知っておきたい「得する保険損する保険」 あまり儲からないので生保が売りたがらない 「おいしい保険」教えます

2011年10月06日(木) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 つまり、契約者は運用実績次第で大きな解約返戻金を受け取れる一方、運用がうまくいかない場合でも、支払った保険料より高い保険金が支払われるという、「おいしい保険」なわけだ。

●個人年金保険

「年金保険も、あまり儲からないし、リスクを負うだけなので生保は積極的に売っていません。では、なんでまだ扱っているところがあるのかというと、『総合保険会社』として、年金保険がないと格好がつかない、というのが理由なんですよ」

「家計の見直し相談センター」代表で、保険代理店ビジネス歴11年の藤川太氏は、個人年金保険について、こんな見解を示しているが、前出の山本氏がすすめるのは、あいおい生命の「積立利率変動型個人年金保険」。パンフレットによると、30歳の男性が月々1万5000円の保険料を30年間払い込むとその総額は540万円。60歳から10年間年金を受け取る場合、総額は652万4600円になるという。さらに、積立利率は毎月1日に見直しが行われるが、年1・75%が最低保証されている。

「加入に際し、健康状態の告知義務がないので、健康に不安を抱えている人も入れるし、増え幅が他の個人年金と比べて比較的大きいんです」(山本氏)

●介護保険

 介護が必要な状態になったときに保険金が支払われる介護保険は、保険料が高いこともあって一般的に敬遠されがちな商品だ。掛け捨ての商品も多い。しかしファイナンシャルプランナーの柳澤美由紀氏は、ソニー生命の「終身介護保障保険」(5年ごと利差配当付)は別格だという。

「保障期間中に要介護2以上になった場合、介護年金は亡くなるまでずっと支払われます。しかもベースになっているのは終身の死亡保障ですから、もし要介護の状態にならなかったとしても、死亡保険金は支払われる。介護年金の受取額が年間60万円で、死亡保険がその5倍のプランであれば、300万円の死亡保障がつくわけです」

 40歳男性(毎月の保険料は1万1340円・65歳払い済み)の保険料は、総額340万2000円になるが、要介護状態に陥らなくても、死亡時の保険金(300万円)は確実に戻ってくる。つまり、差し引き40万2000円が実質の保険料といえる。それを25年で割ると月1340円で月額5万円の介護年金が支払われる保障がつくわけだ。

儲からないのに売る理由

●学資保険

 学資保険も生保としては売りたくない保険のひとつだ。アフラックの「夢見るこどもの学資保険」(300万円コース)の場合、月1万2470円の保険料を0歳児の子供が18歳になるまで払い込む。保険料総額は269万3520円。これに対し学資一時金は、高校入学時に50万円、大学入学時に100万円、進級のたびに毎年50万円ずつ支払われるので総額300万円となる。戻し率は111・3%だ。

 ちなみに掛け捨ての定期保険などの場合、生保代理店員の販売手数料(1年目)は30~70%あるが、学資保険はわずか1%程度と、ほとんど儲けにならないという。にもかかわらず売り続けるのにはワケがあった。

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