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映画発掘計画

ブルース・リー

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二匹目のドジョウ 『死亡の塔』

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(c) 1980 Seasonal Film Corporation. All Rights Reserved
 
ブルース・リー 死亡の塔』(1980・香港)
死亡塔(シ・ワン・タ)
GAME OF DEATH II/TOWER OF DEATH

1980年に降って湧いたように登場した
本作はブルース・リーの未公開フィルムを
散りばめられたミステリアスなクンフー映画として
宣伝されたが、蓋を開けてみると
燃えよドラゴン』(1973・WB)の国際版には
無かったシーンを付け足されたインチキ的な映画と判明。
それでも東映が2週間だけ上映したロードショーにはファンが
詰め駆けたが、ブルース・リーのシーンが終わると
すぐに劇場から出て行く「珍事」が発生した。
ブルース・リーのファンにはこの作品は「別物」と認識する人も多いと聞く。
使われたのは『燃えよドラゴン』から高僧(郝履仁)との会話シーン、
氾の要塞での自室シーンなど約3分ほど。
また日本公開版『死亡遊戯』(1977)では使われなかった
温室での決闘シーンがDVDバージョンには挿入されている。
本当のブルース・リーの葬儀の映像が使われていて
エンド・クレジットでは香港版『死亡遊戯』のタイトルバックが使用された。
逆にDVDでは使われていないが、東映が独自に作って入れた主題歌
「アローン・イン・ザ・ナイト」が劇場公開版のオープニングに入っていた。
 
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テコンドーの高手武打星 黄正利だ!       (c) 1980 Seasonal Film Corporation. All Rights Reserved
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郝履仁と李小龍           (c) 1980 Seasonal Film Corporation. All Rights Reserved
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このオッサンは『酔拳』の食堂の用心棒を演じていたね
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楊成五です なんちゅうチープなコスチュームだ!(c) 1980 Seasonal Film Corporation. All Rights Reserved
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唐龍と黄正利の一騎打ち   (c) 1980 Seasonal Film Corporation. All Rights Reserved
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日本版『死亡遊戯』に無かった唐龍と卡薩伐の温室での決闘シーン
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観客サービス?金髪ネーチャンのヘア・ヌード ミランダ・オースティンが演じた。
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実質的な主演は唐龍             (c) 1980 Seasonal Film Corporation. All Rights Reserved
 

主演は『死亡遊戯』でもブルース・リーのダブルを演じていた唐龍
そしてジャッキー・チェン映画でもお馴染みの黄正利や喬宏。
製作はレイモンド・チョウ(鄒文懐)
監督は『帰ってきたドラゴン』の呉思遠がメガホンを取り、日本ロケも行っている。
武術指導は『ドランクモンキー酔拳』の監督でもある袁和平が担当。
香港版や日本版は前出のブルース・リーのカットが入っていたが
韓国版のみブルース・リーの場面は全てカットされ
唐龍が主演のクンフー映画に仕上がっている。

思遠影業有限公司 シーズナル・フィルム製作
嘉禾電影(ゴールデン・ハーヴェスト)
 
監督: 呉思遠 ウン・シー・ユアン
製作: 鄒文懐 レイモンド・チョウ
スタント・コーディネーター
 袁和平 ユアン・ウー・ピン
 
 李小龍 ブルース・リー 
 黄正利 ウォン・チェン・リー 
 唐龍 タン・ロン 
 路易士 ロイ・ホラン 
 喬宏 ロイ・チャオ
 郝履仁 ホー・リー・ヤン
 卡薩伐 カサノヴァ・ウォン
 元 彪 ユン・ピョウ
 楊成五 タイガー・ヤン
 ミランダ・オースティン(エンジェル役=全裸ネーチャン)

イーストマンカラー
シネマスコープサイズ(1:2.35)
86分
広東語・北京語・英語
モノラル
日本語字幕:宍戸正
東映配給
 
イメージ 2 ALONE IN THE NIGHT
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龍は海を渡る 『ドラゴンへの道』

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「銃とナイフが氾濫するこの時代、
彼の前には困難が待ち受けているが
彼ならきっと大丈夫さ」(ラストシーンより)
 
 
 
 
イメージ 1(1972・香港)
 
猛龍過江(メンロンクオジャン)
THE WAY OF THE DRAGON
アメリカ公開題名・RETURN OF THE DRAGON
 
初めて試写会なるイベントに行ったのはこの映画が最初だった。
しかも応募したとかではなく、服を買ったお店のスタッフが
おまけにくれたという棚ボタで観れた映画だった。
翌日は朝から晩までこの映画の話を同級生に自慢したものだった。
 
