医療過誤:体内にガーゼ残し感染症、除去手術 佐賀大病院

2011年10月18日 10時56分 更新:10月18日 10時58分

 佐賀大病院(佐賀市)で6年前、県内の60代男性患者の心臓手術の際に止血用ガーゼ(20センチ四方)を体内に取り残した医療過誤で、同病院は17日、ガーゼによって感染症を引き起こし病状が一時悪化したため、男性に除去手術を実施したと発表した。現在、容体は安定しているものの、予断を許さず集中治療室に入っているという。

 同病院によると、医療過誤の発表から2日後の今月9日に男性が高熱を発生。腎機能低下や心不全を起こしており、多臓器不全症の恐れがあったため、14日に再手術し、ガーゼやそれを取り巻く腫瘤(しゅりゅう<こぶ>)を除去した。心不全や腎機能は改善したが、今後も感染症の再発などを引き起こす可能性があるという。

 同病院は今月7日、男性の心臓の裏にガーゼが残され、腫瘤ができているため9月下旬に入院したと医療過誤を発表。心臓に近くリスクが高いことから、除去手術をせずに抗生物質投与で炎症を抑えるなどしていた。

 宮崎耕治院長は「危険の高い再手術に至ってしまい、患者と家族に苦渋の決断を迫ることになり申し訳ない」とコメントした。【田中韻】

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