和歌山情報館トップページに戻る
トップページ > 課・室一覧 > 難病・感染症対策課 > 予防接種について > ポリオ予防接種について

  和歌山県 福祉保健部 健康局 難病・感 染症対策 課

 

和歌山県情報館へ難病・感染症対策課へ


昭和50年から昭和52年生まれの方々に対する
ポリオ予防接種について


1 平成6年度に厚生省が実施した伝染病流行予測調査によりますと、昭和50年から昭和52年までに生まれた方々のポリオに対する抵抗力の有無を示す抗体の保 有率が低いことが判明しています。

(抗体保有率)

・昭和50年生まれ 56.8%
・昭和51年生まれ 37.0%
・昭和52年生まれ 63.8%
※ 他の年代の方については、概ね80〜90%の抗体保有率を示しています。

2 抗体保有率が低いことによる問題点は、次のとおりです。

◯ ポリオ常在国に渡航した場合、渡航先で感染する可能性があります。


◯ 両親に抗体がない場合、ポリオの生ワクチンの接種を受けた子供から、極めて稀でありますが感染する可能性があります。

3 昭和50年から昭和52年に生まれた方には、次の時は、再度ポリオワクチンの予防接種を受けられることをお勧めします。
(1) ポリオ常在国に渡航される時
(2) お子さまがポリオワクチンの予防接種を受ける時
4  なお、本件についてご心配な点がございましたら、県庁難病・感染症対策課(073-441-2643)、保健所及び市町村の予防接種担当課あてご照会いた だきます ようお願いします。

ポリオワクチンの追加接種について


1 ポリオ(小児まひ)について

 ポリオに感染した人の便中にポリオウイルスが排泄され、これが口に入ることによって感染します。ウイルスに感染 しても、90〜95%の人は何ら症状が出ないで免疫ができます。5〜10%の人はカゼ様症状を呈し、感染者の0.1〜0.5%に麻痺が現れ、永久に麻痺が 残ったり、呼吸困難により死亡することがあります。

2 ポリオに対する免疫について

 ポリオウイルスに感染すれば症状が出なかった方にも免疫ができます。また、ポリオワクチンの予防接種により免疫 ができた方についても同様です。免疫ができれば、ポリオにかかる心配はありません。

 厚生省の流行予測調査事業(参考資料1)において、免疫を持っている人の割合(抗体保有率)は、現在19歳 〜21歳(昭和50年から52年生まれ)の方については、I型という種類の抗体保有率がやや低くなっている(昭和50年生・・56.8%、昭和51年 生・・37.0%、昭和52年生・・・63.8%)ことが明らかになっています。

 日本にはポリオウイルスはいないと判断されていますが、免疫を持っていない方が、ポリオ常在国(患者発生状況に ついてはWHO報告「各国のポリオ発生状況」参考資料2参照)に旅行した場合、ポリオに感染し発症する可能性があります。
 ポリオウイルスに感染した場合、200人から1,000人のうち1人の割合で麻痺が現れています。

 また、現在、接種されているポリオワクチンウイルスは体外に排泄されます。このワクチンウイルスが人から人へと うつっていく間に、弱めた毒性があともどりして強い力を持つようになり、発症するという可能性があります。日本でワクチン投与(乳幼児に投与)に関連して 発生したと思われる麻痺患者の割合は、約200万回の投与に1人で、その内訳は、接種を受けた本人に関しては約400万回の投与に1人、接種を受けた者か ら感染し、免疫を持っていない家族等が麻痺をおこした人に関しては約500万回の投与に1人などとなっています。

 以上ポリオ及びポリオワクチンの概略について説明いたしましたが、これらをごらんの上さらに5の接種を受ける場 合の注意事項をご参考の上、接種を希望される方については、次に示す時期に、ポリオワクチンの予防接種を受けられることが適当です。(免疫効果、副反応に ついては3、4で詳述)
 

