陸上自衛隊第1空挺団の陸曹長が、東日本大震災の被災地で捜索活動を行っていた際に現場に散乱していた現金3万2000円を盗んだ疑いがあることがわかり、陸上自衛隊は、陸曹長を懲戒免職処分にしました。
懲戒免職処分となったのは、陸上自衛隊習志野駐屯地の第1空挺団に所属する45歳の陸曹長です。第1空挺団によりますと、陸曹長は、ことし5月、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県南相馬市の原町区で行方不明者の捜索をしていた際に、現場に散乱していた現金3万2000円を盗んだ疑いがあるということです。同僚が拾い集めたあと近くの路上に置いておいた現金を陸曹長が持ち去っていったのを、別の同僚が目撃し、陸上自衛隊の警務隊に届けていました。警務隊の調べに対し、陸曹長は「小遣いほしさに盗んだ。たばこや飲料水を買うためにすべて使った」などと、現金を持ち去ったことを認めているということです。陸上自衛隊は、21日付けで陸曹長を懲戒免職処分にするとともに、窃盗の疑いで書類送検することにしています。第1空挺団の山之上哲郎団長は「このような事案が起きて、誠に遺憾です。今後、隊員に対して指導を徹底します」というコメントを発表しました。