ゲイシャ、フジヤマ、ポケモン、ドリフトだったわけだ

「学園モノや妊娠も!? エロゲの規制は陵辱系にとどまらない!?」 にゅーあきばこむ
http://www.new-akiba.com/archives/2009/06/post_18857.html

やばいっすよ。
そもそもの発端は、今年の五月頃、イギリス人の議員(イギリス人ってところも引っかかる)がamazonで日本のエロゲを買い、「んま!ウタマロの国ではこんなエッチぃゲームが子供にも買えるザーマス!女性の人権を無視しているザーマス!」と文句を付けたのが始まり。
つか、イヤならイギリスに入らないようにするべきであって、日本に文句を言う前に、自国の性犯罪発生率の高さをどうにかしたほうがいいんじゃありません?
(日本から見れば、人権保護団体様のいらっしゃるお国はぜんぶレイプ超大国ですね)
……という声も届かず、あっさり陵辱系ゲームは規制が入りましたとさ。

アニメ、エロ漫画、普通の漫画、最終的には小説にも規制の網をかけようとしている連中がいます。
つーか昔はこうでした。
「チャタレイ裁判」というのがあって、小説「チャタレイ夫人の肖像(伊藤整)」直接的な表現の箇所が数行に渡って、

*    *

って削除されちゃったんですよ!
ホントに、この記号で。今読むと滑稽でしょ。
ここまで戻る可能性もあるんです。
アニメとエロ漫画ってことは、BLは確実にアウトです。
ロリとショタの方はすでに規制が入り、商業出版が厳しくなってます。
連中は、単純所持まで解釈を拡げる考えだそうなので、下手したらBLだって「持ってるだけでタイホ」という世界が来るかもしれないんです。
都知事なんか、おっきおっきしたイチモツで襖を突き破るような小説を書いていたのにね……そんな元気な攻、やおいでも見ないよね……。
それ映画になって、夕ご飯時にちょうどその「襖パーン!パーン!パーン!」のシーンが流れて、我が家は凍り付いたものさ……。

なぜこんなことが起こったかというと……。
日本のコンテンツ産業というのは世界全体で無視できない規模にまで成長しています。中野ブロードウエイを貸し切ったハリウッドセレブもいらっしゃいましたよね。
20年ほど前は、アメリカに行くと、「カラテキッド(邦題ベストキッド)」のヒットを受けて、日本人と聞くやいなやレンガを割れだの板を割れだの演舞しろだの言われました。以前はゲイシャ、フジヤマ、スシテンプラ、が、今やゲイシャ、フジヤマ、ポケモン、ドリフトとなっていて、日本人と見るやいなや、「じゃあこの車でちょっとドリフトしてみて」と言われます(マジ)ポケモンできるかなとか、サイレントヒルの歌とか歌えと言われます(本当に)
ブロンクスで夜な夜なゼロヨンやってるんですよ。そんなの田舎の工業団地でやれよ!
とまあ、メインストームではない「サブカルチャー」がウケてしまったんです。

流行しているもののなかには教育的ではないものが含まれていますので、それを面白く思わない連中もたくさんでてきました。海外では、アニメや漫画って、小学校ぐらいで卒業するものだそうですしね。
とくに超保守的なキリスト教やイスラム教などの一神教の人たちにとっては、反社会的なドリフトなんかもちろん、日本のアニメのベースとなっている「多神教」や「自然と共生」の考えというのは邪教の教えもいいところなんですわ。
私らアニメ見たって「うーんアニミズム」「これはシャーマニズム」とは思わないけど、ガイジンから見れば気になるんだと思います。
イスラムではキリスト教徒との結婚はギリギリオッケーだけど、多神教の日本人との結婚の場合はイスラム教に改宗する必要があるほど、受け入れられてません。
山や木や川や沼、石や農機具や車やパソコンなど、そこらじゅう神様が宿りまくるような(よく考えると引くけど、工場で三が日にロボット休ませて、三方に御神酒のっけてるところ、結構見るよね)考えが蔓延されては困るわけなんです。
どーも世界を席巻しているスピリチュアルブームに頭を悩ませたキリスト教が、アニミズム的なものの力を削ごうとしているのかな?とも考えたりしてね。