 
ブルース・リーが監督した唯一のクンフー映画
(『死亡遊戯』も監督していたが未完成だったので数に入れない)
それまでゴールデン・ハーヴェスト(嘉禾電影)でレイモンド・チョウ製作
ロー・ウェイ監督の二本の主演作(『ドラゴン危機一発』、『ドラゴン怒りの鉄拳』)
を経て自身のプロダクション、コンコルド・ピクチャーズ(協和電影)を設立して
嘉禾電影と協和電影の共同出資という形で、製作はレイモンド・チョウ、
監督・脚本・主演はブルース・リーで製作が開始された。
香港映画で初めてのヨーロッパ・ロケを敢行してローマで撮影され
コロシアムなどがカメラに収められた。
ただアクションシーンなどは香港のゴールデン・ハーヴェストの
スタジオでセット撮影されている。
出演はリーの他に、ノラ・ミャオ、チャック・ノリス
ユニコーン・チャン、トニー・リュウ、ウォン・インシック
ボブ・ウォール、ウェン・ピンアオなど。
 
 
ローマ空港のロビーに一人の東洋人の青年が現れた。
彼は唐龍(B・リー)で香港からやって来たばかりだった。
ローマにある中華料理店「上海」は連日、地元マファィアの
地上げに遭い、オーナーの陳清華(N・ミャオ)は香港の弁護士に
相談するものの、ローマへ来れなくなり、代わりに従兄弟の唐龍
を寄越したのだった。田舎者で世間知らずの唐龍に呆れる陳清華だった。
店の従業員たち(T・リュウ、U・チャン、チン・ティ)たちも唐龍を
彼を信用しなかったが、店に嫌がらせに来た4人のチンピラを
見事にクンフーの技で倒して陳清華や従業員たちを驚かせる。
ただ料理人の王(W・チュンソン)だけはマフィアの仕返しを
恐れていた。そうしてマフィアのボス(J・ベン)とその通訳で
オカマのホー(W・ピンアオ)らが手下を連れて店に殴りこんで来たが
唐龍はダブル・ヌンチャクで手下を全て倒してマファィアは尻尾を巻いて
逃げていくが、ボスは我慢がならない。
そこで用心棒や刺客が雇われることになった。
日本人の長谷川(W・インシック)、フレッド(B・ウォール)
アメリカ人の武道家コルト(C・ノリス)たちだ。
コルトは唐龍をコロシアムに誘い込み、真の武道家である
2人の死闘が始まった。
(1975年1月25日公開 東映洋画配給)

元々は『ドラゴン危機一発』(1971)と『ドラゴン怒りの鉄拳』(1972)を配給した
東和(現・東宝東和)が『ドラゴン電光石火』というタイトルで
74年の暮れにで東宝洋画系で公開する予定だったが
レイモンド・チョウが東映にも配給権を売ってしまい
ダブルブッキングで争奪戦が起こった。これはレイモンド・チョウが
東映のポルノ路線に着眼して池玲子や杉本美樹たちを自社の
映画に使いたい一存で東映の申し出に応える形で起きてしまった。
結局のところ、東映が本作『猛龍過江』を手に入れ、『ドラゴンへの道』
という英語タイトルに近い題名で松竹=東急系劇場で公開が決定した。
翌年に嘉禾電影に池玲子を貸し出した。(製作されたのは『悪魔の生首』(1975))
東和側は未完成の『死亡遊戯』が完成した時の配給権を優先的に得る形で
同意してこの問題に決着がついた
 

『ドラゴンへの道』は正月作品には間に合わず
正月第二弾として75年1月下旬に全国一斉公開された。
原題の『猛龍過江』とは「勇ましい龍が海を越える」という意味で
文字通り、この映画の完成後に『死亡遊戯』に着手した
ブルース・リーは彼が切望していたアメリカのメジャー会社ワーナーとの
の合作映画『燃えよドラゴン』(1973)に主演して国際マーケットに
その名前が知られるようになった。
本作は当初はリー自身は英語題名を「ENTER THE DRAGON」と決めたが
途中で「THE WAY OF THE DRAGON」に改め、このとっておきのタイトル
「ENTER THE DRAGON」は『燃えよドラゴン』に使われた。
ただ「猛龍過江」を実現した時はもうこの世の人ではなかった。(1973年7月20日没)

