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TPP反対運動が不発の怪 - 10/16TBSの金子勝の正論
国内の反TPPの気運が弱く、一向に盛り上がる気配がない。私から見て、何とも不思議なものだ。逆にTPP推進派の方は日を追って勢いを増し、マスコミ世界を完全制圧しているばかりか、ネットの中でもTPP推進派が増えている。昨年の11月当時を思い出すと、期待の新星として登場した中野剛志へのリンクが各所で氾濫し、情報全体としてはTPP反対派が圧倒している感があった。今、TPP推進派の怒濤の攻勢の前に反対派が沈黙し、半ば諦めて情勢を達観、交渉参加まで織り込んだ気配が濃厚に漂っている。戦線後退が顕著だ。農協のデモがない。農業団体の官邸への陳情の場面がない。地方県の知事の反対表明がない。医師会長の会見がない。日弁連会長の反対声明がない。起こるべき反発がなく、カウンターの政治が何もハプンしない。反対派の陣営の危機感の無さに呆然とする。昨日(10/16)は、遂にこの政局のカギを握る輿石東が発言し、TPP参加の方向で党内を纏める旨を宣言した。動きが素早い。民主党のPT総会に与える影響は大きいだろう。反対派としてテレビに登場するのは山田正彦だけだ。自民党の議員と連携する動きも見せない。超党派の議連での会見がない。消極的反対派が次第に中立派になり、さらに消極的支持派へと立ち位置を寄せている。今回は、中野剛志も影が薄く活発に動いている様子がないが、カネを掴まされて裏切ったのだろうか。


輿石東がキーマンだから、輿石東に電話攻勢をかけろと呼びかけた途端、輿石東がTPP賛成の意向と窺わせる記事が出た。わざわざマスコミが山梨まで行き、会見を開かせている。真相はよく分からない。これは前原誠司がマスコミに書かせた政治工作で、官僚と仙谷由人が裏で仕掛けている。敵は政治をよく分かっているし、情報を収集して機敏に手を打っている。昨日(10/16)、サンデーモーニングでTPPが話題になって議論がされた。コメンテーターの席に座ったのは、河野洋平、大宅映子、小幡績、涌井雅之、金子勝、岸井成格の6人。金子勝を除く5人全員がTPP推進の立場だった。通常、この番組では岸井成格を除くコメンテーターは4人の構成となっている。そして、金子勝は先週(10/9)も出席しており、この回は定期の出演予定ではなかったはずだ。言わば、局からの要請で臨時で飛び入りしている。その理由は、TPP反対派も一人加えなきゃという外面のバランス配慮からに違いない。この番組を仕切っているのは岸井成格と関口宏だが、岸井成格は、TPPの問題を放送するこの週に合わせてTPP推進派を4人集めて並べる思惑だったのだろう。均衡を慮った関口宏が、体裁を崩して急きょ金子勝を割り込ませたのろうか。それにしても5対1であり、反対派はたった一人という構図だ。岸井成格が政治戦の詰めに出た。

他の5人より時間を与えられた金子勝のコメントは秀逸で、立て板に水の反論が繰り出され、議論の中身としては十分な説得力を持っていた。最も急所を衝いた一撃はは、カナダが酪農の保護を条件にしてTPP参加に手を挙げたところ、米国から条件付きは許さないとして拒否された事実を指摘した点で、推進派から流されているところの、早く交渉に参加した方がルール作りに関与できるという俗説の虚偽を暴露していた。条件交渉などできないのである。米国が決めた条件がTPPのルールになるのだ。また、農業を大規模化して強くするという話に対しても、一戸平均で豪州3000ha、米国200haの作付面積の規模に対して、どれほど経営を拡大しても日本は太刀打ちできないという正論を提示、コメ農家保護のために年間1-2兆円の補助金が必要になるという問題も紹介した。この正論は、昨年は説得力を持って国民の中に浸透していたが、今年は主張する者がマスコミに登場せず、すっかり背後に退いてしまっている。農業大規模化が「正論」になっている。もともと2年前のマニフェストで唱えられていたのは、小規模経営で活力ある日本農業を再生するという方針で、農家戸別補償の新制度は小規模経営が前提で対象のものだった。大規模化は自民党(麻生政権)の路線であり、民主党はそれを批判し、逆の政策を公約していたはずだった。

金子勝は、さらに、医療の保険外診療、労働の移民規制、郵政民営化とTPPの問題の核心を次々並べ、交渉参加を急ぐ前に、まず経産省と外務省が実態を情報開示し、対応可能かどうか国民に問うて議論することが先決だと正論を述べた。そして、TPPの狙いが米国による農業産品の日本への輸出拡大にあると言い、工業製品に対する米国のわずか2.5%の関税がゼロになっても、円高が続く環境なら日本企業に何のメリットもないと述べた。これも当を得た重要な論点だ。金子勝の反論は見事なものだが、番組はそこから議論を踏み込まないのである。TPP推進派をズラリ並べ、わざわざ同じ慶応から小幡績を呼んでTPP賛成・早期交渉論を扇動させながら、そこで金子勝と討論をさせないのである。金子勝が言うように、本当にTPPに参加すると条件を押しつけられるのか、小幡績が言うように、TPPに入ってから例外品目の設定が可能なのか、二つの説があり、対立する論者の代表が揃っているのだから、そこで論戦を闘わせればよいのだが、TBSと関口宏はそれをしない。単に各自が一回だけ意見を言うだけで、それを視聴者に聞かせて終わる。そうなると、民主主義は数の政治だから、賛成派が5名で反対派が1名となると、番組の結論としてはTPP賛成の方向性となって演出される。最後に岸井成格が仕切って出て、毎日新聞は参加賛成だと落とし込む。

