福岡市は19日、東日本大震災の被災地で発生したがれきの受け入れについて「市内に放射性物質を処理できる設備がなく、自然環境への影響などを考えると安全性が保証できない」として、拒否することを福岡県に回答した。県は21日、同市の回答を環境省に伝える。
市は4月、がれきなどの災害廃棄物の受け入れ能力に関する同省の照会に対し「年間で最大18万トン受け入れ可能」と回答していたが、受け入れる廃棄物中の放射性物質について国の基準が明確でないことなどを理由に、慎重姿勢に転じた形だ。
市環境局によると、がれきが放射性物質に汚染されていた場合、焼却灰に雨水が混ざって放射性物質が流れ出す恐れがあるが、市内に2カ所ある汚水処理場では除去が不能。処理後の水は最終的に博多湾に流れており、全国でも数少ないカブトガニの産卵場でもある今津干潟(西区)などへの影響も考慮したという。
=2011/10/20付 西日本新聞朝刊=