チャック・ノリスはこの後に数本のアクション映画に出演したが
芽が出ず、彼の人気に火がついたのは『地獄のヒーロー』(1984)
で『ドラゴンへの道』から12年後の事で遅咲きの花だった
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撮影を担当したのは日本人の西本正で「香港シネスコ映画の父」
と謳われた名カメラマンだった。(新東宝『東海道四谷怪談』は西本氏の撮影)
ローマではイタリア映画で多く使われたテクニスコープを
使用して、香港ではディアリスコープを使っている。
 
 
東映公開ヴァージョンでは劇中(コロッセオ付近を車で回るシーン)
とエンドクレジットにマイク・レメディオスの主題歌が使われた。
ただ流通するビデオやDVDではマイク・レメディオスの爽快な
歌は聞く事は出来ない。
 
 
前二作では見れなかったブルース・リーのコミカルな
一面が随所に挿入されている。
ローマ空港で空腹のあまり言葉が分からないが
入ったレストランでメニューが読めず、スープばかり
を注文して腹を壊す場面であるとか
若い娘にウィンクされて後を付いて娘の部屋に
行ったら裸の娘が出てきて、娼婦であったことが
分かったりなど余裕の演出を入れている。
 
香港:嘉禾電影/協和電影
 
 
監督: ブルース・リー (李小龍)
製作: レイモンド・チョウ (鄒文懐)
    ブルース・リー (李小龍) 
脚本: ブルース・リー (李小龍)
撮影: ホーラン・シャン(西本正) 
音楽: ジョセフ・クー  (顧家輝)
    ブルース・リー (李小龍)
 
 
 
 ブルース・リー(李小龍)  
 ノラ・ミヤオ (苗可秀)
 チャック・ノリス  羅禮士
 ボブ・ウォール  羅拔窩
 ジョン・T・ベン 
 ウォン・インシク(黄仁植)
 ユニコーン・チャン(小麒麟)
 トニー・リュウ(劉永)
 ウォン・チュンソン(黄宗迅)
 ウェイ・ピンアオ(魏平澳)
 チン・ティ(金帝)
 
100分
イーストマンカラー
ディアリスコープ(1:2.35)
(一部テクニスコープ)
広東語・北京語・英語
モノラル

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「ドラゴン登場!」 『燃えよドラゴン』

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ブルース・リー(李小龍)は1972年の秋に『ドラゴンへの道』(猛龍過江)を完成させ
次回作『死亡遊戯』を製作中だったが、彼の出演した『ドラゴン危機一発』(唐山大兄)と
『ドラゴン怒りの鉄拳』(精武門)はそれぞれ「フィスト・オブ・フューリー」
「チャイニーズ・コネクション」のタイトルでアメリカ国内でもインデペンディンス系の
配給会社が輸入して大ヒットを飛ばしていた。ほかにショウブラザーズの
『キング・ボクサー/大逆転』もワーナーが配給して全米ヒットチャートに
食い込むほどの観客を動員していた。
そして観客の大半はアジア系、黒人、ヒスパニック系のマイノリティ層がほとんどだった。
出資は大半がワーナーブラザーズでリー自身のコンコルド・ピクチャーズ(協和電影)と
恩師であり共同出資者のレイモンド・チョウのゴールデン・ハーヴェスト(嘉禾電影 以下GH)が
残りを折半し、日本を除くアジアの配給はGHで世界配給はワーナーが受け持った。
当初は題名は「ハンの島 Han's Island」だったがリー自身の強い要求で
「ドラゴン登場 Enter the Dragon」に決定した。
香港題名は『龍爭虎鬥』(ロンジョンフゥドゥ)とした。
ブルース・リーの願望はハリウッド、しかもメジャー会社の資本でアメリカ人監督の下で
シネマスコープの大画面で彼の編み出した武術である截拳道(JKD)を世界中の観客に
アピールすることだった。
彼にとってこの作品をなんとしてもヒットさせねばならなかった。全身全霊を注ぎ、演技と共に
アクションシーンも武術指導の名で監督した。生涯最後の作品がこの『燃えよドラゴン』だった。