ゲームはともかくとして、漫画や小説の場合は、国内だけでほぼ市場が成立しています。今回の件なんか、日本国内の流通しかしてないはずのソフトに、なぜイギリスの連中が文句を言ってくるのか、その点が問題でしょ。
エロゲでハァハァするのは日本の問題であって、イギリス人やアメリカ人にどうこういわれる話ではありません。つーかレイプ大国の人たちが、レイプの少ない国のレイプゲームにイチャモンをつけるってどういうことですか? 日本人はリアルなレイプを知らないレイプ後進国だから指導してくださると? お断りだ。
日本だけで盛りあがられるのがそんなに悔しいのかねえ、と思っていたら、どうやら日本のコンテンツ産業を狙う、英米以外の勢力もあるらしいんですわ。

保守的な英米としては、英米以外のコンテンツが伸びることがイヤだし、それ以外の日本が嫌いな国の人たちは、日本だけが情報を独占して一人勝ちするのがムカツクと。
友人の漫画家は、一部の国で出版契約しないことを日記に書いたら(差別的な考えからではなく、違法ダウンロードを嫌っての契約保留)、日本語の上手な人下手な人取り混ぜて、いろんな人から嫌がらせを受けてました。
エッチな漫画が一冊出版されないだけで、そんなに熱くなるって変じゃないですか?
漫画の違法ダウンロードに関して、アジアではかなりシリアスな状況で、狙われたら最後、こちらが出版の許可を与えなくとも、本は出ます。キチンと契約すれば印税が払われ、契約しなければ海賊版が出るだけです。
そして発売から一ヶ月経たないで、ブログなどに全頁載ってしまうのです。
どっかで見ましたけど、その国で翻訳されてないはずのラノベが、ファンサブの形で翻訳されてブログに掲載されてました。
かの国では、こんなふうに違法ダウンロードが横行し、プロでは食えなくなって、漫画産業自体が崩壊しました。ハリウッドの大手映画会社全部が、DVDの販売をやめて撤退するぐらいですから、そのダウンロード花盛りっぷりがいかほどなのか想像に難くないですね。
それなのにこれから国を挙げて、優良コンテンツを育成しようだなんて……どう考えたって無理でしょ。
その国には、「自分が食べられないご飯には灰を入れてやろう」という格言があるそうです。
自分の国のものにならない日本の漫画は、出版できないようにしてやろう——そう思っても変ではありません。

話を元に戻して。
今回の「アダルトゲーム規制に関する勉強会」を開いている政治家さんというのが、自民党の野田○子センセイ。
おや?蒟蒻畑の事件の時も、よくお名前を伺った方ですわね?
偶然だと思いますけど、蒟蒻畑が販売自粛になったとき、野田先生の地元企業がアレそっくりな蒟蒻ゼリーを出してきたこと、忘れませんよ〜。

私たちにできることは何か、っつうと、もうこれは選挙しかないわけです。
あそこでふんぞり返っている連中は、いちおう選挙によって選ばれている連中なので、私らが名前を書かなければあそこにいられない奴らなんですね。
だから、自分の選挙区の政治家が、どんな考えをもった人間なのか、よく調べて投票するしかないんです。
自民党でも児童ポルノ法に賛成しているヤツもいれば、民主党で反対している議員もいる(でも民主党は人権擁護法を持ち出しているので心配)
こういうことは政治家さんのホームページでもマニフェストとして書いている人もいますし、心配なら公民館などで対話集会があった時に話を聞く機会もあります。

しかし、バカだね。せっかく日本発の文化が世界で通用するかも知れないってのに。

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