昭和50年から52年に生まれた方で、
1 ポリオウイルス常在国に渡航される時
2 お子さまがポリオワクチン接種を受ける時(受ける時期はお子さまと同時期)

 なお、希望により、抗体検査実施後、予防接種を受けることも可能ですし、抗体を有している方が予防接種を受けた としても、特に副反応の発生する率が高くなるということはありません。上記年齢以外の方についても希望されれば、予防接種を受けることも可能です。

 以上の場合の予防接種は法律に基づくものではなく、任意接種の対象となりますので、自費で接種を受けることにな ります。

 また、抗体検査費用についても同様に自費となります。

 なお、以下に免疫効果、大人に対する副反応等について詳しく説明します。

3 ワクチンの免疫効果について

 ポリオ生ワクチンによる抗体保有率は、平成6年度の流行予測調査事業によれば、1回投与の場合はI型で92%、 II型で99%、III型で66%、2回投与の場合はI型で98%、II型で99%、III型で87%となっています。

 ある型について免疫がなくても、別の型の免疫を有していれば、その型に対する免疫効果もある程度有していると考 えられ、2回の予防接種を受けていれば、必要な免疫を得られると考えられています。

 なお、子供の時にポリオの予防接種を2回受けていれば、今回の追加接種は1回で必要な免疫が得られると考えられ ます。

4 大人に対するポリオ予防接種の副反応について

 ポリオ生ワクチンは副反応のほとんどない安全なワクチンですが、接種を受けた方又は接種を受けた方の家族等で免 疫のない方が、きわめて稀に、生ワクチンのために起こったのではないかと考えられるような麻痺を起こす例があります。

 その割合は、2で述べたとおりですが、これは乳幼児に接種した場合の結果ですので、大人への投与によって副反応 がどの程度生じるかはよくわかっていません。

 なお、1984〜1985年にかけてフィンランドでポリオが約20年ぶりに流行した時に、1985年に全人口 (約480万人)の96%に対して、ポリオ生ワクチンの予防接種が行われましたが、大人にも子供にもワクチンによって麻痺が発生したという報告はありませ んでした。

 また、1994年、1995年に自衛隊員がPKOで海外派遣される時に、約7,400人の方がポリオ生ワクチン の予防接種を受けましたが、副反応の報告はありませんでした。

 なお、30歳を越えると麻痺出現率が高くなると記載されているテキストブックもありますが、この記載は根拠に乏 しいとする意見もあります。

5 接種を受ける場合の注意事項

(1)接種を受けることが適当でない方

・明らかな発熱を呈している方
・重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
・当該疾病にかかる予防接種の接種液の成分によって、アナフィラキシーを呈したことが明らかな方
・妊娠していることが明らかな方
・下痢をしている方
・その他、予防接種を行うことが不適当な状態にある方
(2)接種をするかどうかの判断に際し、注意を要する方
・心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患及び発育障害等の基礎疾患を有していることが明らかな方
・予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた方、又は全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方
・過去にけいれんの既往のある方
・過去に免疫不全の診断がなされている方及び近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
・接種しようとする接種液の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある方
(ポリオワクチンには弱毒化したポリオウイルスに白糖、ゼラチン、硫酸ストレプトマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイ シン、フェノールレッドが添加されています。)

6 予防接種が実施できる機関

最寄りの保健所もしくは市町村の予防接種担当課あてご照会いただきますようお願いします。

7 副反応があった場合の措置について

 もし、ポリオワクチンの接種により健康被害が生じた場合には直ちに医師に相談して下さい。
 市町村が行う定期の予防接種の対象者以外の方が行う予防接種は、予防接種法に基づくものではないため、健康被害の救済に関しては、独立行政法人医薬品医 療機器総合機構(TEL:03−3506−9506)へご相談下さい。


このページに関するお問い合わせ
 TEL:073-441-2643 (難病・感染症対策課 感染症対策班)

和歌山県情報館へ難病・感染症対策課へ

このページ上部に戻る↑
© Wakayama Prefecture