インターネット通販で世界最大手の米アマゾン・ドット・コムは日本で電子書籍事業に参入する。小学館、集英社など出版大手と価格設定などで詰めの交渉に入っており、年内にも日本語の電子書籍を購入できるサイトを開設。スマートフォン(高機能携帯電話)などに配信し、自社の電子書籍端末「キンドル」も投入する構え。日本勢も紀伊国屋書店や楽天がソニー製端末への書籍提供を始める。日本でも電子書籍の普及が本格化しそうだ。
アマゾンは講談社、新潮社などとも交渉しており、1~2カ月以内に数社との契約を目指している。中堅出版のPHP研究所(京都市)とは合意した。PHPは約1000点の書籍を電子化して提供する方針。
購入者はネット上でアマゾンの電子書店にアクセスし、欲しい書籍をスマートフォンやタブレット端末、電子書籍端末にダウンロード。クレジットカードなどで支払う。
日本参入に向け、アマゾンはこのほど米で新モデルを発表した自社の電子書籍端末「キンドル」を日本に投入することも検討する。
米国の電子書籍市場ではアマゾンが価格決定権を握っており、9割引きといった値付けをしたり、作家と連携して話題作を電子版で先行販売したりしている。
国内ではアマゾンの安売りを警戒する出版社側がアマゾンへの電子書籍提供に難色を示していた。アマゾンは出版社側に対し、電子書籍の発売時の価格設定や値下げのタイミングについて両者が事前に協議する仕組みを提案したもようで、交渉が進展した。
国内では昨年から、端末メーカー、書店、印刷会社、ネット企業などが組み、電子書籍の配信サイトを立ち上げた。書籍の版権を持つ出版社は基本的に、全てのサイトに電子書籍を提供する方針だ。
しかし書籍・雑誌の国内市場は約2兆円に対し、電子書籍の市場規模は2010年度に650億円程度。電子化された書籍が少なく、規格が乱立したため普及が遅れている。
普及に向け国内勢は利用者の利便性を高める動きを加速している。紀伊国屋が運営する「Book Web Plus」は20日から、ソニー製の「ソニーリーダー」にも書籍の提供を始める。11月には楽天の「Raboo」も同端末に提供する予定だ。これまでソニーリーダーはソニーが運営する「リーダーストア」だけに対応していた。
出版社は書籍の電子化を急いでいる。新潮社や講談社、学研ホールディングスは全新刊を電子化する方針を固めて作家との交渉などを始めた。小学館や角川グループホールディングスも全新刊の電子化を目指す。
米国では4月以降、アマゾンの電子書籍の販売数が紙の書籍を上回って推移している。アマゾンの参入や出版各社の書籍電子化により、日本でも電子書籍が本格的な普及期に入る見通しだ。
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