監督はリーの希望でロバート・クローズが担当し、共演はアクション映画や西部劇に出ていて
空手の有段者ジョン・サクソン、そして1971年全米ミドル級空手チャンピオン、ジム・ケリーだ。
さて注目の仇役は香港映画の名物映画シリーズ『黄飛鴻』もので必ずといって悪役で出てくる
シー・キエン(石堅)がリーの強い要望で決定した。
他にアーナ・カプリやボブ・ウォール、ベティ・チュン(鐘玲玲)、トニー・リュウ(劉永)など
リーの妹役でGHで嘉禾三王女と呼ばれたノラ・ミャオ(苗可秀)マリア・イー(衣依)らと
人気を呼んだアンジェラ・マオ(芽瑛)が見事なテコンドーの連続回し蹴りを見せる。
そしてボロ役に「Gメン75」で御馴染みのヤン・スエ(楊斯)登場する。

冒頭のシーンではサモ・ハン(洪金寶)リーのダブル[吹き替え]でユン・ワー(元華)
地下要塞でリーに首を折られる男にジャッキー・チェン(成龍)が参加している。
他にユン・ピョウ(元彪)も参加している。

香港版のクレジットに出てくるのは武術指導助手でラム・チェンイン(林正英)
彼は『ドラゴン危機一発』で共演して仲良くなり、この『燃えよドラゴン』では
アクション助手やシー・キエンのダブルなど重要なポストを担当している。
後に『霊幻道士』で人気を博した彼の若い姿が少し見られる。

最初の少林寺のシーンはラッシュを見たリーが物足りなさを感じ
急遽リー自身が監督して付け加えたシーンだった。

ラロ・シフリンのシンセサイザーのテーマ曲は大ヒットして
一時期レコード店にはカヴァーも含めて10種類以上のレコードが
発売されていた。

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ジャッキー・チェンと
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ジョン・サクソンとピース!
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ラム・チェンイン(右)
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【アクシデント】
オハラ(ボブ・ウォール)が割るビール瓶は通常映画撮影には砂糖で作ったダミーが
使われるが小道具が間違って本物を用意したため、リーが手を切って数針縫う騒ぎに。

またコブラは本物でリーがコブラに噛まれてしまったが毒抜きしたコブラだったため
大事に至らなかった。

撮影に参加しているハンの部下のエキストラは香港のチンピラやヤクザたち
が混じっていた。また女たちも香港の街娼がいた。
常に撮影現場には不穏な空気が漂いエキストラの統制も取れていなかった。
(実際にリーが連続蹴りを敵に入れているシーンで後方のひとりのエキストラが
大爆笑しているシーンも本編にあった)


【名セリフ】

「敵は人間の心が生み出した幻想にすぎない」
The enemy has only images and illusions
「幻想を打ち砕けば敵を倒せる」
Destroy the images and you will break the enemy

「考えるな 感じろ」
Don't think Feel!
「月を指差すような感じだ」
It is like a finger pointing a way to the moon

「月光仮面だ」(DVDは「鳥人だ」)
A human fly!


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「板は打ち返してこない」(DVDは「決着をつけよう」)
Boards don't hit back

「お前は私の家族を傷つけ
       少林寺の名を汚した」

You have offended my family
and you have offended the Shaolin Temple

あらすじは書きません!
DVDなどでブルース・リーの真空急降下直角三段蹴り
神変稲妻胡蝶肘打ち四段返し、必殺飛燕一文字五段蹴りなど
ブルース・リーJKDの神技と主演作の中で一番スピーディなヌンチャク・アクション
唯一彼の肉声が聞ける(英語版のみ)をご堪能ください!

ラストのハンとの戦いのシーンは
オーソン・ウェルズの『上海から来た女』
遊園地の鏡の家の場面をそっくりイタダキしているよ!

孤島の要塞島・・・義手をつけた悪の首領。
まんま『007 ドクター・ノオ』じゃないか!


コンコルド・ピクチャーズ(HK)
ワーナー・ブラザーズ(USA)提供

監督: ロバート・クローズ
製作: フレッド・ワイントローブ
   ポール・ヘラー
   レイモンド・チョウ
   ブルース・リー
脚本: マイケル・オーリン
撮影: ギルバート・ハッブス
音楽: ラロ・シフリン

ブルース・リー
ジョン・サクソン
ジム・ケリー
アーナ・カプリ
アンジェラ・マオイン
シー・キエン
ロバート・ウォール
ベティ・チュン
ヤン・スエ
ロイ・チャオ
サモ・ハン・キンポー

100分
DC版103分
テクニカラー
パナビジョン(1:2.35)
日本語字幕:高瀬鎮夫


脱力系の香港版オープニングクレジット(笑)

http://www.youtube.com/v/tNJIwToW-o0

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「ドラゴン怒りの鉄拳」は国辱映画か?

