ウオーキングをする玉田=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(伊東朋子撮影)
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名古屋グランパスのFW玉田圭司(31)が2アシストで勝利に貢献した15日のG大阪戦(瑞穂陸)で、ピッチ外でも好アシストを決めていた。3月の東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の小友中学校の生徒らにエールを送っていたのだ。チームは17日、練習休日で大宮戦(22日・NACK5)に向けて疲労回復を図った。
両チームが激しく攻め合った天王山の一戦を終えた玉田は、ピッチ脇で待っていた小友中の生徒らに大きな拍手で迎えられた。「ビデオレターをくれた玉田選手が本当に来てくれた」と歓声が上がった。一緒に記念撮影をして頭をなでられた男子生徒は「一生の思い出になる」と感激しきり。玉田自身も「僕が行っただけであんなに喜んでもらえるなんて」と逆に勇気づけられた。
3月の東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市の行政機能を回復させようと、名古屋市は4月から市の職員を派遣している。その縁もあり、8月から陸前高田市の中学生を名古屋に招待するプロジェクト「陸前高田の中学生の皆さん、名古屋においでよ!」を開始。グランパスがこれに協賛し、名古屋訪問日程がホームのG大阪戦と重なった小友中の生徒ら50人を招待した。
遠く離れた陸前高田市の中学生が玉田の登場をこれほど喜ぶのには理由がある。玉田から2回も激励のメッセージが届いているのだ。1度目は、名古屋市がプロジェクト開始した直前、陸前高田市の全中学校に向けたビデオレターに出演。2度目は、14〜16日に名古屋を訪れ、G大阪戦を観戦することになった小友中に向けた個別のビデオレターで「試合を楽しんでください」と直接メッセージを送った。
玉田は今年初めに故郷・千葉県の子どものためにチャリティーイベントを実行。東日本大震災の被害にも心を痛め、クラブが行った震災後のチャリティー抽選会に昨年のW杯南アフリカ大会で着用したユニホームなど思い出の品を出展し、義援活動にも熱心だった。
右足首痛を抱えている玉田は主力組がクールダウンした16日、ウオーキングのみで練習を終えた。「正直痛みはある」と話すが、被災地の子どもたちの声援も力になった。22日の大宮戦(NACK)にできる限りいい状態で試合に臨めるように努める。
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