朝鮮戦争:戦死者の命の価値、わずか330円?

戦死者遺族、政府補償金に「侮辱」と反発

 今回の決定について、報勲処は、過去の軍人死亡給与の規定によると、Kさんの兄に対する補償金は5万圜(ファン=韓国の旧貨幣単位)で、これを現在のレートに換算すると、5000ウォンになると説明した。物価上昇分を考慮せず、1953年の貨幣改革時の換算レート(10圜=1ウォン)をそのまま適用し、単純に換算したものだった。

 与党関係者は「これまで民主化運動の補償で、数億ウォン(数千万円)の補償金を支払ってきたのだから、政府は国を守るために戦い、命を失った国軍兵士にも相応の補償を行うべきだ。それが5000ウォンとは話にならない」と批判した。

 民主化運動補償審議委員会は、2000年から今年4月までに、民主化運動の死者および負傷者計752人に計400億ウォン(約27億円)の補償金を支給した。1人平均の補償額は5300万ウォン(約354万円)となる。

 別の関係者は「スパイにも数千万ウォン(数百万円)の定着資金を支給しているのに、韓国戦争の戦死者にこのようなひどい扱いをするのは恥ずかしいことだ」と話した。

 今回の決定は、2009年に日本政府が太平洋戦争当時に勤労挺身隊として連行した韓国人女性に対し、厚生年金脱退手当として、1人当たり99円を支払った例と似ている。当時、日本の社会保険庁は「現行法では当時の通貨価値で脱退手当を支払うことになっている」との理由を説明した。

 韓国政府の関係者は「これら二つの例は、物価上昇などの現実を無視し、規定を機械的に適用した点が共通している」とした上で「補償基準の作成は考慮すべき事柄が多く、困難な作業だ。報勲処と国防部による責任のなすり合いが起こったことも、報勲処の決定もそういう理由がある」と話した。

 権益委中央行政審判委は16日「韓国戦争の戦死者遺族を再び傷つけることのないよう、報勲処に対し合理的で現実的な補償基準を設けるよう勧告した」と説明した。同委の決定は政府内部で拘束力を有する。

チョ・ベッコン記者
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