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飛騨市病院:来年度の人繰り困難 常勤医師、院長含め2人に /岐阜

 飛騨市病院(病床数91)の医師不足が深刻化している。18日に県庁であった第3回県地域医療対策協議会で、同病院の川上清秋管理室長は、来年度に確保できている常勤医師が病院長を含む2人しかいないことを明らかにし、「何とかお知恵やお力をかしてほしい」と訴えた。病院に必要な医師は常勤換算で最低3人という。

 川上室長によると、常勤医師は現在5人。来月末に内科医1人が去り、県から派遣されている医師ら2人が3月に任期満了を迎える。病床の7割は埋まり、外来患者は1日260人前後。富山大病院などから派遣される非常勤医師約20人も月2、3回夜勤をしている。

 川上室長は、今年に入って富山大病院に10回以上足を運び、常勤医の派遣を求めてきたが、今月初めに「派遣は難しい。岐阜県内で何とかしてほしい」と告げられたという。

 飛騨市病院は、主に旧上宝村と旧神岡町の住民が利用。高山市の高山赤十字病院まで峠を越えて1時間ほどかかり、冬場は、危険な雪道。富山方面に向かう方が安全だが、約1時間かかるという。川上室長は「地元住民の緊急時にはこの病院が必要。ただ常勤2人では入院患者に対応できない」と話した。

 川上室長の訴えを受けて、棚橋忍・高山赤十字病院長は、内科医の非常勤派遣を検討することを明らかにした。棚橋病院長は「私の病院も医師は少ないが、飛騨市病院が崩壊すれば、他の病院に患者が割り振られ、共倒れする危険性もある。助け合わなければ成り立たない現実がある」と指摘した。【石山絵歩】

毎日新聞 2011年10月19日 地方版

 
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