特許紛争:サムスンが苦肉の策、ユーザーの反発も

韓国でもiPhone4S販売差し止め申請検討

 韓国ではまだiPhone4Sの発売時期が決まっていない。早ければ11月半ばにも販売が開始される見通しだ。しかし、販売開始以前に販売差し止めを求める仮処分申請を行うことも法的に可能だ。サムスン関係者は「フランスとイタリアでの仮処分申請は今月5日で、発売日(14日)の9日前だった」と説明した。アップルもサムスンがまだギャラクシータブ10.1を発売していない時点で、オーストラリアで販売差し止めを申し立てた。

 双方が劇的に和解する可能性も残されている。サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)社長は19日、アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏の追悼式に出席し、米国から帰国した直後、ソウル市の金浦空港で記者団に対し「追加的な訴訟を起こすかどうかは、経営陣と協議の上で決定する。もう少し検討が必要だ」と述べた。李社長は前日、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)と会い、アップルへの半導体部品の長期供給について協議したと事実を明らかにした。特許訴訟で争う一方、アップルとの関係の破局には至らないとの見方を示したものだ。

■熱狂的ファンの反発も

 放送通信委員会と通信業界によると、韓国にはiPhoneのユーザーが370万人いると推定される。携帯電話の契約者5100万人のうち、7%がiPhoneを使っている計算だ。韓国で正式に発売される前に、海外で購入したiPhoneを持ち込み、使用しているケースもある。韓国ではiPhone用のアプリのダウンロード件数が米国に次いで多く、iPhoneに対するユーザーの忠誠度が高いとされる。このため、サムスンが韓国でもiPhone4Sの販売差し止めを申し立てれば、サムスンに対する非難が高まる可能性が高い。

 iPhoneのユーザー、パク・ウンギョンさん(27・女性)は「企業間の競争のせいで、サムスンがiPhoneユーザーに不便を強いるのは横暴だ」と述べ、海外から並行輸入してでも、新型iPhoneを手にしたいと話していた。

 しかし、サムスンの強硬な姿勢を支持する人も少なくない。別のiPhoneユーザー、オ・チヨンさん(43)は「デザインが酷似しているという理由で、アップルがサムスン製品の販売すらさせないのは行き過ぎだ」と指摘した。

金熙燮(キム・ヒソプ)記者 , 白剛寧(ペク・カンニョン)記者
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