福島県内の各地でコメの出荷が始まるなか、農協が、独自に検査機器を購入したり、専門機関に依頼したりして、県の「本検査」よりきめ細かな検査を行う動きが広がっています。
このうち、県内で最も作付け面積が大きい、郡山市のJA郡山市は、検査機器を5台購入し、今月15日から検査を始めました。県の「本検査」では郡山市内は62地点だったのに対し、JA郡山市は、15ヘクタール当たり2地点という基準で、県の検査のおよそ18倍に当たる1095地点で検査しています。そして、検査も2段階で行い、まず玄米で確認したあと、精米された白米でも検査しています。さらに、県の基準の1時間当たり500ベクレルより厳しい、200ベクレルという基準を設け、こうした取り組みを書き込んだ書類を、コメを販売している卸し先に送り、アピールしています。この書類によって、卸し先の業者も納得し、風評被害を受けることもなく、価格を下げずに販売することができているということです。JA郡山市の農業復興支援センターの橋本敏明センター長は、「生産する農家や消費者の要望を受けて、独自の検査を始めた。多くのコメを扱うので、安全だということをしっかり確かめていきたい」と話していました。