店での新規端末購入者の10人に6人がスマートフォン、残り4人はまだガラケー

 携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの割合は、今年6月に52.6%を記録し、初めて5割を突破した。7月はさらに58.7%まで上昇したが、8月は58.3%、9月は57.1%で足踏みしている。スマートフォンの販売台数は、集計開始以来、過去最高を記録した2011年7月をピークに下がっており、季節的な要因もあって、常に右肩上がりで増加しているわけではない。

 新規に購入された携帯電話のうち、いまだに従来型タイプが全体の4割程度を占めている。なかには、端末価格の割引のため2台同時に購入したり(0円端末をおまけでもらったり)、短期間で買い替えたりする人もいるので、そう単純ではないと思うが、およそ10人に6人がスマートフォン、残り4人が従来型の携帯電話を買い求めている。

 スマートフォンは、パケット定額制プランへの加入がほぼ必須。加入しない場合に比べ、月額費用は高くなる。量販店の携帯電話コーナーは、今や完全にスマートフォンが中心で、従来型の携帯電話は隅に追いやられていることが多いが、特に目当ての機種がなく、スマートフォンにするか悩んでいる人は、すでにスマートフォンを使用している家族や知人・友人、店員などに質問し、OSやアプリの追加など、従来型の携帯電話との違いやバッテリも持ちが悪いことなどを理解したうえで選んだほうがいい。

 果たして、アップルのiPhoneの新モデル「iPhone 4S」は、2010年-2011年の人気No.1機種「iPhone 4」を超えられるのか? (<iPhone 3Gから3GS/4まで、iPhoneのこれまでの売れ行きを振り返る>を参照)、また、ソフトバンクモバイルの独占販売体制が終了し、国内では初めて複数のキャリアがiPhoneを取り扱うことで、メーカー、キャリア別のシェアに変化が生じるのか? 多くのスマートフォン好きが気になるポイントは、「BCNランキング」のデータから変化の兆しをキャッチ次第、いち早くお伝えしていく。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

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