与野党の対立で実質的な審議が行われていない国会の「憲法審査会」について、委員の選任に慎重な姿勢を示してきた民主党が、17日の参議院議院運営委員会の理事会で、選任に応じる考えを示し、次の臨時国会で審査会が始動する態勢が整う見通しとなりました。
憲法改正の原案などを審議することになっている「憲法審査会」は、4年前に成立した国民投票法で衆・参両院にそれぞれ設置することになっていますが、第一党の民主党が委員の選任に慎重な姿勢を示してきたことなどから、実質的な審議は行われていません。こうしたなか、17日の参議院議院運営委員会の理事会で、民主党の小川筆頭理事が、自民党や公明党などの求めに応じて、20日に召集される臨時国会の冒頭で委員を選任する方針を示し、野党側もこれを了承しました。民主党は、衆議院でも同様に委員を選任する方針で、これによって憲法審査会は次の臨時国会で始動する態勢が整う見通しとなりました。民主党が憲法審査会に関する従来の方針を転換した背景には、補正予算案などの審議で自民党や公明党の協力を引き出すことにつなげるねらいもあるものとみられます。