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悩める40代 あきらめるな

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次回作「ゾンビアス」も完成している井口昇監督

■「電人ザボーガー」井口昇監督

 37年前のテレビ特撮ヒーロー活劇を映画化した「電人ザボーガー」が15日から公開される。昭和の香りを残すオリジナルの魅力を再現し、ヒーローの「その後」まで描いた笑いあり涙ありの熱血アクションに仕上がっている。

 ザボーガーは「マグマ大使」「スペクトルマン」などを手がけたピー・プロダクションの制作で1974年から放送された全52話の特撮ドラマ。当時人気の空手アクションとバイクから変形するロボットを組み合わせた異色作だったが、大ヒットには至らず、一部に愛されるカルト的な作品として知られる。

 「放映時は5歳。最初に買ってもらったのがザボーガーの人形でした。ロボットの顔がついたバイクが『変身』するのも、子供心に強烈なインパクト。自分がリメークするのも宿命かなと思った」と脚本も担当した42歳の井口昇監督は語る。

 映画は主人公・大門豊(青年期・古原靖久、壮年期・板尾創路)と秘密組織シグマの25年越しの戦いを描く。後半は正義とは何かに悩み、挫折した中年・大門の再生の物語。あっと驚く因果話も交えて、コミカルかつシリアスに展開する。

 特撮ファンだけでなく、作品を知らない人にも共感してもらえるよう、主人公とロボットをめぐる絆のストーリーを飛躍させ、25年後の姿を設定したという。「最近、何かと男たちは疲れてますよね。自分も含めた悩める40代に、もう一度元気を取り戻してほしい、あきらめるな、というメッセージを込めています」

 井口作品といえば、腕にマシンガンを装着した少女が壮絶な復讐(ふくしゅう)を果たす代表作「片腕マシンガール」をはじめ、「過激なキワモノ」的なイメージがついてまわるが、「常識がわかっていなければ、非常識は描けない。くだらないと思われるギャグも、かなり精神の深いところまで降りていった葛藤から生まれてくる。まじめな部分が根っこにあるんです」と話す。

 アクションからお色気、血しぶきにギャグの数々。「実家は駄菓子屋」という監督のルーツが、ごった煮的なサービス精神に満ちた井口ワールドを育てたのかもしれない。

 今年1月のロッテルダム映画祭での世界初公開に続き、海外での上映が先行。9月にあった米・テキサス州の映画祭「ファンタスティック・フェスト」では、本作で監督賞を受賞した。「どこでも意外と好評で驚きます。英語はほとんど話せないが、身ぶり手ぶりで何となくファンとコミュニケーションできちゃう。オタクは国境を超えるのを実感しました」(山内浩司)

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