関門海峡フェリー休止へ 彦島・荒田−小倉・日明結び40年
2011年10月14日(金)掲載
下関市と北九州市を結ぶ関門海峡フェリー。11月末で運航休止になる=13日午後2時10分ごろ、下関市彦島迫町
40年にわたって下関市彦島の荒田港と北九州市小倉の日明港(ひあがりこう)を結んできた定期カーフェリー航路が11月末で運航休止になる。運営する下関市彦島迫町の関門海峡フェリー(南隆美社長、従業員18人)が13日に発表した。燃油価格の高騰に加え、高速道路の割引拡大などで利用者の減少が続き、経営状況の改善が見込めなくなった。
関門海峡フェリーによると、航路は1971年に開設。76年から同社が事業を引き継ぎ、2隻体制で毎日34往復してきた。利用車両数はピーク時の90年度には43万台だったが、昨年度は16万8千台までに落ち込んだ。2007年6月からは1隻体制で毎日17往復になっている。
東京、大阪とを結ぶ長距離フェリーが90年代に日明港から北九州市新門司港に拠点を移したため、乗り継ぎ利用がなくなって業績が悪化。燃油価格の高騰から2005年、06年に料金の値上げに踏み切る一方、競合する関門自動車道でETC(自動料金収受システム)割引拡大、関門国道トンネルで料金値下げが実施され、利用者減に歯止めをかけることができなくなったという。
同社は12日に航路事業の休止届出書を国交省九州運輸局に提出。フェリー事業の譲渡を視野に入れながら残務整理を進めるとしている。従業員は全員解雇し、希望者には再就職を支援する。13日に同社で会見した南社長は「極めて厳しい収支状況で営業の継続が不可能になった。利用していただいている方々には申し訳ない」と語った。
回数券は11月末まで使用できるが、港窓口で払い戻しにも応じる。問い合わせは同社(TEL083・266・6371)へ。
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