浦和、ペトロ監督解任 後任に堀ユース監督
| 新監督に就任し、Ｊ１残留へ巻き返しを誓う堀監督＝２０日午後４時４０分、大原サッカー場 |
Ｊ１リーグ残り５節で降格圏の１６位に低迷する浦和は２０日、ゼリコ・ペトロビッチ監督（４５）との契約を同日付で解除し、後任にユース監督の堀孝史氏（４４）が就任すると発表した。堀新監督は２２日の横浜Ｍ戦から指揮を執る。浦和の日本人監督は、Ｊ２を戦った２０００年の斉藤和夫氏以来１１年ぶり。
橋本光夫代表は「ナビスコ杯で決勝進出を果たすなど、試合内容に改善の兆しは見られたものの、リーグ戦では結果に結び付けることができていないため、監督交代を決断した」とし、堀新監督については「０５年から７年間にわたり浦和ユースの指導実績があることや、ユース出身の選手を熟知し、宮崎合宿にも参加するなど現チーム状況を理解しており、すぐに手腕を発揮できる」と説明した。
現役時代に浦和でプレーしたペトロビッチ前監督は今季から指揮を執ったが、開幕から不振が続いた。９月には柱谷幸一前ゼネラルマネジャーが更迭され、残留争いの直接対決となった１５日の大宮戦は０―１で敗れ１６位に転落。同監督は大宮戦後に今季限りでの辞意を表明していた。
堀新監督は１９９２年に浦和に加入。現役引退後は湘南の下部組織を経て、０５年から浦和ユースのコーチを務め、０７年から監督に就任。０８年には現在トップチームの原口、山田直、高橋、浜田、岡本らを擁して第１９回全日本ユースＵ―１８（１８歳以下）選手権で初タイトルを獲得した。
この日、初練習に臨んだ堀新監督は「残留に向けて一丸となってやっていこうと確認した。レッズが降格することは考えられない」と残り５節での巻き返しを誓った。
浦和は昨年度、筆頭株主の三菱自動車との損失補填（ほてん）契約を解消した０５年度以来、初の赤字に陥った。主催試合入場者数も０７年をピークに３年連続で減少し歯止めが掛からず、今季も９月１４日の大宮とのナビスコ杯２回戦で１万３０３６人と、埼玉スタジアムでのホーム観客入場者数の最少記録を更新した。
橋本代表は「『強くて魅力ある地域の誇りとなる浦和レッズ』を見失ってしまい、責任を痛感している。現有勢力の総力を結集して残りのリーグに挑む。何としてもＪ１残留を死守する」とした。
また、ペトロビッチ監督の解任に伴い、アドリエ・ボヘルスヘッドコーチ（４６）の契約も解除し、ユースの天野賢一コーチ（３６）がトップチームのコーチに就任する。