リビア:反体制派が首都攻略作戦、NATOも空爆実施

2011年8月21日 20時44分 更新:8月22日 1時1分

 【カイロ和田浩明】リビア反体制派は20日夜、最高指導者カダフィ大佐の最大拠点である首都トリポリの攻略作戦を開始した。市外からの攻勢に市内の反体制派も呼応。北大西洋条約機構(NATO)主導の空爆も実施された。政権側は「防御体制は強固」と主張し戦況は流動的だが、首都での戦闘は21日も続き、AP通信によると反体制派は首都西方約25キロの政府側軍事基地を確保。中東の衛星放送アルジャジーラは政権側の兵士31人が死亡したと伝えた。

 現地からの報道を総合すると、反体制派はトリポリの西方50キロのザウィヤや東方160キロのズリテン、南方100キロのガリヤンなどを確保して政府側の補給路を断つ包囲網を形成。AP通信によると、19日夜に海路で武器をトリポリ市内に運び込み、20日夜から少なくとも市内2カ所で反体制派が戦闘を開始した。包囲部隊も攻勢を強化してザウィヤから東進を図り、首都西方30キロの地点で政府軍と激しく衝突した。

 東部ベンガジの反体制派報道官はロイター通信に「作戦は始まった。トリポリの反体制派が蜂起した」と語った。攻略作戦は「地中海の人魚」とも言われるトリポリにちなんで「人魚の夜明け作戦」と呼ばれている。

 アルジャジーラによると、首都では反体制派が携帯電話会社を制圧したとの情報もある。一方、反体制派の戦闘員は「弾薬が不足している」と電話で語った。

 カダフィ大佐は21日未明、国営テレビで放送された音声メッセージで「ネズミ(反体制派)は人民に攻撃され排除された」と主張した。反体制派が一時制圧したと伝えられる東部の要衝マルサエルブレガでも、カダフィ派が反攻している模様だ。

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