第三話 崇宏のその後
一週間後
ミッドチルダのとあるマンションの一室
崇宏視点
「ん?」
「ふふ、起きたようだな、崇宏」
「母さん………何をしてんの?」
「可愛い息子の寝顔を見ていた」
「男なのに可愛いと言われると流石の俺も傷付くのだけど?」
「冗談だ、早く着替えろ」
「母さん………後ろから抱き付かれると着替えられないんだが?」
「テスタロッサはスキンシップが大事だと」
「時と場合によるでしょ、母さん?」
などと二人が話していると
『いつまでイチャつくつもりだ……さっさと準備をしろ』
千冬に怒られた。
八神家
俺の名は八神 崇宏……母さんの名はシグナムだ。
あの後、はやてさんの計らいでシグナムが母さんになり八神家の一員となった。
にしても、まさか俺が八神家の一員になるとは……驚きだ。
「おお、崇宏まっとたで」
関西弁で喋る女性は八神家の家長、八神はやてさん、原作通り管理局でも凄腕らしい。
『はやてちゃん、崇ちゃん、来たですか!?』
ドタドタドタドタ走って来た銀髪の女の子はリイン、八神家の末っ子ではやてさんの融合機だ。
『崇宏に触れんじゃねえ!』
『ふぎゃっ』
俺の横からリインを蹴り飛ばしたのはアギト、此方は母さんの融合機で何故かいつもリインと喧嘩している。
『何するですか、アギト!』
『黙れバッテンチビ、崇宏に触れんじゃねえ!』
「アギト、何も蹴り飛ばす必要はないだろう、大丈夫か、リイン?」
『うう~、痛かったですよ、崇ちゃん』
『ずりーぞ、バッテンチビ!』
と何故かいつもこんな感じで喧嘩する。
「あらあら、崇ちゃんはモテモテね~」
この人はシャマルさん、管理局では医師をしてるらしい。
「相変わらず、うるせー」
目を擦りながらおりて来たのはヴィータさん、鉄槌の騎士で母さんぐらい強い。
『姉御〜』
「わかった、わかった、崇宏、アギトの事も構ってやれ」
「いや、無視なんてしてないけど?」
などといつものやり取りをし、シャマルさん以外は仕事に行った。
いつもは1人でいるのだが八神家の誰かが休みの時は八神家にくる事になっている。
「ねぇ、崇ちゃん」
「なんですか、シャマルさん?」
「ザフィーラとヴィータちゃんとシグナムの忘れてったお弁当届けてくれない?」
「分かりました」
「宜しくね」
「はい」
陸士108部隊
「は~るばる~きたぜ、アゴだけ~♪」
『崇宏……その歌はなんだ?』
「ん~、束の真似!」
『そうか』
いつものやり取りをしていると
「あの~」
誰かに話してかけられた。
「はい?」
「君は何をしてるのかな?」
「えっと、知り合いに弁当を届けに来ただけです」
「え、えっと、知り合いの人の名前を言えるかな?」
「盾の守護獣、ザフィーラ」
「えっと……中にいると思うよ、案内するね」
そのまま青髪の女性に着いて行った。
「おう、ギンガ、誰だ?」
「ザフィーラの知り合いらしいんだけど」
「何をしている、崇宏?」
「ザフィーラに忘れた弁当を届けるようにシャマルさんに頼まれた」
「他には行くのか?」
「母さんとことヴィータさんの所」
「シグナムとヴィータの所か」
「ああ」
「所で自己紹介はしたのか?」
「八神 崇宏だ、いつもザフィーラが世話になっています」
「成る程……それがお前らが保護したって言う子供か」
「ああ」
「子供にみえねぇな」
「実際、うちで一番の大人かもしれん」
「へぇ、崇宏っつたか、うちのギンガを嫁にどうだ?」
「お父さん!?」
「遠慮しておきますよ………御宅のご息女は俺の妻には勿体ないから、うちの女性陣に見習って欲しい物です」
「こりゃあまた、将来が楽しみだこって」
「お褒めの言葉と受け取っておこう」
「………大人だ」
「ナカジマ三佐……失礼します」
「待て、うちの娘が丁度本局に行く用事がある、一緒に行くと良い」
5分後
「姉はチンク・ナカジマだ、宜しく頼む」
「八神 崇宏です、此方こそ宜しくお願いします」
俺はチンクさんと陸士108部隊を後にした。
本局
「ヴィータさんはこっちか」
「私は此処までだな」
「チンクさん、助かったよ」
「そうか、では失礼する」
「ああ」
私はチンクさんと別れヴィータさんの所に向かう。
「ん、崇宏じゃねぇか?」
「ヴィータさん、忘れたお弁当を届けに来ました」
「ああ、悪りぃな、崇宏」
「いえ」
「シグナムの分は持って来てんのか?」
「ええ」
「ヴィータさん、お疲れですね」
「ああ、問題児ばかりの部隊でな」
「大変だな、ヴィータさん」
「ヴィータちゃん、その子は誰?」
ヴィータさんと話しているとサイドテールの女性が話しかけて来た。
「始めまして、八神 崇宏です、いつも八神家の皆が世話になっています」
「い、いえいえ、此方こそお世話になりまして、私は高町なのはです」
『ほう…私は崇宏のデバイスの暮桜だ、千冬と呼んでくれ…噂のエースオブエースか………会えて光栄だ』
「き、恐縮です」
「そうだ、崇宏を連れて行こうぜ、シグナムは会議中だしさ」
ヴィータさんの提案で教導に着いて行くことになったのだが…………なんだ?
