東京電力福島第一、第二原発周辺の8町村と各議会でつくる「双葉地方電源地域政策協議会」が、21日に国に「廃炉交付金」を創設するよう要望することがわかった。第一原発の廃炉が決定的な中、廃炉後も交付金の配分を受け、急激な歳入減を避ける狙いがある。
双葉町、富岡町、川内村など8町村の首長や議長らが21日に首相官邸や経済産業省などを訪問。「廃炉後も地域の自立的発展が図られるよう、新たな交付金制度を創設すること」などを求める要望書を提出する予定だ。
原発周辺自治体には立地を促す目的の電源立地地域対策交付金などが支払われている。だが、原発の運転終了で配分がなくなるため、各地の原発立地自治体でつくる「全国原子力発電所所在市町村協議会」(全原協)は1995年以降、廃炉後の交付金制度の創設を継続的に求めてきた。
全原協の事務局を務める福井県敦賀市の担当者は「現行制度では、稼働停止後の交付金が考慮されていない。原子炉が完全に撤去されるまで配慮してほしい」と話す。
経産省資源エネルギー庁電力基盤整備課は「原子力政策全体の見直しが進んでおり、今後交付金がどのように配分されるかは決まっていない」としている。(小島寛明)