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昨日7月20日はブルース・リーの命日でした。
35年前の昭和49年のこの日に「ドラゴン怒りの鉄拳」は日本で公開されました。

1972年・香港 ゴールデンハーヴェスト
精武門/FIST OF FURY
(日本公開1974年 東和配給)

主演第1作「ドラゴン危機一発」は香港映画界の興行収入の記録を更新する
大ヒットとなり同じロー・ウェイ監督で清朝末期の上海を舞台に実在した
武道家の霍元甲の死にまつわる物語を映画的に脚色して日本の道場との
対立を描いて(陰謀も)この作品から彼のトレードマークの怪鳥音や
倉田保昭から贈られたとするヌンチャクを小道具に使用し前作の興行収入を
たった二週間で更新してしまう空前の大ヒットとなりました。
共演はノラ・ミャオやジェームズ・ティエン、マリア・イーなど
また日本からは大映の大魔神のスーツアクターとして有名な橋本力が
勝新太郎の要請で香港に渡りに日本道場の敵役で出演しています。
ロシア人ボクサーを演じるロバート・ベイカーはブルース・リーの
アメリカ時代の友人で彼に招かれ迫力あるファイティングシーンを撮っています。

日本公開にあたり音楽はメインテーマ曲は中国語のコーラスから
マイク・レメディオスの唄う主題歌に差し替えられています。
また劇中の「お座敷ストリップ」は現在のDVDはありますが
劇場版にはカットされていました。多分配給会社が小中学生も観に来る
映画ということなので自主的に削除されたと推測されます。
まあ上記のストリップや変な頭髪で袴を前後反対にはいている日本人が
登場するなど日本を馬鹿にしている描写が随所に出てきます。
香港でヒットしている頃に東映などに売り込みがあったようですが
買い付けには至らなかったようです。

ジャッキー・チェンもスタントに参加していて彼が演じたスタントは
ラスト近く主人公の飛び蹴りを受けて庭に放り出される道場主鈴木のダブルがそうです。
ジャッキーはスタントシーンが終わった後にリー自身に褒められて
仲間に自慢していたというエピソードがあります。

この作品は脚本がしっかりしている事
そして「危機一発」と違い制作予算が潤沢にあったので
撮影所にセットを組んで撮影されているので色彩やカメラワークも
凝った演出が功を奏しブルース・リーが香港で製作した燃えよドラゴンは除く三本の中で
評価が高く一番出来が良い作品と言われています。

ブルース・りーが演じた『陳真』は彼の死後に同じくロー・ウェイ監督で
ジャッキー・チェン、ノラ・ミャオ主演の「レッド・ドラゴン/新・怒りの鉄拳」(1976)
ブルース・リャンの「精武門之 陳真」(1981年テレビシリーズ)
またドニー・イェン主演でテレビシリーズの「精武門」(1995)
ジェット・リーが「フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳」(1994)
など歴代のカンフー・スターが演じる当たり役となっているのですよ。
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変なカツラをつけた日本人

