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| 和歌山県 福祉保健部 健康局 難病・感 染症対策 課 |
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平成6年度に厚生省が実施した伝染病流行予測調査によりますと、昭和50年から昭和52年までに生まれた方々のポリオに対する抵抗力の有無を示す抗体の保
有率が低いことが判明しています。
(抗体保有率)
2 抗体保有率が低いことによる問題点は、次のとおりです。
◯ 両親に抗体がない場合、ポリオの生ワクチンの接種を受けた子供から、極めて稀でありますが感染する可能性があります。
ポリオに感染した人の便中にポリオウイルスが排泄され、これが口に入ることによって感染します。ウイルスに感染 しても、90〜95%の人は何ら症状が出ないで免疫ができます。5〜10%の人はカゼ様症状を呈し、感染者の0.1〜0.5%に麻痺が現れ、永久に麻痺が 残ったり、呼吸困難により死亡することがあります。
ポリオウイルスに感染すれば症状が出なかった方にも免疫ができます。また、ポリオワクチンの予防接種により免疫 ができた方についても同様です。免疫ができれば、ポリオにかかる心配はありません。
厚生省の流行予測調査事業(参考資料1)において、免疫を持っている人の割合(抗体保有率)は、現在19歳 〜21歳(昭和50年から52年生まれ)の方については、I型という種類の抗体保有率がやや低くなっている(昭和50年生・・56.8%、昭和51年 生・・37.0%、昭和52年生・・・63.8%)ことが明らかになっています。
日本にはポリオウイルスはいないと判断されていますが、免疫を持っていない方が、ポリオ常在国(患者発生状況に
ついてはWHO報告「各国のポリオ発生状況」参考資料2参照)に旅行した場合、ポリオに感染し発症する可能性があります。
ポリオウイルスに感染した場合、200人から1,000人のうち1人の割合で麻痺が現れています。
また、現在、接種されているポリオワクチンウイルスは体外に排泄されます。このワクチンウイルスが人から人へと うつっていく間に、弱めた毒性があともどりして強い力を持つようになり、発症するという可能性があります。日本でワクチン投与(乳幼児に投与)に関連して 発生したと思われる麻痺患者の割合は、約200万回の投与に1人で、その内訳は、接種を受けた本人に関しては約400万回の投与に1人、接種を受けた者か ら感染し、免疫を持っていない家族等が麻痺をおこした人に関しては約500万回の投与に1人などとなっています。
以上ポリオ及びポリオワクチンの概略について説明いたしましたが、これらをごらんの上さらに5の接種を受ける場
合の注意事項をご参考の上、接種を希望される方については、次に示す時期に、ポリオワクチンの予防接種を受けられることが適当です。(免疫効果、副反応に
ついては3、4で詳述)
| 昭和50年から52年に生まれた方で、 1 ポリオウイルス常在国に渡航される時 2 お子さまがポリオワクチン接種を受ける時(受ける時期はお子さまと同時期) |
なお、希望により、抗体検査実施後、予防接種を受けることも可能ですし、抗体を有している方が予防接種を受けた としても、特に副反応の発生する率が高くなるということはありません。上記年齢以外の方についても希望されれば、予防接種を受けることも可能です。
以上の場合の予防接種は法律に基づくものではなく、任意接種の対象となりますので、自費で接種を受けることにな ります。
なお、以下に免疫効果、大人に対する副反応等について詳しく説明します。
ポリオ生ワクチンによる抗体保有率は、平成6年度の流行予測調査事業によれば、1回投与の場合はI型で92%、 II型で99%、III型で66%、2回投与の場合はI型で98%、II型で99%、III型で87%となっています。
ある型について免疫がなくても、別の型の免疫を有していれば、その型に対する免疫効果もある程度有していると考 えられ、2回の予防接種を受けていれば、必要な免疫を得られると考えられています。
なお、子供の時にポリオの予防接種を2回受けていれば、今回の追加接種は1回で必要な免疫が得られると考えられ ます。
ポリオ生ワクチンは副反応のほとんどない安全なワクチンですが、接種を受けた方又は接種を受けた方の家族等で免 疫のない方が、きわめて稀に、生ワクチンのために起こったのではないかと考えられるような麻痺を起こす例があります。
その割合は、2で述べたとおりですが、これは乳幼児に接種した場合の結果ですので、大人への投与によって副反応 がどの程度生じるかはよくわかっていません。
なお、1984〜1985年にかけてフィンランドでポリオが約20年ぶりに流行した時に、1985年に全人口 (約480万人)の96%に対して、ポリオ生ワクチンの予防接種が行われましたが、大人にも子供にもワクチンによって麻痺が発生したという報告はありませ んでした。
また、1994年、1995年に自衛隊員がPKOで海外派遣される時に、約7,400人の方がポリオ生ワクチン の予防接種を受けましたが、副反応の報告はありませんでした。
なお、30歳を越えると麻痺出現率が高くなると記載されているテキストブックもありますが、この記載は根拠に乏 しいとする意見もあります。
最寄りの保健所もしくは市町村の予防接種担当課あてご照会いただきますようお願いします。
もし、ポリオワクチンの接種により健康被害が生じた場合には直ちに医師に相談して下さい。
市町村が行う定期の予防接種の対象者以外の方が行う予防接種は、予防接種法に基づくものではないため、健康被害の救済に関しては、独立行政法人医薬品医
療機器総合機構(TEL:03−3506−9506)へご相談下さい。
| このページに関するお問い合わせ TEL:073-441-2643 (難病・感染症対策課 感染症対策班) |
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