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警察庁調査:重大事件の6割、取り調べで重要証拠を発見

 警察庁は20日、容疑者の取り調べに関して都道府県警の捜査員に行った調査の結果を発表した。捜査本部を設置した重大事件の6割は、取り調べによって重要な証拠が発見されている、との傾向がみられた。

 昨年中に解決した殺人などの捜査本部事件の容疑者86人(56事件)と、八つの都府県警の今年2月に検察の処分が終了した一般事件(交通以外)の容疑者397人について、取り調べの実情を調査した。

 それによると、捜査本部事件のうち、取り調べで重要な証拠が発見できた事件は32事件で57.1%。複数回答で、発見された証拠などは遺体5件▽凶器などの犯行道具26件▽被害品10件▽共犯者解明の情報9件だった。取り調べ初日から自白した容疑者は48人、2日目以降の自白は9人、否認・黙秘を続けたのは29人だった。

 逮捕前も含めた取り調べ日数は、一般事件の平均が5.7日、捜査本部事件17.6日。取り調べ時間は一般事件15時間15分、捜査本部事件65時間31分。取り調べ回数は一般事件10.1回、捜査本部事件41.0回だった。

 自白の理由について、捜査本部事件で最も多かったのは「取調官と容疑者の信頼関係」の68.4%で、一般事件の32.1%を大きく上回った。担当者は「刑の重い事件ほど、自白を得るための信頼関係が必要となることを示している」と話している。【鮎川耕史】

毎日新聞 2011年10月20日 11時18分(最終更新 10月20日 11時52分)

 

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