(2011年10月15/16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
10月14日に日本のカメラ・医療画像診断機器メーカー、オリンパスのCEO(最高経営責任者)を解任された英国人のマイケル・ウッドフォード氏は、概して臆病な日本の企業文化を知らないわけではなかった。
何しろ、51歳のウッドフォード氏は30年間オリンパスに勤め、欧州にある同社傘下の手術器具会社のジュニアセールスマンからトップに上り詰めた人物だ。
企業文化の刷新を目指した英国人トップ
だが、今年4月にオリンパス初の外国人社長に就任してから、同氏はずっと問題にぶつかるリスクを犯していた。
ウッドフォード氏は5月に行った本紙(英フィナンシャル・タイムズ)とのインタビューで、自身を「(議論のためにあえて反対意見を述べる)悪魔の代弁者」と評し、従業員が上司の意見に疑いを差し挟んだり、数十年続く商慣行に異論を唱えたりすることを恐れる組織を刷新したいと語っていた。
「調和と合意は時と場合によっては適切だが、厳しい精査と異論を述べることは、より良い意思決定につながる」。ウッドフォード氏はこう述べていた。「(人と)対峙できなければならない」
ウッドフォード氏が、自分が説いてきたことを実践したために解任されたことは明白なように思える。もっとも、ウッドフォード氏と同僚たちとの対峙の本質については、両者の言い分が異なる。
オリンパスによると、問題は文化と経営スタイルにまつわるものだ。菊川剛会長は記者会見で、ウッドフォード氏は、オリンパスの指揮系統に従って事業担当役員に指示するのではなく、現場へ直接指示を出し、ほかの取締役や幹部を混乱させたと述べた。
解任の2週間前にCEOの肩書きを与えていたオリンパス
だが、こうした経営スタイルにもかかわらず、オリンパスは解任のわずか2週間前にウッドフォード氏にCEOの肩書きを与えていた。菊川会長はこの時、ウッドフォード氏の指導力を称え、同氏が進める「変革を受け入れる」よう従業員に促していた。
それなのに、14日の取締役会では、ウッドフォード氏は発言を許されず、全会一致で解任が決議された。
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