同県に5か所ある主要工業団地すべてが洪水被害を受け、生産設備は深刻な打撃を被った。浸水地域はバンコクの一部にも広がっており、タイ政府は政府機関や商業施設が集中する首都中心部への流入阻止に全力を挙げている。
新たに冠水したのは、メッキ工場など日系5社も操業するファクトリー・ランド工業団地。日系の被害企業は、自動車メーカーのホンダのほか、中小の部品メーカーなど約320社に及んでおり、生産の停止や混乱は長期化しそうだ。被害を免れた米系自動車メーカーも、部品メーカーが被災したため操業を休止しており、東日本大震災の影響から立ち直りつつあった世界のサプライチェーン(部品供給網)に再び悪影響を与えている。