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東和公開版で削除されたストリップシーン




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ブルース・リー凱旋第一作

ブルース・リー(李小龍)の香港凱旋の第一作です。
彼はアメリカに渡る前に子役として数本の映画に出演していました。

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ブルース・リー(李小龍)BRUCE LEE 1973年に急死した香港映画界の伝説の巨星(スーパースター)
香港で生まれアメリカに渡り大学を進み中退後自ら考案した截拳道(JKD)で道場を構えます。
空手大会でJKDの演武を見たテレビ関係者によって
テレビ映画「グリーンホーネット」の準主役(カトー)に選ばれた後に
その後念願の劇場映画「かわいい女」1969に出演するが
主人公(J・ガーナー)を襲う中国人の刺客の役でわずか数分の出番でした。
彼には大画面のスクリーンで思い切り武術を表現したい
中国人の地位を向上させたい(「燃えよカンフー」は彼のアイデアで
主演も切望したが中国人の主演ドラマであるがため企画は通らなかった)
それと香港のショウブラザーズ(邵氏兄弟有限公司)が製作して東南アジアで記録的ヒットした
「龍虎闘」1970(吼えよドラゴン起てジャガー)の王羽(ジミー・ウォング)の
全く拙い武術(特に蹴り技が見れたものじゃない)を見て
ひどく憤慨し香港のショウブラザーズに映画出演のコンタクトをとるが
彼の思いは受け入れられず、ひどく落ちこんだといいます。
時にショウブラザーズを飛び出した敏腕プロデユーサーのレイモンド・チョウ(鄒文懐)が
設立した新興映画会社ゴールデンハーヴェスト(嘉禾娯楽事業有限公司)が
会社を担う新しいスターを捜していてキン・フー監督の「大酔侠」1966に主演したスター女優
チェン・ペイペイ(鄭佩佩)がアメリカにいるとの事で彼女に出演依頼をするが断られたので
代わりに過去にショウブラザーズの出演交渉をしたリーと映画2本の契約を果たします。
その契約の初作がこの 唐山大兄「ドラゴン危機一発」であり
2本目が 精武門「ドラゴン怒りの鉄拳」1972であります。
唐山大兄は舞台がバンコクである事からタイでオールロケされました。
当初はウー・チャンシャンという監督が撮影してジェームズ・ティエン(田俊)が
主役のあらすじでしたが監督をショウブラザーズの名監督だったロー・ウェイ(羅維)
と交代して親戚を殺された華僑の青年が黒幕の親分を倒す復讐劇に仕立て上げました。
完成した映画は1971年10月に公開されてそれまで香港の興業収入のトップだった
「サウンド・オブ・ミュージュック」の記録を破り歴代トップへと躍り出ました。

字幕行数750 100分の作品の割りに少なく楽でした

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香港での題名は「唐山大兄」で
英語タイトルは THE BIG BOSS ですが
アメリカで公開された際は FISTS OF FURY になりました。

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田俊(ジェームズ・ティエン )
後に「羅維影業公司」の作品で
ジャッキー・チェンの初期作に多数出てましたね

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衣依(マリア・イー)
「嘉禾三大玉女」のひとりですぐに結婚引退した。
「怒りの鉄拳」にも出演している。

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韓英偉(ハン・イン・チェ)
香港を代表する武術指導家のひとり
トランポリン・アクションが得意で
上官霊鳳(シャンカン・リンホー)や白鷹(パイ・イン)
の武術の師です。「危機一発」でも武術指導を担当

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韓英偉のトランポリン・アクロバット
トランポリンアクロバットがこれでもかと登場しますが
ただ度が過ぎてリーは撮影中に脚を痛めたらしい

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苗可秀(ノラ・ミャオ)
アジア女優で日本の映画雑誌「ロードショー」「スクリーン」
の表紙を飾ったのは彼女が初めて。
それほど日本での人気は凄まじいものがあった。
日本での銀幕デビューは東映の『東京=ソウル=バンコック 実録麻薬地帯』1972
マリア・イー、アンジェラ・マオと共に「嘉禾三大玉女」のひとり
後に羅維の養女になり「羅維影業公司」に移籍して
ジャッキー・チェンの「拳精」「蛇鶴八拳」などで共演

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劉永(トニー・リュウ)
「死亡遊戯」以外のリーの作品には全部共演している。


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(右) 林正英(ラム・チェンイン)
ご存知「霊幻道士」様の若い時です。
彼の武術レベルの高さも定評がありこの映画でも
リーに認められ武術指導補佐で活躍した。

(左) 李昆(リー・クン)
彼も「怒りの鉄拳」
羅維の「拳精」などにも出演している。



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マラリン
タイのトップ女優らしいですが
詳しくはわかりませんのよ。

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撮影時のスナップ
左から韓英偉、衣依、羅維、李小龍、田俊

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ファイ!(掛け声)

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ザザザザ!!(風を切る音)

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グシャ!

必殺技 真空急降下直角三段蹴り!
(名司会者 浜村淳曰く)

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投げ技

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爆笑シーン
劇場では必ず観客はここで大爆笑

漫画じゃないんだから


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予告編
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デジタルマスター版は傷やノイズ
がきれいに直されて発色も改善されています。

74年公開当時は英語版が輸入され
しかもテーマ曲はじめ数曲は音楽を日本で入れ直した模様です
ラストにはマイク・レメディオス Mike Remediosが歌ったTO BE A MAN (鋼鉄の男)が流れます。
マイク氏は「怒りの鉄拳」「ドラゴンへの道」や香港版「死亡遊戯」を歌ってるとのこと。
写真を見たらどうもフィリピンの方のように見えますがよく知りません。

当然に[オリジナル]の危機一発は「怪鳥音」は入ってませんでした。
ビデオの時代になってアチャーがダビングされたみたいですね。

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