諫早湾 環境影響の準備書公表
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諫早湾 環境影響の準備書公表

10月18日 12時58分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

長崎県諫早湾の干拓事業を巡って、農林水産省は、事業と漁業被害の関係を確かめる開門調査の実施に向けて、環境影響評価の準備書を公表し、政府の方針である排水門を一部に限って開ける方法では、農業用水の確保などに合わせて82億円の対策費が必要だとしています。

諫早湾の干拓事業を巡って、政府は、事業と漁業被害の関係を確かめるための開門調査を、再来年12月までに行う方針を決めており、18日、調査の実施に向けた環境影響評価の準備書を公表しました。それによりますと、政府がすでに表明している、排水門を一部に限って開ける方法では、堤防の内側にある干拓地で農業用水が利用できなくなるため、代わりの水源の確保が必要だとしています。また、漁業についても、開門によって海水が濁るようになり、かきの養殖やあさり漁などに影響が出るおそれがあるとしています。このため準備書では、排水門の開け閉めをより緩やかに行うことで濁りの発生を抑えるとしているほか、代わりの水源として地下水を利用するなどとしており、対策費として合わせて82億円が必要だとしています。これについて、鹿野農林水産大臣は、閣議のあとの記者会見で「開門調査を巡っては、防災や営農の観点から支障がないよう、万全を期す必要があり、地元と誠心誠意、話し合いを進めたい」と述べました。農林水産省は、長崎県をはじめ関係する各県などから意見を聞いたうえで、来年6月をめどに環境影響評価書として公表する方針です。