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ライフ
禅に傾倒するなど日本びいきで知られたスティーブ・ジョブズは、日本食も好きで、米アップル本社内のカフェには「刺身そば」なるお気に入りのメニューもあった。しかし「刺身そば」とは?? 食事情に詳しいライター・編集者の松浦達也氏がニュースと話題の人に関係する食べ物を紹介する「日本全国縁食の旅」、今回は「刺身そば」を作って食べてみた。
* * *
スティーブ・ジョブズの訃報に凄まじい数の追悼メッセージがWeb上にあふれた。そのなかで「おや?」と私の目をひいたのが、「そばの専門学校 築地そばアカデミー」という手打ちそばの教室だ。
この「築地そばアカデミー」、およそアップルとはかけ離れたデザインのトップページに「【謹んで哀悼の意を表します】Appleスティーブ・ジョブズ会長のご冥福をお祈り申し上げます」というメッセージを掲げていた。実はこのアカデミーには、大の和食党のジョブズのためにアップル社の厨房のスタッフが修行に来たことがあるという。
米アップルの本社にある「Caffé Macs」では純和風のそばが食べられる。いや、正確に言うと純和風というより、「超和風」と言った方がいいかもしれない。なぜならそのメニューというのが、純和風のそばにこれまた純和風の刺身を合わせた「Sashimi Soba」なる、日本人には到底考えられないメニューだからだ。
いくら何でもこれは都市伝説に違いない。当初はそう思いながら「Sashimi」「Soba」「Apple」などのキーワードで画像検索をかけた。するとそばの上に刺身が乗っているようにしか見えない画像が見つかった。これは本当だったのか? シリコンバレーに勤務する日本人に話を聞いた。どうやら、「コンビネーションソバ」と言われるメニューのバリエーションのらしい。
「アップルのコンビネーションソバの存在はシリコンバレー界隈ではわりと有名ですよ。刺身そばはマグロの赤身とサーモンと白身の刺身が、ざるそばの上にトッピングしてあって、つけつゆで食べるタイプです。確かほかにうなぎそばもあったはずです。味ですか? まあ……刺身そばの方は日本人なら想像通りというか……。うなぎそばは食べた人が『別々に食べたい』と言っていました」(シリコンバレーに勤務する日本人エンジニア)
どうにも奥歯にモノのはさまった言い方だったので、自作してみることに。茹でて冷水で締めたそばに、マグロとサーモンとハマチの刺身を乗せ、バランを敷いた上にわさびと大根おろしをあしらった(=写真)。
まず刺身をつゆにつけて食べてみる。それほど悪くない。醤油の代わりに出汁をつけると、若干過剰な味わいになる気もするが、許容できないほどでもない。
次にそばと刺身を合わせて食べてみる……。あまりおいしくない。少なくとも、わざわざ一緒に食べる意味はない。冷たいそばの歯ざわりと刺身の食感も決して合っているとは思えないし、味は完全に分離している。
最後に刺身の下に敷かれていたそばをすすってみる。……。食材であるそばと刺身に対して、大変申し訳ない気持ちになった。確かに先の日本人エンジニアが言っていた「予想通り」の味だった。一言で言うと、「生臭い」。それ以外に表現しようがない、後悔させられる味だった。
コンピュータ、iPhoneなど様々なイノベーション(技術革新)で私たちを楽しませてくれたジョブズ、最後は「そば」もイノベーションしたかったのだろうか。合掌。
スティーブ・ジョブズが愛した「刺身そば」後悔する味だった
2011.10.16 16:00