未だに地上燃焼試験場を持たない韓国

 韓国型発射体(ロケット装置)開発事業団のパク・テハク団長は「2014年末までに1段目、2段目ロケット用の75トンエンジンと3段目ロケット用の5‐10トンエンジンの地上燃焼試験施設を、羅老宇宙センター(全羅南道高興郡)と韓国航空宇宙研究院(大田市)に建設する」と発表した。韓国が自国製のロケット装置開発に関する議論を始めたのは、02年に初の液体燃料ロケット「KSR‐3」の打ち上げに成功してからだ。開発に着手してから10年が経過するが、いまだに地上燃焼試験施設さえ持っていないことになる。

 厳密に言うと、航空宇宙研究院が開発した30トン級エンジンも、まだ最終的な燃焼試験を終えていない。同研究院は30トン級エンジンを構成する燃焼器とターボポンプ、ガス発生器など、主要部分を別々に製作し、それぞれ韓国で地上試験を行った。研究院の趙光来(チョ・グァンレ)博士は「国内に30トンクラス用の試験施設はあるが、組み立てを終えたエンジンを試験できるほどの規模ではない」と話し、30トン級エンジンのうち、ターボポンプとガス発生器の結合体はロシアで別途試験したと説明した。同様の理由で、75トン液体エンジンの試作品も、出力を40%ほどに抑えて試験している。

 一般的に、一つのエンジンを開発するには2万秒以上の地上燃焼試験が必要となる。ロシアのクルニチェフ国家研究生産宇宙センターは、人工衛星打ち上げロケット「羅老」の1段目エンジンに対し、120回にわたる計2万6892秒の地上燃焼試験を行った。このうち3回の燃焼試験は、エンジンに燃料・酸化剤タンクまで備えた完ぺきなロケットの状態で行われた。

 韓国のあるロケット専門家は「ロケットの開発方針が独自開発からロシアとの共同開発に変わり、燃焼試験施設もロシアのものを利用すればよいと考えたのだろう。しかし、その間にロシアが立場を変え、無駄に歳月を過ごした格好だ」と話している。

李永完(イ・ヨンワン)記者
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