マチュ・ピチュ
<2011.10.20>
雲が街々を美しく見せてくれるそんな街が今、目の前に広がっています。
よく見ているとその雲群は、山々をまるで自分の分身のように優しく包み、いつの世だったのか、人々と共存していただろう、石で積み重ねられた住居跡が、静寂の美の中に心地良く生き付いているかのように収まっています。段々に切り開いた地面は、緑色の芝のような生物でこれも又、見事なまでにこの場面を美の境地に連れて行ってくれます。
地球上には、まだまだ素晴らしい地があるようですネ。
「此処は何処なのだろう」
あなた様も私の傍にお呼びしたくなるのですが、お伝え人としてだけしか私は出来ません。お許し下さい。
建物の中に吸い込まれるように入って行くと、二階建てのはずなのに周りを見渡しても、階段が見付からない。この建造物の作り方は、個性豊かです。
場面が変わると、「ワンダフル」と苦手な横文字が出て来るのには苦笑したものの、人力の凄さには、目を奪われてしまう。石を計算して組み上げた段々畑らしき景色には、見惚れる以外何も出来ない。この山岳地帯でそれもこれほどの急斜面。人々はどのような思いで作り上げたのだろう。
でも、気になるものも発見。どうやら生贄の儀式が行われていたと思われる祭壇がある。手前には三つの窓が何を見ていたのか、空の青色をバックに時を重ねたのを見せてくれています。
耳を澄ませば鳥の声と、遠くで川のせせらぎも聞こえた気がした。
「此処は何処なの」と呟いてみると、
「マチュピチュ」と誰かが答えてくれた。
インカ帝国の面影を何処となく感じながら、一時を大昔へといざなってくれた気が致します。