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パンダ貸与 駐日大使、前向き 仙台市長「子どもに元気を」
仙台市が中国にジャイアントパンダの貸与を要望していることについて、程永華駐日大使は17日、訪問先の宮城県南三陸町で、「具体的な話はこれからだが、個人的には貸与が実現できるよう努力したい」と話した。また、奥山恵美子市長は同日、「パンダで、被災地の子どもたちを元気づけたい」と期待を込めた。 南三陸町役場仮庁舎で、程大使と会談した佐藤仁町長は「パンダが来れば、大津波を目の当たりにして傷ついた子どもたちに元気を与えられる。被災地の首長としてもお願いしたい」と訴えた。 大使は、温家宝首相が5月、被災地の避難所を訪問した際、子どもたちにパンダの縫いぐるみをプレゼントして喜ばれたことに触れ、「東北の皆さんに元気を与えられるよう政府に働き掛けたい」と話した。 奥山市長は9月上旬、日中友好協会会長の加藤紘一元自民党幹事長(衆院山形3区)と中国大使館を訪ね、程大使に口頭でパンダの貸与を要望している。程大使は当時、「ワシントン条約などで動物の移動には難しい面もあるが、市長の気持ちは政府に伝えたい」と答えたという。 仙台市は八木山動物公園(太白区)で、つがいの飼育を希望している。奥山市長は、貸与実現までの時間について「生育環境を整えたり、飼育技術を学んだりするなど丁寧な準備が求められる。2、3年という時間が必要ではないか」との見通しを示した。 パンダ貸与の費用負担に関しては「今は具体的な条件以前の話。レンタル代を想定してお願いしているわけでない。多額の負担は被災地として難しい」と述べた。 東京都によると、上野動物園(台東区)で昨年、パンダ2頭を10年間借り受ける際、中国に野生動物保護への協力金名目で年間95万ドル(約7300万円)を支払う協定を結んでいる。 パンダをめぐっては、秋田市の大森山動物園を応援する市民組織が8月下旬、市に誘致を求める要望書を提出するといった動きもある。
2011年10月18日火曜日
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