この……………体たらくは!?
千冬がイラついてるぞ。
『貴様ら良い加減にしろ!!』
「うるさいんだよ、ガキが!!」
ええ!?
俺のせいですか?
五分後
なのは視点
凄いヴィヴィオと同じぐらいなのに全員のしちゃった。
八神家の皆から強いとは聞いてたけど………強すぎるよ。
魔力を一切使わないで30人の大人を五分でボコボコって…しかも何をしたのかわからない…あの子はただ両手をポッケに入れて立ってただけなのに周りの皆が吹き飛んだし。
『どうした、威勢が良いのは最初だけか?………これだけの人数の大人がいて魔力を行使しない小学生1人にのされるとはな』
「千冬…これ以上は煽らないでよ」
「ふざけるな、貴様ら化け物に勝てる訳がねえだろ」
『黙れ、馬鹿者共が!!…貴様らは実践で負けた理由も相手が化け物でしたですませるつもりか!?』
「それは………」
『だが貴様らには根性がある、1時間だけ、私に付き合え、使える様にしてやる』
「ええ~、俺もー」
あれ?
私の仕事を取られてる。
一時間後
凄い、練習は軍隊チックだけど皆が強くなってる。
特にミッドチルダ式の魔導師に教えてた杖術のおかげで杖タイプの魔導師の戦略の幅が広がった。
他にも戦術論を教えてた…………凄いな、千冬さん…デバイスで戦術論が出来るなんて……。
なんて私が考えてると………
「なのは、どうしたの?」
「あっ、フェイトちゃん……あの子が凄いなぁ~って」
「誰? あの子?」
「ほら、この前、はやてちゃんが話してた」
「ああ、はやてが保護した子」
「ちょっと、違うけどな」
「ふえ?」
「どう言う事、ヴィータ?」
「それはな「それは何だ?」し、シグナム!」
「ヴィータ…なぜ崇宏が教導紛いをしている」
し、シグナムさん!?
何だろう……凄く怒ってる様な……あっ…セットアップした。
ジャキ
「ふぇ!?」
「どう言う事だ………高町…説明して貰おうか?」
「ちょっと、シグナム!」
「テスタロッサ…お前でも良いぞ……説明しろ!」
「シグナム落ち着けって」
「何だ? アギトは高町達の肩を持つのか?」
「やってるのは……崇宏と言うより千冬だろ?」
「確かにその様だな」
「だろ? おい、崇宏ー!!」
崇宏視点
ん?
アギトと母さん!?
「こっちへ来い崇宏」
「ああ、千冬……」
『今日の教導は終わりだ……後は高町指導教官に任せる……サボるなよ…』
「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」
千冬…仕切っちゃったよ。
「ごめん、アギト、母さん…お待たせ」
「「か、母さん!?」」
「おう、崇宏は、はやての保護じゃ無くてシグナムの保護だ」
「シグナムさんの保護!?」
「それで最近…子供の育て方とか聞いて来たんだ……」
「崇宏……何をしている?」
「母さんとヴィータさんにお弁当を持って来たんだけど」
「私が会議中だからヴィータと一緒にいたが教導の体たらく千冬が切れたか?」
『良く解っているな…シグナム』
「貴様…デバイスの癖に主を危険に晒すなど!」
『デバイスだからこそ、主の実力は解っている……勝てぬ相手になどぶつけぬさ』
この二人、似たもの同士なのに喧嘩が絶えないな。
「まあ良い、崇宏…明日からSt.ヒルデ魔法学院に通ってもらう」
「何それ?」
「聖王教会系列の小学校だと思えば良い」
「聖王教会って…騎士カリムやシスター・シャッハの所?」
「その通りだ」
何でもやってるな…こっちの教会は……商魂逞しいな。
「崇宏……ついでに明日から高町とテスタロッサの所から通え」
「は?」
「私の所から通うより近くて、同じ歳位の娘もいるからな」
「ああ、な~る、なのはさん、フェイトさん、明日から宜しくお願いします」
「うん、宜しくね、崇宏君」
「宜しくね、崇宏」
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