2011年8月20日 20時39分 更新:8月20日 22時9分
東京電力は20日、福島第1原発で発生した高濃度の放射性汚染水を浄化するシステムに新たに導入した東芝製の新装置「サリー」で、放射性物質の濃度が約5万分の1に減ったと発表した。
東電によると、放射性物質のセシウム137は、処理前の1立方センチあたり130万ベクレルから同23ベクレルに減少した。サリーは、既に稼働している米キュリオンと仏アレバの処理装置とは別系統で、汚染水の移送先となっている集中廃棄物処理施設のうち一つの建屋にたまった汚染水を単独で処理している。予定通り1時間あたり25トンを処理しており、順調にいけば9日間でこの建屋にたまった汚染水が全量処理できる計算だ。21日から3号機タービン建屋にたまった汚染水を引き込んで処理する。
東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「比較的順調に運転している。キュリオン、アレバと組み合わせて汚染水を目標の水位まで下げたい」としている。
また20日、4号機の使用済み核燃料プールの冷却水に含まれる塩分を除去する装置の本格運転を開始した。計画では25分の1の濃度まで下げる。【久野華代】