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米韓FTAを重く受け止めよ

2011/10/15付
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 米上下両院が韓国との自由貿易協定(FTA)の実施法案を可決した。今後、韓国側の批准手続きを経て、来年1月にも発効する見通しとなった。このまま傍観していては、日本は世界の貿易自由化の流れに取り残されるだけである。

 米韓FTAは工業品など、ほとんどの関税を5年以内に撤廃する。米国はとくに農産物、韓国は自動車や関連部品の輸出増を期待している。

 米議会の承認にあわせて、ワシントンでは米韓首脳会談が開かれた。オバマ大統領は「両国の勝利だ」と表明した。李明博大統領も「米韓同盟に新たな一章を開いた」とFTAの成果を強調した。

 韓国は7月に欧州連合(EU)とのFTAも発効している。米国を含めると、韓国のFTA対象地域は輸出総額の4割近くとなり、日本の約2倍となる。日韓の輸出産業は自動車や電機など競合分野が多い。このままでは日本企業が一段と厳しい競争条件にさらされてしまう。

 日本政府は、なお予備交渉の段階にあるEUとの経済連携協定(EPA)が早期に本交渉入りできるよう努力すべきだ。米国が加わる環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加の決断も待ったなしである。

 農業保護は日本と同様に、韓国にとっても頭の痛い問題だ。それでも李政権は「FTAは韓国が生き残る道」と明確な路線を貫く。交渉では最も敏感なコメを関税撤廃の対象から除外するとともに、農業の競争力や生産基盤を強める支援策を打ち出すことで国内を説得した。日本も学ぶべきことが多いのではないか。

 要は政権の指導力の問題だろう。

 FTA戦略で先行する韓国の次の目標は、最大の貿易相手国である中国ともいわれる。中国もTPPなどへの対抗上、中韓のFTAに極めて前向きだ。ただ、市場経済が定着していない中国との間で、関税撤廃の内容も含めて高い水準の協定が結べるかどうか。やはり日韓がまずは質の高い協定を実現し、アジアの手本とすべきだろう。

 野田佳彦首相は18日から韓国を訪問する。日韓のEPA交渉は2004年以来、中断したままだ。李大統領とのトップ会談を通じて、早期の本交渉再開につなげてほしい。

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