'10年10月の発売以来、「今年8月までの加入者数が4万人以上の人気商品」(前出・隆山氏)となった「がんベスト・ゴールド」。その要因としては、がんと診断されると、がん診断給付金と初回診断一時金の合計で最高3000万円も支払われる点が大きい。加えて、一度でもがんにかかったら、以後、保険料の支払いは不要。にもかかわらず、給付金は一生涯にわたってがんと診断されるたびに何度も受け取ることができるという好条件だった。
ところが、この8月12日以降の申し込み分から、最高給付金額は3000万円から500万円に下げられた。やはり、売りたくないのか---。富士生命に変更した理由を問うと、次のように回答した。
「商品の販売から一定期間が経過し、契約の内容に関して調査をしたところ、500万円未満の給付金を選択されるお客さまが全体の95%と圧倒的に多く、需要の多いお客さまへの対応に注力するために変更しております」(企画部)
ファイナンシャルプランナーの横山光昭氏は、それでも「がんベスト・ゴールド」の高評価は揺るがないと言う。
「何度も受け取ることが可能な診断給付金はグッと下がってしまいましたが、他社のがん保険の場合は100万~300万円が中心なので、高いほうです」
本当は売りたくない!?
●定期保険
定期保険(低解約返戻金型)の中にも、昨年秋から設定条件が変更された「おいしい保険」がある。死亡保障のついたアクサ生命の「フェアウインド」だ。
これは、解約返戻金(解約時に生保側が加入者に払い戻さなければならないお金)を低く抑えた(低解約期間)が設定された保険。そのかわり、満期時の解約返戻金は支払った保険料の累計を大幅に上回るため、老後の資金準備としての活用が可能だ。
しかし、昨年9月に、「フェアウインド」の「低解約期間」の最短が、10年から15年に突然変更された。アクサ生命の広報部は、「(期間を延ばすことで)月払いの保険料を安くし、よりお手軽に入っていただけるようにした次第です」
と説明したが、これもまた、実はあまり売りたくなかったので、条件変更した可能性がある。元外資系生保社員で「フェリーチェプラン」代表の田中香津奈氏がこう指摘する。
「貯蓄性のある商品は、年年内容が悪くなる傾向があります。国債を買って運用している場合が多いのですが、ここ数年国債の金利が下がり、運用が追いつかないからです。そこで、運用期間を延ばすなど、新規の顧客に対して従来の条件を変更するのです」
田中氏の試算によると、50歳男性が死亡保障500万円の「フェアウインド」に加入した場合、満期(65歳)まで月々の保険料は1万9560円なので累計352万800円。これに対し、15年後の解約返戻金は376万1000円。返戻率は106・82%となり、
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