元暴力団員であることを理由に生活保護申請を却下され、市を相手に処分の取り消しを求めた訴訟で勝訴した宮崎市の男性(60)が17日、市の控訴に対して抗議し、市役所で記者会見した。
男性の訴えを認めた3日の1審・宮崎地裁判決を受け、本人と、支援者の市民団体「市生活と健康を守る会」のメンバーが戸敷正市長と市福祉事務所長あてに抗議する文書を提出した。同会の橋口寛事務局長は「市は判決を深刻に受け止めておらず、生活保護行政への不安を覚えている」と話し、生活保護法に基づいて適切に処理すれば男性への生活保護は支給されるはずだと主張。「市はなぜこういう判決が出たのか検証し、(暴力団を)脱退して再生しようとしている人に手を差し伸べるべきだ」と訴えた。
男性は「暴力団との付き合いは一切ないのに、まだ組員だと考えられていると思うと悔しい。今後、署名運動をやって市民に訴えたい」と話した。【川上珠実】
毎日新聞 2011年10月18日 地方版