レギュラーの金子勝は、レギュラーのプロトコルを順守し、それ以上は言わず、討論で説得を深めようとせず、賛成派に論駁する行動に出ない。それをやると、番組から干されて二度と出演できなくなるから。こうして状況が敷き固められる。そして世論が醸成させられ、反対の意思を持った国民も大勢に順応して諦めの境地へ変化し、TPP参加が既成事実となる。反対論が異端化される。昨日(10/16)、朝日は社説でTPP参加を扇動していて、TBS(岸井成格=毎日)と歩調を合わせていた。裏で政治行程表ができていていて、マスコミがタイミングを合わせていることが分かる。こうして社説で言った以上、必ず「世論調査」が行われて発表の段取りとなる。社説の主張が正しかったという「結果」が示される。既成事実が固められる。それにしても、朝日の社説もそうだが、TPP推進派の議論は、協定の中身に立ち入ったものがなく、反対派を説得する内容がないのが特徴だ。きわめて抽象的に、「鎖国はできない」とか、「開国せよ」のワンフレーズの繰り返しであり、反対派を貶下する単純な比喩の連発で終始している。大宅映子と涌井雅之がそうだ。この連中のこの手口は昨年から一貫していて、決して余計な口上は言わず、「鎖国はだめ」の一点張りを貫徹する。これはおそらく、岸井成格の差し金で事前に示し合わせているのだろうし、それが最も洗脳に効果的な策だと承知した上での戦術なのだろう。

「鎖国」のレッテルを連呼するネガキャンの全開、そして韓国のFTAを賛美しての「世界の流れ」の強調と「日本の出遅れ」の演出。賛成派のプロパガンダは、中身はそれだけで、反対派が指摘する一つ一つの問題点には答えない。具体的な論戦を展開しようとしない。そして、数を示し、空気で固め込む。果たして、TPPは、本当に推進派が言うような「貿易と経済の自由化」の流れだろうか。むしろ、これはWTOが行き詰まった後の、米国主導のブロック経済化の動きであろう。言うまでもなく、中国と韓国はTPPに参加しない。GDP比で米国はTPP圏全体の66%、日本は24%を占め、日米2国で9割を占める。TPPは、米国経済と日本経済を統合して一つのブロック経済を作るもので、米国経済の拡張であると同時に、日本経済の米国経済への従属と包摂である。日本が主体的に経済連携を進めようとするのなら、韓国のように二国間でFTA、EPAを結び、互いにWinWinの関係を作るのが本当だろう。前原誠司の説明では、米国が日本との間でFTAを嫌い、TPPを日本に強要するのは、二国間で一つ一つ対応するのが面倒だからとUSTRが言ったと言う。そういうふざけた話に、何で日本が乗らなくてはならないのか。属国化と臣従を深め、米国の農家のために貢がなくてはならないのか。官僚が米国に押さえられていて、米国の利益のために奉仕している。政治家は全く無責任に、そのときそのときの官僚の方策を政治決定している。

そうした決定をマスコミが後押ししている。本気で主食のコメを米国から輸入するのだろうか。自給率はどうなってもよいのだろうか。最後に、サンデーモーニングで、河野洋平が、TPPは急に言われた問題ではなく、2年前にオバマが来日したときに、すでに日本政府に回答を突きつけている問題だと言い、民主党政権が問題を放置したのだと責めていた。しかし、それなら河野洋平に尋ねたいが、自民党はTPPに対してどうするのだ。対応を決めて公表しているのか。参加するのか。自民党の正式対応も言い出せず、農村票を失いたくない臆病者のくせに、テレビで民主党批判などできた立場なのか。関口宏は、何で河野洋平に自民党の姿勢を訊かないのか。事実を言えば、2年前にオバマから強請があった後、誰もそれを断れず、誰もそれを受け入れられないため、棚晒しにしていたのである。それが昨年のAPECで火を噴き、続いて今年も火を噴いているだけだ。日本の参加表明を得れば、オバマはそれを選挙で宣伝の材料にする。それだけのことだ。しかし、それにしても、何で私のような、農民でも医者でもない者が、一国民としての利害得失しかない者が、これほど必死になってTPP阻止に奔走し、大勢の利害関係者が沈黙を決め込んでいるのだろうと不思議に思う。苛立った気分になる。苛立つ気分は、ブログでどれほど反TPPを呼びかけても、危機を訴えても、誰にも思いが伝わらず、それに呼応する戦闘的な市民が出現しないことにも因る。行動が運動に結びつかず、空振りに終わっている不首尾にも因る。これ以上の亡国の沙汰はないだろうに。

正直なところ、精神が疲労して消耗する。また、勝つのは岸井成格なのか。


by thessalonike5 | 2011-10-17 23:30 | Trackback | Comments(0)
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