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RSウイルス感染症 大流行か

10月18日 14時26分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス感染症の患者が、都市部を中心に引き続き増え、国立感染症研究所は、これまでで最も大きな流行になるおそれがあるとして、特に赤ちゃんのいる家庭では手洗いなどの予防策を徹底するよう呼びかけています。

RSウイルス感染症は、毎年、冬場にかけて主に乳幼児で流行する発熱やせきなどの症状が出る病気で、初めて感染した場合は、肺炎や脳症を引き起こして重症化することがあります。

国立感染症研究所によりますと、今月9日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者の数は、28の道府県で前の週を上回って1969人となり、去年の同じ時期の2倍近くになっています。平成15年に調査を始めてから、この時期としては最も多く、研究所は今後、さらに患者が増え、これまでで最も大きな流行になるおそれがあるとしています。

都道府県別にみると、大阪府が179人で最も多く、東京都が143人、愛知県が110人など、都市部を中心に全国的に広がりつつあります。国立感染症研究所の安井良則主任研究官は「ことしは特に1歳以下の患者が多く、全体の70%以上を占めている。特に赤ちゃんのいる家庭では、親や兄弟が感染していることに気付かずにうつしてしまうケースが多いと考えられるので、手洗いのほか、せきやくしゃみの飛まつを浴びせないなどの予防策を徹底してほしい」と呼びかけています。

RSウイルス感染症は、主にくしゃみなどによる飛まつ感染や接触感染でうつり、発熱や鼻水、せきなど、かぜのような症状を引き起こします。年齢を問わず何度でも感染を繰り返し、大人は鼻かぜ程度の軽い症状で済みますが、乳幼児が初めて感染したときは、肺炎や脳症を引き起こして重症化する場合もあります。中でも、生後間もない赤ちゃんは、肺など呼吸器の発達が不十分なことから、無呼吸状態になって突然死につながるおそれがあり、特に注意が必要だとされています。生後6か月程度までは、はしかや風疹などの感染症に対しては、胎盤や母乳を通じて、母親から受け取った免疫の仕組みが働きますが、RSウイルスには無効で、生後すぐから感染するということです。このため、1歳未満の乳児の場合、RSウイルス感染症による10万人当たりの死亡率は、インフルエンザの2倍以上に上るとされています。