経済の死角

知っておきたい「得する保険損する保険」
あまり儲からないので生保が売りたがらない
「おいしい保険」教えます

2011年10月06日(木) 週刊現代
週刊現代
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 生保会社が一番売りたい商品は、掛け捨ての定期保険だという。加入者がずっと健康であれば、生保は丸々儲かるからだ。反対に売りたがらないのは何か---。「得する保険」のヒントはそこにあった。

500万円が何度ももらえる

 今夏、厚生労働省が公表した「平成22年簡易生命表」のデータを見ると、生命保険に対する考え方が変わるかもしれない。

 いま0歳の男児10万人が60歳になった時の生存者数は、9万1282人。9割以上の人は、無事還暦を迎えられる。しかも、6割近い5万8934人もの人々が、80歳になっても生存している---。

 不幸にも「何らかのリスク」に遭遇して命を落としてしまう人は、普段、私たちが想像している以上に少ない。つまり、確率的には決して高いとはいえないリスクに備えて、私たちは「人生で住宅の次に高い買い物」とされる保険に入っていることになる。

 だからこそ、セールスレディや保険代理店のいいなりに契約するのではなく、「得する保険」と「損する保険」をしっかり知っておいたうえで、加入を検討したほうがいい。そもそも日本生命など17社の商品を扱う総合保険代理店「ファイナンシャルアソシエイツ」代表の藤井泰輔氏によると、「実は生保には、積極的に売りたい保険と、あまり売りたくない保険というものがある」という。藤井氏が続ける。

「生保側が売りたがらないのは、当然のことながらあまり儲からない商品。逆に言えば、契約者にとってはメリットが大きいことを意味します。したがって保険の検討に際しては、生保側が売りたがらない商品を狙えばいいわけです」

 では、「おいしい商品」を以下、保険の種類ごとに見ていこう。

●がん保険

 得する保険を見極めるためのキーワードは、「売り止め」と「条件変更」だ。新商品が保険数理に基づいて設定された件数より多く売れてしまうと、生保会社は損をしてしまうことがあり、結果、その保険の販売を急遽中止したり、設定条件を変更することがある。

「将来における加入者への支払いに不安が生じ、儲かるどころか、損をするリスクが高くなる。そのため『これ以上は売りたくない』保険になってしまったケースです」(保険コンサルタントの隆山唯史氏)

 すでに売り止めとなった保険に加入はできない。そこで狙い目なのが、設定条件が変更された保険である。というのも、変更後もなお、新規契約者にとって有利なものが存在するからだ。

 東日本大震災直後の4~6月であっても、生保47社の新規契約数が前年対比で102・9%と、根強い人気を誇るがん保険の場合、「おいしい商品」として紹介できるのは、富士生命の「がんベスト・ゴールド」だ。

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