【ニューヨーク=小川義也】米太陽電池メーカー7社は18日、中国の太陽電池メーカーを、ダンピング(不当廉売)があったとして米商務省と米国際貿易委員会(ITC)に提訴した。低価格を売り物にする中国勢との競争激化で、米国では太陽電池メーカーの工場閉鎖や倒産が相次いでいる。貿易赤字や人民元の問題で緊張感が高まっている米中関係の新たな火種となる可能性がある。
提訴したのは、独太陽電池大手ソーラーワールドの米子会社ソーラーワールド・インダストリーズ・アメリカ(オレゴン州)など7社。結晶シリコン型の太陽電池が対象で、薄膜型の太陽電池や、太陽熱など太陽光発電以外の技術は含まれていない。
7社で組織する業界団体「コアリション・フォー・アメリカン・ソーラー・マニュファクチャリング(CASM)」の広報担当者によると、提訴対象には「かなり多くの中国メーカーが含まれている」。ただ、具体的な企業名は明らかにしていない。
ソーラーワールド米子会社のゴードン・ブリンザー最高経営責任者(CEO)は声明で「中国政府による法外な補助金で生産能力を増やしてきた中国メーカーは不当に安い価格の太陽電池を米市場に大量に押し込み、公正な市場価格や太陽電池産業に従事する労働者の雇用を脅かしている」と主張。「中国の行為は違法であり、食い止めなければならない」と訴えた。
CASMによると、今年1月から8月までの中国からの結晶シリコン型太陽電池の輸入額は16億ドル(約1230億円)で、すでに昨年1年間の輸入額を上回った。生産量のほぼ全量を海外に輸出する中国メーカーの攻勢により、世界の太陽電池価格は過去1年間で40%下落。提訴した7社は過去1年半の間に米国内の工場閉鎖などを余儀なくされ、「何千人もの雇用が失われた」という。
今年8月にはオバマ政権の「グリーン・ニューディール」政策のシンボルといわれた太陽電池メーカー、ソリンドラ(カリフォルニア州)など3社も相次いで経営破綻。米国勢の苦境ぶりが鮮明になっていた。
太陽電池
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