現代自の販売、米国市場で急ブレーキ

日米メーカー攻勢で

 米フロリダ州ニューポートリッチーの国道には、4車線道路を挟んで、一方には現代自動車、もう一方にはトヨタと日産のディーラーがある。現代自ディーラーの経営者、フィンクさん(50)は「2カ月前からトヨタに客を奪われている」と話した。トヨタの店頭では2011年型カムリを4200ドル(約32万3000円)割引販売しているほか、ローンを組んだ場合には5年間、無利子扱いとし、さらに1500ドル(約11万5000円)の値引きを行っているという。これに対し、現代ソナタは最大でも1000ドル(約7万7000円)相当分の特典しかないという。フィンクさんは「ソナタやアバンテは依然人気だが、最近は契約金100ドル(約7680円)を放棄してまで、トヨタにくら替えする顧客もいる」と話した。

■競合各社、キャンペーンで波状攻撃

 ニュージャージー州イングルウッドで不動産業を営むポール・プルトラックさん(48)は最近、現代自のディーラーにちょっと立ち寄っただけで、すぐにシボレーのディーラーへと足を向けた。ソナタのライバル車種に当たる新型マリブは3600ドル(約27万7000円)も値引きするのに、ソナタは全く値引きがないからだった。プルトラックさんは「マリブは3年ローンで、キャッシュバックまである。条件が似通っていれば、値引き幅が大きい方に引かれて当然だ」と話した。

 米国市場では今年5月、現代・起亜自動車のシェアが過去最高の10.1%に達した。それからわずか3‐4カ月で雰囲気は一変した。ジョージア州ウエストポイントの起亜自工場では、1万台収容のヤードにある出荷待ち車両が7月時点では2000台しかなかったが、今月には2500台に増えた。

 起亜自関係者は「出荷待ちの車が増えたことからみて、起亜自ブームが下火になったようだ。状況を注視している」と話した。

■GM・トヨタの反撃

 現代・起亜自のシェアは、ホンダや日産に奪われた。ホンダと日産の合計シェアは9月に1.1ポイント上昇した。ゼネラルモーターズ(GM)とクライスラーも先月、販売がそれぞれ20%、27%伸びた。日本メーカーは大地震以降落ち込んだ販売の挽回を図るため、金融危機で本丸に攻め込まれた米国メーカーは主導権の奪還を図るため、それぞれ攻撃的に値引き攻勢をかけ、新モデルを投入している。

金垠廷(キム・ウンジョン)記者
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