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使命胸にKスタ63試合 関係者「無事終えた」楽天最終戦
プロ野球東北楽天の今季最終戦が日本製紙クリネックススタジアム宮城(Kスタ宮城、仙台市宮城野区)で行われた19日、球団職員ら関係者は「この球場での今季63試合、何とか無事終えた」と一様にほっとしていた。 東日本大震災の影響で1カ月開幕が遅れた。不安を抱えて始まったシーズン。「各人が自分が何をするべきか。ミッション(使命)を持った」と楽天野球団の池田敦司副社長は振り返る。 職員らは震災直後「野球をやっていいのか」と悩んだという。迷いを吹っ切ってくれたのは、被災者の表情だった。宮城県内の避難所数カ所にテレビを無償で贈り、東北楽天の試合を観戦してもらった。「喜んだ顔に球団や選手らは励まされた」(池田副社長) 4月29日の本拠地開幕戦に合わせたスタジアム修復作業は急ピッチで進め、何とか間に合わせた。余震も頻発したため、球場に地震計を設置。感知すると、審判の腕に着けた警報器が作動するシステムを整えた。9月29日にはこのシステムによって5分間、試合を中断させた。 避難訓練の実施回数は15回を数えた。ファンに安心して観戦してもらうのが第一。「おかげで少しの揺れにも敏感に反応するようになった」と池田副社長は話す。 球団職員が詰める事務棟の被害も大きく、エレベーターは止まったまま。観客の安全確保を優先したため、こちらはシーズンオフに修復する。 今季は7回、延べ約1500人の被災者をKスタ宮城に招待。来季も被災者支援の企画を行う。 「勝つことでみんなを喜ばせるのが一番」。池田副社長が来季の“ミッション”を口にした。
2011年10月20日木曜日
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