西日本新聞

二審も在日年金認めず 福岡高裁判決

2011年10月17日 13:27 カテゴリー:九州 > 福岡 社会

 外国籍のため国民年金制度の対象外となり、年金が受給できなかったのは法の下の平等を定めた憲法に違反するなどとして、福岡県内の79―89歳の在日韓国・朝鮮人の男女と遺族計9人が国に慰謝料など1人当たり1500万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は17日、「原告の訴えには理由がなく、憲法違反は認められない」と請求を棄却した一審福岡地裁判決を支持、原告側の控訴を棄却した。

 原告は上告するが、大阪、京都両府の在日韓国・朝鮮人が起こした同様の訴訟では最高裁で原告側敗訴が確定している。

 判決によると、1959年施行の国民年金法には加入者を日本人に限る国籍条項があった。82年に条項は撤廃されたが、当時60歳以上の外国人は対象外で、60歳未満でも25年間加入しないと年金がもらえる権利が得られなかった。86年の法改正で加入25年未満でも年金の一部を受給できるようになったが、額がわずかしかなく、原告の大半は加入しなかった。

 判決理由で、森野俊彦裁判長(木村元昭裁判長代読)は「まず日本国民に社会保障を行うことが急務とされた当時の歴史的・社会的事情に照らせば、国籍条項は直ちに合理的根拠を欠くものではない」と指摘。82年、86年の見直しで高齢の在日韓国・朝鮮人に救済措置を設けなかったことも「著しく合理性を欠き、明らかに裁量の逸脱・乱用とはいえない」とした。

 昨年9月の一審判決は「国籍条項は差別的取り扱いとはいえない。条項撤廃後に60歳以上の外国人を対象外にした扱いも明らかに裁量の逸脱、乱用とまでいえない」とした。

=2011/10/17付 西日本新聞夕刊=

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