新しく始まる「数学」という科目でうまくスタートをきるポイントは 1. はやめにスタートする 2. 自分で考える. 3. 演習を中心に学習する の3点です.この3点に注意して学習することによって,中学数学を1年間で楽しく習得しようというのが数理科学研究会のカリキュラムとなっています. 1.早めにスタートをきる 新中学1年生が数学を学ぶ上で「最も大切なこと」は「はやめにスタートをきること」です.毎年2学期になってから数理科学研究会に入会を希望する人がいますが,その頃にはすでに中学3年生の範囲を学習しているため,その時期から数理研の授業についてくるのには余分な努力が必要となります.「せっかく中学入試が終わったんだから」という気持ちはわかりますが,週に1回授業に出席して,あと1日復習し,もう1日で宿題をこなすだけで6月の終りには楽々中学2年の終りくらいまでの力がつくのです.逆にこれを怠って遊んでいると,塾に行っている友達との進度の差がどんどん開いていって,「別に数学がそんなにできなくてもいいや.」という気持ちになりがちです. 数理科学研究会では中学3年分の数学を中1の1年間で終了します.一見すごく早く見えるかもしれませんが,多くの生徒にとって,この進度は決して早いものではありません.中学入試を経験している人は連立1次方程式ならすでに解けるという人も少なくないはずです.そういう人は代数についてはすでに中2までの内容がほとんど終わっているのです! 中学数学の特徴を生かした演習を中心とした学習法を使えば,1年間で誰もが無理なく中学数学を理解することができます. 2.自分で考える 中学数学を学ぶには「教えてもらうこと」を中心とするような学習法はあまりよい方法ではありません.むしろ,自分自身で疑問点をもって,理解を引き出し,徹底した演習によって定着するという学習法が能率的です.「勉強」というと,机の前にじっとすわって本を何度も読むというような印象があるかもしれませんが,算数や中学数学に対してはそれは有効な学習法とはいえません.定義・定理・証明を教え諭すような「外」からの指導は高校以後の数学では重要ですが,中学数学は自分自身の「頭の中」でちゃんと考えるように教えてもらうのが大切なのです.あくまでも,自分の頭で考え,自分の手で計算し,問題を解くという態度が何より重要です. 3.演習を中心に学習する 算数を勉強しているときに,自分で計算して,自分で答案をかいてみてはじめていろいろなことに気づいたという経験をもっている人は多いのではないでしょうか? それから,漢字を覚えるのに何度も同じ字を書くのは誰もが経験していることと思います.数学でも同じことで,自分だけの力で問題を解けるようになってはじめていろいろなことを理解できるようになるし,理解したことを定着するには問題演習が最も有効です. たしかに,数学は考える科目ですが,考える科目だからといって覚えることが全くないわけではありません.そして,「考える力」,「覚えておくべき内容」を効率的に身につけるためには「演習」が最も有効です.数理科学研究会では,授業内に何回もテストがあると同時に,テーマに応じて毎週100題のとても簡単な宿題があります.数学がいくら考える科目だといっても,勉強した内容をしっかりと身につけておくためには計算や簡単な練習問題はとても重要なのです.このことを忘れては絶対に実力はつきません. |