知っておきたい「得する保険損する保険」 あまり儲からないので生保が売りたがらない 「おいしい保険」教えます

2011年10月06日(木) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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「『低解約期間』が10年から15年に延びたとはいえ、戻り率は今でも業界トップクラスです」(田中氏)

 この「フェアウインド」に限らず、もともと貯蓄性の高い保険は扱いたくないというのが、生保側の本音だという。「ファイナンシャル・マネジメント」代表で、保険商品の提案などを手がける山本俊成氏が説明する。

「掛け捨ての定期保険と比べれば儲けも少ないし、保険料を預かったうえに増やさなければならないというリスクをはらんでいる。運用に失敗すれば損をする可能性もある。生保としても本音としてはあまり多くは売りたくないのです」

月1340円の介護保険

●終身保険

 貯蓄性の高い終身保険(低解約払戻金型)といえば、アメリカンファミリー生命の「ウェイズ」がある。

 60歳男性が退職金などを元手に1000万円の死亡保障のついた「ウェイズ」(5年払い)に入ると、払込保険料の総額は807万3600円。15年経過後に解約すると、返戻金は843万1000円。戻り率は104・4%になる。

 それにしてもがん保険最大手のアフラックが、なぜ自分たちにとってリスクの高い終身保険を扱うのか。生保代理店「ユニバーサルライフ」東京第三支社長・石橋大氏はこう見ている。

「アフラックとしては、がん保険以外の商品ラインナップを充実させたいようですが、加入者にとってお得な終身保険以外、売れ行きが芳しくない。本来ならリスクが高いので売りたくないところでしょうが、やむなく扱っているのでしょう」

●変額保険

 今後、運用で生保が儲からなければ、販売中止になってしまうかもしれない商品---そういって、変額保険(終身型)のソニー生命の「バリアブルライフ」(積立機能重視)をすすめるのは、前出の藤井氏だ。

 60歳男性が死亡保険金500万円の同商品に加入した場合、保険料の総額は330万334円(契約者が一括で支払った総額を、生保が3年に分けて払い込む全額前納払い)。この商品の特徴は、運用次第で解約返戻金や死亡保険金が大幅に増える可能性があるうえ、保険金の最低保証がある点だ。

「株式型や世界株式型など、8つの選択肢の中から自分の好きな運用方法を選べます。もし予定利率の3・5%で運用された場合、解約返戻金はわずか5年後には元本に到達し、7%で運用されたときの返戻金は15年後には658万円になる。

 仮に運用が失敗したとしても、生保から支払われる死亡時の保険金(500万円)は保証されていますので、解約さえしなければ、保険金を受け取る人は必ず得をする商品なのです」

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