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初期の対応に差 1例目後は即通報農家も
(2010年7月19日付)
口蹄疫問題で、川南町の大規模農場の牛に、県への通報の6日前によだれの症状が出ていたことが18日判明した。初期の発生農家の中には、異変に気付いて即座に県に通報した人もおり、対応には差が出た。口蹄疫は感染力が極めて強く、早期発見と殺処分が不可欠。専門家は「まん延を防ぐため、異常を感じたらすぐに通報するべきだ」と警鐘を鳴らす。
大規模農場関係者によると、700頭以上の牛を飼育する同農場の従業員はパートを含め3人。系列農場を束ねる責任者や獣医師が定期的に巡回していたという。関係者は「こなさなければならない仕事が多く、牛の様子をじっくり見ることはできなかった」と日常業務の様子を明かした。
4月20日の都農町の1例目公表は、地元農家に大きな衝撃を与えた。川南町の男性(61)は2日後の22日早朝、牛1頭がよだれをたらしているのを見つけた。量はそれほど多くなかったが「様子がいつもと違う」と感じた。熱を測ると40度以上あり、2時間後に町役場に連絡。その後、家畜保健衛生所に届けた。
和牛繁殖農家の女性も5月2日朝、牛1頭が水をあまり飲まず、昼前にはよだれも出始めたため、その日のうちに地元JAに連絡したという。
川南町の養豚場では、4月29日朝、餌やりに行った従業員が豚1頭の足先にわずかな内出血を見つけ、すぐに通報。従業員6人が毎朝1時間かけて異常の有無を確認していた。「本県では10年前にも発生しており、危機管理は体に染み込んでいた」と同農場関係者は振り返る。
別の養豚場では、1例目の発生以降、口蹄疫の勉強会を開き「従業員に『おかしいことがあったらすぐ報告するように』と求めていた」という。