開城工業団地で消費されるチョコパイの量が最近大幅に減っていることが、19日までに分かった。チョコパイは、開城工業団地に進出した企業が北朝鮮の労働者に支給する代表的な間食だ。
開城工業団地にチョコパイを納品しているAさんはこの日「私が納品している分だけでも、先月に突然30-40%程度減少した。ほかの業者も同じ状況だとすれば、開城工業団地の1日のチョコパイ消費量は20万個から15万個以下に減ったことになる」と話した。北朝鮮側は開城工業団地の進出企業に対し、チョコパイではなく現金やインスタントラーメンを支給するよう要求しているという。
これに対し、北朝鮮専門家の間では「北朝鮮当局は、チョコパイが体制を維持する上で悪影響を及ぼしていると判断したようだ」との見方が出ている。2004年に開城工業団地が稼働し始めた当時、北朝鮮の労働者の間で間食として人気を得たチョコパイは、「代表的な南朝鮮(韓国)の製品」として北朝鮮全域に広まり、住民たちに愛されるようになった。開城工業団地に勤務する北朝鮮の労働者たちが、家族に与えたり、チャンマダン(闇市)で売ったりするため、支給されたチョコパイを食べずに持ち出すケースも日常茶飯事となった。
対北朝鮮関係の消息筋は「チャンマダンでは、チョコパイ3個がコメ100グラムと同等の値段で交換される。チョコパイが北朝鮮のチャンマダン経済の活性化に一役買っている現状だ」と話した。また、韓国政府の関係者は「チョコパイのように包装をはがして食べる製品は、優秀な韓国製品を北朝鮮に宣伝する効果もある。北朝鮮当局が、韓国発の『非社会主義的』な風潮の拡散の主犯としてチョコパイを名指ししているようだ」と指摘した。